酒の友として好適なDave Peckトリオ
"Good Road" Dave Peck (Let's Play Stella)
最近,買ったCDの整理が悪く,このアルバムも「積んどく」盤として埋もれてしまっており,発売されたのはそんなに前ではないが,「おー,そう言えばこれも買ったなぁ」という感覚で,久し振りに聞いたような気がするアルバムである。
Dave Peckはシアトル出身のピアニストで,長きに渡ってBud Shankの伴奏を務めていたことでも知られる人であるが,日本での知名度はまだまだ限定的であろう(そうでもない?)。しかし,このアルバムでの演奏は,結構日本人の心の琴線に触れそうな響きに満ちている。ドラムスがJoe LaBarberaということもあるが,一聴してBill Evansを想起することは仕方がなかろう。しかし,タッチはEvansよりもはるかにソフトに聞こえる。このアルバムは決して刺激的な音楽ではなく,また,真剣に鑑賞するというよりも,心地よくバックを流れる音楽として捉えるべきのように思える。
曲は1曲がPeckのオリジナルである以外は全てスタンダードと言ってよい曲ばかりであるが,冒頭の"Yesterdays"からして,通常の"Yesterdays"っぽくなく始まっており,情念とかソウルとか言った感覚とは無縁の「大人しい」ピアノがリリカルに展開されている。DownBeat誌はPeckのピアノを"Lyrical and pastel, swinging and bluesy, with a ringing crystalline touch"と評したそうであるが,ブルージーかどうかは別にして,その評価はかなり的を得ていると思う。Peckは音楽教育にも関わっているらしいのだが,さもありなんという感じの演奏と言うこともできるぐらい破綻が感じられない音楽であり,小音量でバーで流すには最適な音楽と言ってもよいだろう。但し,カクテル・ピアノというよりも,あくまでも詩的なピアノなので念のため。
私のように通勤時間に音楽を楽しむ比率がかなり高い人間にとってはなかなか何度も聞くチャンスには恵まれないかもしれないが,そんな私でも,夜(特に深夜),妻子が寝静まった後,酒を片手にひそかに一人で楽しむにはなかなかよいアルバムである。星★★★☆。
尚,このアルバムと同じメンツによるトリオで,シアトルのJazz Alleyというクラブで吹き込んだライブ・アルバムが2008年には発売されるらしいので,また買ってみようかなぁ。確かにクラブで聞いても楽しそうだし。
Recorded on June 8 - 11, 2003
Personnel: Dave Peck(p), Jeff Johnson(b), Joe LaBarbera(ds)
| 固定リンク
「ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事
- 本年を回顧する(その4):ジャズ編(2008.12.31)
- Paolo Fresu Devil Quartet:ジャケはさておき(2008.05.15)
- 話題沸騰:Jesse Van Rullerを聞いた(2008.10.17)
- 追悼:Freddie Hubbard(2008.12.30)
- 耳より情報:Enrico Pieranunziのノルウェイ録音!(2008.12.26)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/17860957
この記事へのトラックバック一覧です: 酒の友として好適なDave Peckトリオ:

















コメント