ピアノもヴァイブもいけてるDon Thompson
"Country Place" Don Thompson(P.M.)
先日,Ed Bickertとの共演盤を取り上げたDon Thompsonであるが,本盤は本業のベースを離れ,ピアノとヴァイブに専念したアルバムであるが,これが結構いけている。
リズム奏者でピアノもうまいと言えば,Jack DeJohnetteを思い出すが,それといい勝負と言っても過言ではない。冒頭の"Country Place"からして,曲名どおりのフォーク・タッチを聞かせているが,3曲目の"Sasha's Delight"などは一転してスピーディでスリリングなピアノ演奏を聞かせており,ピアニストとしての引き出しの多さを示すなかなかの多彩振りである。それをバックでJoe LaBarberaが煽るというのであるから意外と言えば意外である。Bill EvansのバックのときよりもこのLaBarberaはかなり激しい。
また,LPのB面冒頭を飾るThompsonのヴァイブが美しい"Second Voyage"は,その曲名からも想像されるHerbie Hancock作"Maiden Voyage"へのオマージュ(かなり「まんま」である)と言えるが,このあたりがピアニストDon Thompsonへの影響度を探るヒントになるのかもしれない。かと思うと,"Full Nelson"なんて曲はかなりフリーぽく迫ってくるし,最後の"Song for Sonny"ではまたもフォーク・タッチで牧歌的に締めくくっているのだから,悪く言うと捉えどころがない。
しかしながら,このアルバム,Don Thompsonの多彩なスタイルを捉えたアルバムとしてピアノ・トリオ好きは買っても損はないだろう。今年になってCDでも再発されたようで,入手が楽になったことはめでたい限りである。星★★★☆。
なお,本作のエンジニアは何とあのJan Hammerが務めている。これまた意外と言えば意外な組み合わせと言えるが,ベースのGene Parla(レーベル・オーナーのはずである)とHammerはP.M.レーベルでの録音で結構共演したりしているので,その縁でこういうことになったのであろう(そう言えば,Hammer参加のElvin Jonesの"On the Mountain"ではParlaがエンジニアだったような)。これが所謂ミュージシャン・シンジケートってやつですな。
Recorded in December 1975
Personnel: Don Thompson(p, vib), Gene Parla(b), Joe LaBarbera(ds)
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