インベージョン:3度目のリメイク
「インベージョン(The Invasion)」(米,'07,Warner Brothers)
監督:Oliver Hirshbiegel
出演:Nicole Kidman, Daniel Craig, Jeremy Northam, Jackson Bond, Jeffrey Wright, Veronica Cartwright
このブログで,本作のオリジナルである「ボディスナッチャー/恐怖の街」を低予算でも面白い映画はできると紹介したことがあるが,この作品は3度目のリメイク,即ち4回目の映画化ということになるが,金が掛かっている(Nicoleのギャラだけで1,700万ドル:約20億円らしい)割にはどうもよろしくない出来である。
何と言ってもシナリオがよろしくないのが致命的であり,ご都合主義的ストーリー展開と言われても文句は言えない。あれだけの感染力を持つウイルスが,NicoleやDaniel Craigも入れるような研究所内でなぜ感染しないのかとか,そんな簡単にワクチンが作れるのかとか,いつDaniel Craigは寝たのかとか,文句や疑問を言い出したらきりがない。
それでもNicole Kidmanは相変わらずの美しさだし,96分という適切な長さもあって,まぁそれなりには見られるが,それでもこのストーリー展開はまずいだろう。大体,Nicoleが眠りそうになると現れるCGでのウイルスのイメージもしつこい。「Nicole Kidmanは眠らないように苦闘するが,観客が眠らないようにするのも困難だ」という米国メディアの辛辣な批評もうなずける。結局,一向に盛り上がらないサスペンス映画ということで,Nicole Kidmanでなくても全然構わない映画である。こういうのをキャストの無駄使いという。
「ヒットラー~最期の12日間~」を撮ったOliver Hirshbiegelにとって,これが米国映画デビューとなったわけだが,プロデューサーのJoel Silverと随分もめたらしく,一部は彼が撮っていないシークェンスも入っているようである。これが彼のキャリアの汚点と言われないことを祈りたいが,駄目なものは駄目である。Nicoleの美貌に免じて星★☆。でもあれだけ寝不足なら目に隈でもできそうなものだが...。とまた文句を言ってしまった。やっぱりご都合主義のシナリオだ。オリジナルに全く及ばぬ凡作。ちゃんとオリジナルをDVDで発売せんかい!と言っておこう。
ところで,余談ながらこの映画を見に行った際に,以前このブログで私が暴挙と呼んだ織田裕二による「椿三十郎」のリメイク版の予告編を流していたのだが,これが予想以上に駄目である。何がか?織田裕二の台詞回しである。イモな演技も甚だしい。これでは黒澤明と三船敏郎に対してあまりに失礼である。期待感を高めるはずの予告編を見て,行く気を失せさせる映画というのも珍しいが,監督の森田芳光も何を考えているのやら。やはりこれは暴挙であった。今度は「隠し砦の三悪人」までリメイクされるらしいが,いくら長澤まさみが出ると言っても,これも考えものである。
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