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2007年9月 3日 (月)

青い山脈:凛とした原節子とおしゃまな若山セツ子が素晴らしい

Photo_20190812175901 「青い山脈」 (1949年,東宝)

監督:今井正

出演:原節子,龍崎一郎,池辺良,杉葉子,伊豆肇,若山セツ子,木暮実千代

私は映画に関して言えば,間違いなく洋画指向,特にアメリカ映画指向であり,これまで日本映画に関しては黒澤を除けば,まともにクラシックな映画に接してきた経験がない。小津も知らなければ,溝口も知らないし,成瀬もまったく未経験である。よって,私が日本映画について語る資格があるかと言えばそれは否である。しかし,そうした私の目を開かせてくれたのが新潮新書から出ている長部日出雄の著作「邦画の昭和史:スターで選ぶDVD100本」であった。暇つぶしのつもりで買ったこの本に啓発され,まず私が手を出したのがこの「青い山脈」である(財布には結構痛かった)。

「青い山脈」は何度か映画化されているが,1949年のこの作品が最初である。1949年と言えば,まだ戦後の混乱から日本が脱していないころと想像するが,そうした時代背景の中で,このような映画が生れたことがたいへん素晴らしい。私がこの映画を見て感銘を受けたのは,非常にリベラルな雰囲気を醸し出していることである。戦時中の鬱屈した状態から脱して,こうした感情を発露できる喜びのようなものを画面から感じることができて,私本人が相当にリベラルな性格ゆえ,それだけで嬉しくなってしまった。

また,この映画で私をとらえたのが原節子の凛とした姿である。美しさというよりも,私はこの原節子の「凛々しさ」にある意味感銘を受けてしまった。また,眼鏡をかけた若山セツ子の可愛さがたまらない。明らかに小柄で,おしゃまな若山セツ子は,この映画のもう一人の主役である長身でスマートな杉葉子との明確な対比形としての役割を担っているが,私には現代でも通用する可愛らしさと思う。

この映画を見ていると,確かに話は他愛無いが,クラシックな名作というのはどこの国の作品でも楽しめるのだなぁと痛感し,今までの自らの不明を恥じた。そう言う意味では,私の目を開かせた長部日出雄には感謝をしなければならない。

ということで,長部日出雄への感謝を含めて星★★★★★を謹呈する。尚,本作とその後リメイクされた作品でのキャスティングを比較してみると,結構笑えることが多いので,お暇な方はご調査あれ。

私は,次は岸恵子が最高らしい「雪国」でも買ってみることとしよう。

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