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2007年9月26日 (水)

Joni Mitchell待望の新作

Shine"Shine" Joni Mitchell(Hear Music)

前作"Travelogue"から5年,まさに待望と言うべきJoni Mitchellの新譜が発売になった。私は実際にこのCDを手に取るまで,発売中止になるのではないかと実は内心ひやひやしていたのだが,無事発売されたのは何よりである。やはり,ここはこのアルバムについて書かないわけにはいかない。

実は私は前作が発売された直後,Amazonに次のようなレビューを書いた。

『前作"Both Sides Now"に続く豪華なオーケストラをバックにした演奏集である。今回は前作と異なり,Joniの過去の名曲群を歌っており,選曲としてはほぼ文句のないものとなっている。(中略) 本作の評価を分ける鍵はバックのオーケストレーションにある。確かに豪華な伴奏であるが,これが本質的にJoniの音楽にフィットしているかについては疑問があるし,少なくとも筆者には過剰に思える。たとえDVD作品"Painting with Words & Music"に見られたようなシンプルな伴奏であろうと,Joniの曲は十分輝きを放つはずである。Joniはこれを最後のレコーディングにすると語ったとの情報もあるが,この作品をキャリアを総括する最終作として欲しくないというのが正直なところである。』

ということで,前作はToo Muchな歌伴だというのが私の評価だったが,今回はその反動というわけではなかろうが,Joniには珍しく宅録テイストが横溢しており,Joni自身が複数の楽器を演奏したりプログラミングも行っているようである。その結果,参加ミュージシャンは必要最小限に抑えられている。そして響きは妙にサウンドが生々しいというか,敢えて装飾を排しているとしか思えないのである。約5年に渡るセミ・リタイア中にJoniに何が起こったのかと考えたくなるのも人情だが,この違いはScritti Polittiの最新作がGreenによる宅録だったことにも重なってしまう。

私がこのアルバムを評価するには,まだ聞いた回数が足りな過ぎるが,一聴して今回ほどWayne Shorterの不在を痛感させられたことはない。今回のアルバムではBob Sheppardがサックスを吹いており,いきなり1曲目はJoniのピアノとSheppardのデュオ,しかも何とインスト曲で幕を開けるのだが,そこから私は違和感をおぼえてしまったのである。SheppardはWalter Beckerのプロデュースでアルバムをリリースし,Steely Danのライブにも参加しているまぁまぁ有能なミュージシャンではあるが,残念ながらShorterほどの深みが感じられず,フレーズもサウンドもいかにも軽い。ほかの曲でもそういう感覚が強く,ここはやはりShorterを呼ぶべきだったというのが正直な感想である。

そうは言いつつも,長年のJoni Mitchellファンとしては,復帰してくれただけでも満足と言ってもよいのだが,上記のような理由もあり,まずは最初の感覚としては星★★★★ぐらいの出来としておこう。

尚,彼女のアルバム・カバーを彼女の絵以外が飾ったのは久し振りのことだが,ブックレットの中身も含めて,全てバレエの写真から構成されている。全てがJoniが絡んだ゛The Fiddle and the Drum゛からのものではない(というより一枚だけが゛The Stalker゛というバレエらしい)ようなのだが,どういう基準でブックレットの写真が選択されたのは定かではない。

Personnel: Joni Mitchell(vo. g, p and others), Greg Leisz(pedal steel), James Taylor(g), Larry Klein(b), Brian Blade(ds), Bob Sheppard(reeds), Paulinho Da Costa(perc)

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