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2007年9月 7日 (金)

Antonio Sanchez:何とも素晴らしい初リーダー作

Antonio_sanchez_2"Migration" Antonio Sanchez(CAM)

Pat Metheny Group(PMG)のドラマーであるAntonio Sanchezによる初リーダー作が発売された。イタリアのCAMレーベルからというのが意表を突くが,これが実に素晴らしい出来である。

私が初めてAntonio Sanchezを見たのはPMGのライブの場であったが,Patのソロ・チューンに続いて演奏されたPatとSanchezのデュオに目が点になる思いになったのも記憶に新しい。非常にコンテンポラリーな響きを持ち,タイトで正確,かつダイナミックな凄いドラマーが出てきたものだとそのときも思ったが,そうした印象はこの初リーダー作でも何ら変わりがない。冒頭のChick Coreaが書き下ろした"One for Antonio"からして胸のすくような快演である。

しかしそれだけではないのである。このアルバムの中心を成すのが,2テナーをフロントに据えたピアノレス・クァルテットというのが渋い。しかもテナーはChris PotterにDavid Sanchezというのだから,これまたただごとではない。1曲目のピアノ・トリオから転じて,2曲目に聞かれるクァルテットによるスリリングな展開を聞けば,このアルバムの出来のよさを確信できるはずである。

そうした中で,Pat Methenyが2曲で客演するが,これが最も「地味」に聞こえるのである。最後はデュオの"Solar"で締めるが,これとて冒頭からのインパクトを凌駕するほどの出来ではない。それほど私は冒頭の2曲で参ってしまったと言ってよい。

全9曲のうち,4曲をSanchezが書いているが,作曲家としてもなかなかのものである。私は,このアルバムはコンテンポラリーなSanchezのドラミングを楽しむとともに,優れたコンボ演奏を収めた,Sanchezのトータルな才能を感じさせる佳作と評価する。ドラムスだけ聞けば,サウンド的にはBilly Cobhamほどの重量級ではないとしても,ミドル級王者ぐらいのポジションにはあると思わせる大した演奏である。星★★★★☆。

Recorded on January 10, 11 & 21, 2007

Personnel: Antonio Sanchez(ds), Chris Potter(ts, ss), David Sanchez(ts), Scott Colley(b), Chick Corea(p), Pat Metheny(g)

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