久々にBrad Mehldauの入手困難盤シリーズ:その4
"Deregulating Jazz" Brad Mehldau(Warner Brothers)
Pat Methenyとの来日も迫ってきたMehldauであるが,その入手困難盤シリーズを久々に書いてみたい。Mehldauのディスコグラフィ上,入手が難しいのはプロモーション盤での未発表演奏ということになる。Joshua Redmanのプロモーション盤然り,Warnerの"Ample Sampler"然りである。後者については私も未だにゲットできておらず,これは気長に待つしかない。
そのプロモーション盤の中でも,Brad Mehldauというミュージシャンに的を絞ったアルバムが,本作である。本作は全7曲であるが,うち5曲はWarner Brothersのアルバムからの既発音源なので,それが本作を探すことの理由ではない。本盤の価値は2曲のアルバム未収録音源である(2)の"Paranoid Android"と(6)の"Bottle Up And Explode"ということになる。但し,前者はStarbucksを通じて発売されたチャリティ・アルバム"Groundwork - Act to Reduce Hunger"にも収録されており,発売されたのはそちらの方が先のはずである。ということでは貴重度は全て(6)に起因するということになる。
その(6)だが,米国のFM(KRCW)の番組,"Morning Becomes Eclectic"の出演時の演奏を収めたもので,Mehldauは美しいピアノ・ソロを聞かせている。同番組の出演時の記録としては"Morning Becomes Eclectic"(まんまや!)というアルバムにこちらもソロによる"Exit Music"が収録されているが,こちらはちゃんと市販されているので,入手は容易である。この番組,ロック系が中心だが,素晴らしいミュージシャンが目白押しで出演しており,ここでの音源を収録したアルバムはお宝揃いである。同番組のWebサイトは一見の価値ありということで紹介しておく。http://www.kcrw.com/music/programs/mb
話がやや脱線したが,本盤はMehldauのプロモ盤としてはよく出来たものであり,彼の魅力をコンパクトにまとめたものだと思う。プロモ盤ということは割り引く必要があるが,それでも星★★★★☆。私はこのCDをeBayで入手したが,その後もたまに見掛けるので,入手希望者は気長にチェックしよう。
それにしてもMehldauコンプリートを狙うコレクターは辛いというのが正直な感想である。私自身,このエネルギーがいつまでキープできるか心配である。それでも,これからもBrad Mehldauはフォローしていきたいと思わせるミュージシャンである。
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