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2007年5月15日 (火)

Steve Colemanは確かに時代の寵児であった

Coleman "Sine Die" Steve Coleman & Five Elements (Pangea)

Steve ColemanがStingのレーベル,Pangeaから1988年に発表した傑作アルバムである。こうした作品をものにしたことは評価すべきであるが,その後のColemanが徐々に勢いを失ったことは誰の目にも明らかである。

確かに80年代の後半には,彼らのM-Baseサウンドがシーンを席巻したこともある。複雑なリズム・フィギュアに,ホーンのユニゾンや先鋭的なソロを組み合わせたのがM-Baseサウンドの特徴と言えると思うが,いかんせんこうした取組みはパターン化し,聴衆から飽きられるのも早い。同じくM-Base派と言われたGary Thomasが失速したのが早かったのも同じ理由である。Colemanの不幸は,こうしたテクスチャーだけの音楽に留まるべきでない実力を有していたにもかかわらず,この手の音楽にこだわったことである。スマートなCassandra WilsonはM-Baseに見切りをつけ,ディープなアメリカン・ミュージックへ転換を図ったのは正解だった。

しかし,ここで聞かれるサウンドは確かにかなりのカッコよさである。この変拍子に「乗れ!」と言われても困るが,体を揺らすこのグルーブは何とも言い難い魅力があるし,その魅力は約20年を経た今でも変わらない。時代の断面を切り取った音楽と言っては言い過ぎかもしれないが,確かにこれはあの時代をシーンを代表していた。Steve Colemanのリーダー作は数々あれど,私にとってはこれが彼の最高作品である。星★★★★☆。

尚,リーダーでない作品にはもっといいのがあるという話がのも事実である。Dave Hollandとの"Triplicate"なんぞは正直痺れる出来である。

Recorded in 1987/1988

Personnel: Steve Coleman (as), Graham Haynes (tp), Robin Eubanks (tb), James Weidman (key), David Gilmore (g), Kevin Bruce Harris (b), Marvin "Smitty" Smith (ds), Cassandra Wilson (vo),  Branford Marsalis (ts), Gary Thomas (ts), Greg Osby (as), Jimmy Cozier (bs), Geri Allen (key), Lonnie Plaxico (b)

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コメント

Steve Coleman 本人のWebサイトでは、かなり多くのCDがFreeDownload 出来ます。
なぜ、そうなったのでしょう。情報が少なくよく分かりません。

お名前を頂いていませんが,コメントありがとうございます。Steve Colemanのサイトを覗いてみましたら,次のようなColemanによるエッセイが載っていました。冒頭だけですが,コピペします。

WHY DO I GIVE AWAY SOME OF MY MUSIC?
(by Steve Coleman)

Many people have asked me what are my reasons for giving away music for free. Well, why not? Why should everything always cost something? For me music is organized sound that can be used as sonic symbols to communicate ideas. Since my main goal is the communication of these ideas to the people, then why not provide this music for free and thereby facilitating the distribution of this music to the people. However the distribution of music in this way is not in the best interest of commercial music companies, i.e. record companies, music distributors, retail stores etc.

My reasons for providing free music comes from my belief that musical ideas should not be owned by anyone. I believe that ideas should be free for anyone to use (but not to necessarily sell to others or make others pay for the use of these ideas). The concept of a commons area where ideas can be used for the benefit of all but for the profit of no one may seem like an unrealizable concept in the world today. Basically greed runs the world today and it is because of this that the concept of ownership exits.

エッセイはこの後も続きますが,ある意味,レコード会社には喧嘩を売っていると言っても過言ではありませんねぇ。相変わらず過激ですがColemanらしいと言えばらしいですね。

  いや、スティーブ・コールマンは現在進行形の音楽家です。最近YOUTUBEで聞くことのできるベースレスのユニット「REFLEX」やJEN SHYU等が参加したライブ映像はともに1時間を超える演奏になっていますが、実に変化に富んでいます。これまで演奏し続けてきた曲を自在に組み合わせて全く別の世界を作っています。
  もちろん彼がスタンダードでお茶を濁しいたならば、正直言って、現在の彼に対する一般的評価(=人気)はもっと高かったであろうとは思います。しかし、それに甘んじない音楽家がスティーブ・コールマンなのだと考えます。
  蛇足ながら、ゲーリー・トーマスは厳密にはM-BASE派ではないのでは? 彼自身が語っています。また、カサンドラのスティーブ・コールマンを迎えてのライブ映像がありますが、今なお、彼女ですら、スティーブの刺激を必要としていることがわかります。

SaToShiさん,はじめまして。コメントありがとうございます。

私はSteve Colemanのその後の活動もある程度は追い掛けていましたが,それも90年代で終わってしまいまいたから,彼の現在系は正直把握しておりません。しかし,彼のことですから,相変わらずエッジのきいた音楽をやっているだろうことには疑いはありません。私も彼がスタンダードでお茶を濁すなんてことは夢想だにしておりません。

ですが,Five Elementsでの活動が煮詰まった(というよりアルバムがどんどんつまらなくなった)のは事実ですし,ポピュラリティそのものが低下したことは否定できないと思います。Gary ThomasもM-Baseであろうがなかろうが,Colemanと同じように早々に煮詰まってしまったことは厳然たる事実のように思えます。

その中で,ColemanがThomas以上に継続的な活動をしていることは立派だと思いますが,残念ながら私の関心からは既に乖離してしまったというところです。それでも彼の過去の活動を否定する気はありませんし,このアルバムやパリでのライブ3部作等はこれからも聞き続けると思います。

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