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2007年5月 6日 (日)

椿三十郎:本作をリメイクとは暴挙の至り

Photo_7 「椿三十郎」('62 東宝)

監督:黒澤明

出演:三船敏郎,仲代達矢,加山雄三,入江たか子,団令子,小林桂樹,伊藤雄之介

GWに見た映画シリーズ第2弾。久々に「椿三十郎」をDVDで見たが,これは1時間35分という何とも適切な尺で取られたワクワクするような痛快時代劇である。見事な殺陣はもちろんのこと,入江たか子,小林桂樹,伊藤雄之介のような笑えるキャラクターを配したり,「椿」のシーンなど視覚的に記憶に残るシーンを収めたエンターテインメント性の高い作品になっている。ある意味,痺れるような緊迫感には乏しいが,それでも最後の決闘シーンなどは黒澤ならではのものである。この映画の素晴らしさは現代にも十分通用するものだと思うが,黒澤のほかの傑作と比較するとすれば,星★★★★☆という評価になるだろう。

しかし,この映画をリメイクするというのには驚いた。リメイク作を監督する森田芳光の時代劇やアクション演出は未知数だが,椿三十郎を織田裕二が演じるというのはいかがなものか。オリジナルの中で入江たか子演じる睦田の奥方が,三十郎を「抜き身」のようで「ギラギラ」していると評しているが,これは三船敏郎だから成り立つのであって,織田裕二にそうした感覚が生み出せるかは大いに疑問である。また,仲代達矢が演じた室戸半兵衛に豊川悦史というのはわからないでもないが,仲代の生み出した(「あいつは一人でも虎だ」という)鋭さをどこまで出せるものか...。

シナリオはオリジナルのままということらしいので,これは森田監督にとっても極めてハードルの高いチャレンジとなることは明白である。ただ,発表されている役者陣でオリジナルを越えることは極めて困難であろうし,そもそもプロデューサーが「愚作の帝王」角川春樹というのでは,そもそも期待も高まるものではない。冒頭にも書いたとおり,シナリオそのものは現代にも受け入れられるものであり,相応のつくりをしておけば黒澤のオリジナルを知らない層にはそれなりに受け入れられても,映画の動員を支えるベテランはそう簡単には出来に納得するものではない。

結論は新作の公開時に明らかになるとしても,これは私にとってはやはり暴挙だと思わざるをえない。

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コメント

椿三十郎リメイクを検索していておじゃまいたしました。
ここに至るまでいくつか他のブログも閲覧してきましたが、原版三十郎をクロサワの娯楽快作だと認識する人間にとって最もナチュラルだろうと思えるログですね。
もっとネット内で誹謗されてるものと思っていたら意外にも肯定もしくは許容しているものがありまして‥。
まぁそういう方たちの印象としては原版を見たことがなかったり、あってもそれほど過去ではないか、記憶に乏しかったりといった感じが読みとれたのですが‥。
私も、織田裕二が「抜き身の刀」の雰囲気を出せるのかも疑問ですし、森田芳光の映画が秀でていると思ったことなど全くありませんから、憂いでいるひとりなのです。
はたしてこのリメイク版見る気になるんでしょうか?ならないだろうなぁ。
脚本もほぼ同じなら原版見直したほうが素直に楽しめそうですモン。
あるいはTVで放映されるときくらいなら‥。

A・スミシーさん,それにしても渋いハンドル・ネームですねぇ。中年音楽狂とはえらい違いです。

こういうコメントを頂けるとちゃんとわかって頂ける方にはわかって頂けるのだとわかってほっと致します。黒澤版を知ることなく,新版が見られるとすれば,それはやはりオリジナルに対する敬意に欠けるように思います。伊藤雄之助の役が藤田まこと,入江たか子の役が中村玉緒というのも私には許せないキャスティングです。私は中村玉緒が椿のシーンで「まぁきれい」と叫ぶのを想像しただけで虫酸が走ります。

ちゃんと見に行った上で徹底批判するつもりで今から手薬煉をひいております。

今後ともよろしくお願い致します。

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