"Dylanesque" Bryan Ferry (Virgin)
今年の初めから始めたこのブログも100本目の記事となった。我ながらよく続いているものだ。その100本目はBryan Ferryの新譜である。
期待を掛けずに聞いてみて,予想よりいいと嬉しくなるが,最近のBryan Ferryはそうしたいい意味で「期待を裏切る」ミュージシャンである。前作"Frantic"も予想以上によかったが,この全曲ディラン・カバー集も企画としては「???」とも言えるものの,これが予想以上の出来を示していた。ある意味"Avalon"で頂点を極めたと思われるFerryゆえ,こちらもそれほど期待をしないということもあるのだが,それにしてもこれはよかった。
ほぼBryan Ferryのバンドのレギュラーと言ってよい優秀なバックに支えられた部分もあるが,Dylanの曲とFerryの意外な相性のよさが本作の成功につながっているように思える。本盤に関してBrian Enoとの共演云々が言われているが,それはあまり重要ではなく,あくまでも聞くべきは"Ferry Sings Dylan"という側面である。確かにややAOR的に流れたり,Dylanのような強烈な個性に欠ける歌唱,演奏であるのは事実だが,冒頭の"Just Like Tom Thumb's Blues"から結構乗せられてしまう私のような中年も多いのではないだろうか。この「乗り」が私にとっては重要であり,CDショップで流れたいたこの曲に「つい乗っている」自分がいたことを告白してしまおう。
また,この音楽を流していて,ほかの作業の妨げにならないという流し聞きを許す「落ち着き」がこれまた中年にとっては大事である。私ぐらいの年齢になると,時折刺激的な音楽(ヘビメタでもフリージャズでもOKである)を聞きたくなるのも事実であるが,通常はこれぐらいの「抑制度」が大事なのである。
もちろんFerryの最高傑作と言うつもりはないが,何度か繰り返して聞いてしまった本盤は佳作という評価を加えてよかろう。星★★★★。
Personnel: Bryan Ferry(vo, hca), Colin Good(p), Chris Spedding(g), David Williams(g), Oliver Thompson(g), Leo Abrahams(g), Robin Trower(g), Guy Pratt(b), Zev Katz(b), Paul Carrack(org), Andy Newmark(ds), Bobby Irwin(ds), Frank Ricotti(perc), Brian Eno(electronics), and Others
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