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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2007年3月31日 (土)

Jonas Hellborg:まさにベースの弾きたおし!

Jonas_hellborg "e" Jonas Hellborg Group (Day Eight)

John McLaghlinの再生Mahavishnuへの参加で注目されたバカテク・ベース奏者,Jonas Hellborgが90年代半ばに発表したオルガン・トリオによるアルバムであるが,これは完全なロックである。共演者はYngwie Malmsteen人脈らしいが,そうした音楽には関心のない私には初めての人たちである。当然のことながら,それらしい音を出している。

それにしても,Hellborgはよくここまでベースを弾けるものだというぐらい弾きまくっている。1枚聞き終えると,胸焼けがしそうなぐらいであるが,ある意味ここまで弾いてくれれば逆に爽快ということもできるだろう。この編成を見ると,Billy SheehanのNiacinを思い出すが,好みは別にしてNiacinよりハードであることは間違いないところ。

正直なところ,年がら年中こうした音楽を聞きたいとは思わないが,時としてこうした音楽が必要なときもある(特にフラストレーションがたまったときはそうだ)。私にとってはLed ZeppelinやDeep Purple("Made in Japan"に限定される)がそうした音楽の代表格だが,中古でゲットしたこのアルバムもそうした音楽に加えておこう。いずれにしても,ある程度ボリュームを上げて聞くべきアルバムである。ちなみに最後に収められている"Sovjet"は明らかに蛇足。こういうことをやるから減点される。星★★★☆。

Personnel: Jonas Hellborg (b), Jens Johansson (org), Anders Johansson (ds)

2007年3月29日 (木)

懐かしの麻雀放浪記は加賀まりこが最高に美しい

Photo_2 「麻雀放浪記」

監督:和田誠

出演:真田広之,大竹しのぶ,鹿賀丈史,高品格,加賀まり子

先日の米国出張時に飛行機で見たシリーズをもう一本。映画へのシンパシーを語らせれば天下一品の和田誠が監督した映画である。それだけで悪くなるはずはない。映画としてもよく出来ているし,高品格がしぶ~い好演をしているのは世評とも一致するところである。

しかし,私がこの映画を見ていて思ったのは,加賀まりこの美しさである。最近は随分とお年を召した加賀まりこだが,まだまだこの頃はいけている。サユリストの私も思わず目を奪われる美しさであった。映画としてはよく出来ていても,脚本はどう考えても行き過ぎのこの映画であるが,それを渋い世界に押しとどめたのは,高品格と加賀まりこだと断言したい。本質的にはBest Supporting Actressに値する演技とそれ以前の美しさ。

私は加賀まりこをもう一度見るためにDVDが欲しくなってしまった。星★★★★。

2007年3月28日 (水)

Brad Mehldau,長寿番組出演時の記録

Piano_jazz "Marian McPartland's Piano Jazz" Marian McPartland & Brad Mehldau (Jazz Alliance)

今でも続くラジオの長寿番組,"Marian McPartland's Piano Jazz"にBrad Mehldauが出演した時の記録である。この番組,既に25年ぐらい続いているらしいが,いくつかの音源は商品化されており,多分一番売れているのはSteely Dan出演時のものであろう。いずれにしても,今から10年以上も前の音源が発売されたのはMehldauファンの私としては大変嬉しい。

このプログラムが録音された96年と言えば,Mehldauがブレイクした"Art of Trio"の第1作が録音された年だが,二人の会話からすると,同アルバム吹きこみ直後の録音であることがわかる。

ここではMehldauのソロ,Marianのソロ,ご両人のデュエットの3パターンの演奏が収められているが,Mehldauがソロで弾く"From This Moment On"とデュエットで演奏される"Stella by Starlight"が特に素晴らしい出来を示している。

こうした番組が今でも放送されているところに,米国音楽文化の懐の深さを感じるが,同番組のWebサイト(http://www.npr.org/programs/pianojazz/)では,本日のところ,Keith Jarrett(!)出演回等がダウンロードできる。Keithファンはそちらも必聴であるが,それにして何とも凄い番組である。こうした番組への敬意も含めて星★★★★(純粋音楽CDではないので...)。

尚,蛇足ながら,本CDに収録されたMarianとBradの英語は大変発音がクリアなので,リスニングの教材にもいいかもしれない。

Recorded on September 12, 1996

Marian McPartland(p), Brad Mehldau(p)

2007年3月27日 (火)

これぞ究極!Aretha Franklinフィルモア・ライブ完全盤

Aretha_1 "Don't Fight The Feeling" Aretha Franklin & King Curtis (Rhino Handmade)

Aretha Franklin及びKing CurtisのFillmore Westにおけるライブ盤はそれぞれがこれぞソウルと言うべき演奏を聞かせて,従来から名盤の誉れ高いが,その3日間のライブの模様を完全収録したのが本アルバムである。CD4枚組,全61曲というボリュームも凄いが,演奏も凄い。ブックレットも素晴らしい写真満載で非常によく出来ている。

そもそもこのメンツである。悪い演奏になるはずがないが,3日間の完全収録の弱点と言うべきか,曲の重複が多いので,このアルバムはあくまでもマニア向けと考えた方がよい。更に全世界5,000セット限定だったため,今やプレミアムがプレミアムを呼び,4万,5万は当たり前というとんでもない価格で取引されているので,そもそも一般人には手が出るものでもない。

現在ではAtlanticのAretha盤は2枚組23曲仕様となり,AtcoのKing Curtisのエンハンス盤も14曲収録され,この2組を揃えれば,このアルバムの半分以上をほとんどダブりなく聞くことができるわけで,かつ価格も合わせて4,000円程度で収まるはずであるから,通常のリスナーにはこちらをお薦めするべきであろう。しかし,コアなファンは大枚はたいても,この4枚組を入手すべきである。

それにしてもRhinoレーベル恐るべしである。今やポピュラー音楽界ではRhinoとNonesuchが最も信頼のおけるレーベルとして,「いい仕事」を連発している。本当の音楽好きとはこのレーベルのスタッフを言うのだろう。ここに収められた演奏はもちろんだが,レーベルの取組みを含めて星★★★★★。これこそ究極である。

Recored on March 5-7, 1971 at Filmore West

Personnel: Aretha Franklin(vo, el-p), King Curtis(ts, ss), Billy Preston(org), Cornell Dupree(g), Jerry Jemmott(b), Bernard Purdie(ds), Pancho Morares(perc, ds), Truman Thomas(el-p), Wayne Jackson(tp), Andre Love(ts), Roger Hopps(tp), Jack Hale(tb), Jimmy Mitchell(bs), Lou Collins(ts) and Ray Charles(vo, el-p)

2007年3月26日 (月)

Blue Note盤よりずっとよいTimeのSonny Clark Trio

Sonny_cllark "Sonny Clark Trio" Sonny Clark(Time)

日本で非常に高い人気を誇るSonny Clarkであるが,作品としてはBlue Noteの゛Cool Struttin'゛が彼の最高傑作であることに異論はないところであるが,ピアノ・トリオ盤はどうか?

Blue Noteレーベル好きの日本人には,同レーベルの"Sonny Clark Trio"の人気が高いが,結局のところ人気曲"Softly as in a Morning Sunrise"が収録されていることがその人気の源泉であるようにも思える。Blue Note盤も演奏そのものは悪くはないのだが,全編をよくよく通して聞くと,実はそれほど傑出した出来ではないことがわかるはずである。むしろ,ClarkがTimeレーベルに吹き込んだ本作の方が完成度としてははるかに優れた出来を示している。

このアルバムを一聴して気がつくのは,ピアノのトーンの違いである。同じピアニストが弾いて,レーベルの違いだけでなぜここまでトーンが違って聞こえるのかがまずは不思議であるが,全曲をClarkのオリジナルで固めた本作は,Clarkのドライブするピアノが楽しめる。また本作の出来を支えているのが,Roachのシャープなドラミングと安定感溢れるDuvivierのベースである。三者がそれぞれの役割をこなし,優れた曲を演奏すれば,悪くなるはずがない。特にRoachはスティックもブラシも素晴らしく,本作の功労者と言ってよい。

Timeというレーベルとそのジャケットゆえ,地味な印象が強いアルバムであるが,Clarkのピアノ・トリオ盤としては本来は本作こそが「いの一番」に推奨されるべき作品である。星★★★★☆。

Recorded on March 23, 1960

Personnel: Sonny Clark(p), George Duvivier(b), Max Roach(ds)

2007年3月25日 (日)

ECMレーベルのカバー・アート集

Sleeves_of_desire "Sleeves of Desire: A Cover Story" Lars Muller

何を隠そう私は相当のECMレーベル好きである。今やECMのカタログは1,000作品程度を数えるに至っているので,完全コレクションとは到底いかないが,私が所有する枚数も,Keith Jarrett,Pat Metheny,Ralph Townerなどメジャーどころを筆頭に,相当な数になってしまった。

ECMレーベルの音楽はManfred Eicherという名プロデューサーの美意識を反映したユニークなものが多いが,ECMレーベルのもう一つの特徴となっているのが,その優れたカバー・アートである。この本は,そのECMレーベルのアルバム・カバーを並べただけのものなのだが,これが何とも美しく,ECM好きにはたまらないものとなっている。本書が発売されたのは96年なので,それまでのアルバム群に限定されるわけだが,それだけでも見ているだけで心癒されると言うべきの素晴らしい書籍である。アルバム・カバーもここまで来れば芸術の域に達しているというのがわかる。

残念ながら本書は絶版のようで,Amazonなどではとんでもない高値で取引されているのが現状だが,ECMファンとしては必携の書籍であることは間違いない。星★★★★★。

Granta_cover 尚,ECM関連書籍としてはレーベルの一部作品のプロデュースを担当しているSteve LakeがPaul Griffithsと共同で著した゛Horizons Touched - The Music of ECM゛が間もなく英国で発売される(4/2予定)。現在,私はこの書籍を注文中だが,ここでもカバー・アートや,コンサート・フォト等が多数収録されているようなので,ECMファンは絶版になる前に入手すべきだろう。但し,若干高いので念のため。定価は45ポンド。英国Amazonでは29.7ポンドで売っているが,それでも運賃込みにすると,1万円近くの出費は覚悟が必要だろう。日本のAmazonでも注文できる。今からワクワクしてしまう。我ながら結構なオタクぶりであるが,こちらも入手次第紹介したい。

2007年3月24日 (土)

Eric Justin Kazとフルネームで呼ぼう

If_youre_lonely "If You're Lonely" Eric Justin Kaz (Atlantic)

これこそアメリカン・ロックの名盤と位置付けたい素晴らしいアルバムである。巷ではEric Kazと呼ばれることの方が多い御仁であるが,ここはこのアルバムの作者としてEric Justin Kazとフルネームで呼ぶことこそが相応しい。そんな名アルバムである。

プロデュースは後の新生ブルーノート・レーベルを支えたMichael Cuscunaが務め,バックにも渋いジャズ・ミュージシャンが参加しているが,アルバムとしては決してジャズ的なアプローチのものではなく,きっちりSSW(シンガー&ソング・ライター)のアルバムとなっている。しかもこのアルバムを素晴らしいものにしているのはKazの生み出す名曲の数々である。私は一曲目の"Cruel Wind"だけでも参ってしまうが,特にスライド・ギター・ソロが出てくる瞬間などは何度聞いても鳥肌が立つ。また,後年Linda Ronstadtによりカバーされる"Cry Like a Rainstorm"も渋い。

私はジャズと並んで,相当のアメリカンSSW好きと自負しているが,そうしたSSWのアルバムの中でも,私の中では確実にベスト10に入ってくる名作である。これはある意味,子供には絶対理解できない世界であるが,人間が年齢を重ねれば,その魅力がわかってくる類の音楽だと信じたい。CDで聞けるようになったのは喜ばしいが,私はこのアルバムは出来る限りLPで聞き続けたいと思う。とにもかくにも,これほど味わい深い音楽には滅多に出合えるものではない。星★★★★★。最高です。

Personnel: Eric Justin Kaz(vo, p, g, hca), Grady Tate(ds), George Duvivier(b), Richard Davis(b), Chuck Rainey(el-b), Tony Levin(el-b), Ralph MacDonald(perc), David Schiffman(perc), Bonnie Raitt(g), Paul Dickler(g), Steve Soles(g, vo), Eumir Deodato(arr) and Others

2007年3月23日 (金)

ハイブラウなArt Pepperのストリングス物は超お買い得

Winter_moon "Winter Moon" Art Pepper (Galaxy)

最近はジャズCDの廉価盤ばやりである。価格も\1,000,あるいは\1,100で過去の名盤が大量発売されるようになりつつあるのは実に結構。本CDも今や\1,000なので,輸入盤よりも割安という一昔前なら信じられない事態となりつつある。

それはさておき,ストリングス物と言うと,アレンジがしょぼいとか,大甘なサウンドとか批判を浴びることが多いのだが,このArt Pepperのアルバムは相当に渋いというか,ハイブラウな出来を示しており,Wynton Marsalisの"Hot House Flowers"と並んで二大「ビター・スイート」なストリングス物として推薦したい。これはアレンジャーとしてのBill Holman及びJimmy Bondの貢献も大きいと言っておこう。

ところで,Art Pepperには常に前期がよい,あるいは後期がよいという議論があるのは事実であるが,私にとっては,この人は前期と後期で音楽性を変えたと思えば何の問題もないし,「よき音楽」という観点からすれば前期も後期もどちらも「よい」というのが実感である。そうした中で,あくまでも「前期ペッパー」にこだわる頑固者をも納得させるものとしてこのアルバムは位置付けられると言える。また,ストリングス物というある意味聞き易いアルバムとして,ジャズ・ファンの裾野を広げる効果も期待できる。

本CDは別テイク5曲に完全未発表であった"Ol'man River"を加えた全13曲ということで,オリジナルからほぼボリュームが倍増しているというコスト・パフォーマンスも加えて星★★★★☆としておこう。これが\1,000ならお買い得である。

Recorded on September 3-4, 1980 in Berkeley, California

Personnel: Art Pepper(as, cl), Stanley Cowell(p), Howard Roberts(g), Cecil McBee(b), Carl Burnett(ds), Bill Holman(arr), Jimmy Bond(arr) with Strings

2007年3月22日 (木)

買ってはいけないEaglesのボックス・セット

Eagles "Selected Works: 1972-1999" Eagles (Elektra)

このボックスセットは史上稀に見る消費者をバカにした商品として記憶されるべきものであると,まずは言ってしまおう。私は長年のEaglesファンであり,こうしたボックスが発売されれば,貴重な未発表音源が含まれているものと期待するのが人情である。

しかしこのCD,既発の音源をテーマ別に収録したとは言うものの,何ら目新しい音源は含まれていない。そもそも,彼らのコアなファンがその程度の編集で満足すると思っているのかとまずプロデューサーの常識を疑わざるをえない。確かにCD4はそれまで未発表のミレニアム・ライブ音源であるが,音源としての新味はほとんどないし,そもそもそのライブだけを分売するという判断があって然るべきであった。

いずれにしてもEaglesのオリジナル・アルバムを所有しているリスナーは,それを聞けば事足りる。こんな下らないボックスのために,消費者に大枚はたかせるというのは,商魂逞しいを通り越して,もはや犯罪に近い悪意を感じる。ということで,このボックス・セットは決して買ってはならない商品として,徹底批判をすべきものであり,いたいけなファンの心を欺くものとして到底許しがたい商品である。このボックスにこそ無星が相応しい。

このボックスを発売早々に購入したものの,あまりに頭に来た私は全てのオリジナル・アルバムに本ボックスのライブにも収められた"Please Come Home For Xmas"と"Funky New Year"をオマケで付けた紙ジャケ仕様のボックス・セット(シリアル・ナンバー付である)を買うこととなり,また無駄な金を使ってしまった。このボックスを見るだけでも腹が立つ(と言ってもディスク4ゆえ売る気もないが...)。それにしても許せん!!

2007年3月21日 (水)

懐かしの"Red Clay"は今聞いてもよい

Red_clay "Red Clay" Freddie Hubbard(CTI)

CTIレーベルと言うと,Deodatoに代表されるフュージョン/イージー・リスニング的なアプローチが主流だが,本作はそうしたCTIレーベルの中ではかなり主流派的なサウンドを持つものであり,堅物のジャズ・ファンも納得させうる作品に仕上がっている。(それでも堅物はHancockがFender Rhodesを弾いているのが気に入らんと言うかもしれんが...)

この作品では収録された4曲全てがリーダー,Freddie Hubbardの作曲によるものだが,これがなかなかの佳曲揃いである。中でもタイトル曲と"Intrepid Fox"は70年代以降のHubbardを代表する曲だと思うし,全編を通して,Freddieのラッパは熱く鳴りっぱなしである。リーダー以外のメンバーもそれぞれ好演しているが,HerbieのRhodesのソロは総じてレベルが高いし,カッコいい出来である。ある意味,1970年という時代を反映したサウンド(ある意味暑苦しい)とも言えるが,その鮮度が今になっても落ちていないのは素晴らしいし,今聞いてもワクワクする。こうしたアルバム,サウンドは,事情の許す限り大音量で聞きたいところであるが,今の住居事情ではなかなかそうも行かないので,ジャズ喫茶でリクエストでもすることとしよう。星★★★★。

今ではFreddieは唇の不調からほとんどラッパを吹けなくなってしまったが,このアルバムや後のVSOPの激演を聞くと,一種の「燃え尽き症候群」ではないかと思えてきてしまうほどである。まぁ老醜を晒すよりははるかにいいか..。

Recorded on June 27-29, 1970

Personnel: Freddie Hubbard(tp), Joe Henderson(ts), Herbie Hancock(key), Ron Carter(b), Lenny White(ds)


2007年3月20日 (火)

Doobie Brothersの最高傑作は何か?

Stampede "Stampede" The Doobie Brothers (Warner Brothers)

Doobie Brothersほど前期と後期で音楽性が変化したグループもないように思う。豪快な前期に対し,洗練の後期と言うべきだが,彼らの最高傑作は何かと言うと,前期と後期のどちらが好きかで,評価も分かれるところである。グラミー賞や売上げからすれば"Minute by Minute"を推す声も多かろうが,私としては豪快な中にも,従来にない音楽性を打ち出したこの5thアルバム,"Stampede"こそが彼らの最高傑作だと思っている。私はMichael McDonald加入後の後期Doobiesも好きなのだが,それでもトータルな出来としては,このアルバムが頭抜けている。このアルバムには超弩級のヒット・チューンはないのだが,曲も粒揃いである。

本アルバムは従来路線の豪快な"Sweet Maxine"から幕を開けるが,同曲も含めてアルバムを通して聞かれるホーンやストリングスの響きは,それまでのDoobiesとは違った印象を与えている。本作から正式加入のJeff Baxterの影響なのかはわからないが,豪快一本槍ではなくなっているのは確かである。それが最も顕著に現れるのが"I Cheat the Hangman"ではないかと思う。こうした曲に,やや洗練された響きを打ち出しつつある新しいDoobiesの個性が出ている。そうは言いながら,"Take Me in Your Arms"のような曲では昔からのファンも納得の演唱を聞かせるし,Ry Cooderのスライドが渋い"Rainy Day Crossroad Blues"もカントリー・ロック的に決まっている。つまり,従来路線と新機軸が非常にうまい具合にブレンドしているのがこのアルバムだと評価する。星★★★★★。

ちなみに後期Doobiesの私的最高傑作は"Living on the Fault Line"であって,"Minute by Minute"ではない。それは別の機会に述べることにしよう。

Recorded in California

Personnel: Tom Johnston(g. vo), Patrick Simmons(g, vo), Jeff "Skunk" Baxter(g), Tyran Porter(b, vo), John Hartman(ds), Keith Knudsen(ds) with Ry Cooder(slide-g), Maria Maldaur(vo), Billy Paine(key), Curtis Mayfield(arr), Nick DeCaro(arr) and others

2007年3月19日 (月)

Michael Brecker完全ソロ・ライブのブート

Mb_alone "Alone" Michael Brecker (Megadisk,CD-R)

コアなMichael Breckerファン必聴のブートレッグが発売された。ドイツ,フランクフルトにおけるMichaelのテナー・サックス完全ソロ・ライブ(全5トラック,6曲)である。ソースは恐らく放送音源の(マスター?)テープと思われ,音はほぼ完璧(但し,編集は完璧ではないし,最後は聴衆の拍手もブツ切れで終るので余韻は楽しめないが,ブートゆえ文句は言うまい)。

テナー・サックス・ソロでアルバム1枚作ってしまったのは後にも先にもSonny Rollinsだけだと思うが,Michael Breckerもその境地を目指そうとしたということか。いずれにしても,ここではMichaelの繰り出す技の数々が聞けるため,「え~っ,全面テナー・ソロ!?」という心配が杞憂に終るほど楽しめる。フランクフルトの聴衆の反応も熱い。ジャズ・ファンとしてはColtrane作"Naima"とMonk作"Monk's Mood/Round Midnight(メドレーで演奏される)"の収録が嬉しいが,それに加えて,Tadd Dameron作"Hot House"を演奏しているのは,Breckerとしては珍しいのではないか。もちろん冒頭に収められた"Delta City Blues"も聴衆の手拍子に乗って演奏される"African Skies"もファンにはたまらないものであろう。(ちなみに約54分の収録にMichaelの喋りも結構入っている。)

もちろん,一般のリスナーにこうしたブートレッグを推奨するべきではない(本来は紹介するべきでもない)とは思うのだが,これはコアMichael Breckerファンは聞かぬわけにはいかないレコーディングとして挙げておく。音源としての珍しさも含めて星★★★★★。

コアなファンは急いでブート屋へ行くか,ネットで注文しよう。本盤を聴きながら今一度Michael Breckerの冥福を祈りたい。合掌。

Recorded on Coctober 26, 2002 in Frankfurt

Michael Brecker (ts)

2007年3月18日 (日)

タイトルは何のこっちゃだが,結構いけてるフィルム・ノワール

36 「あるいは裏切りという名の犬("36 Quai des Orfevres")」(仏,2004)

監督:Olivier Marchal

出演:Daniel Auteuil,Gerald Depardieu,Andre Dussollier

昨日に続いて,飛行機で見た映画について。タイトルだけ見ているとまさに「何のこっちゃ」である。原題もどう訳していいのかよくわからんのだが,それが何でこういう邦題になるのかはよくわからない。まぁ原語をそのままカタカナにするよりはいいとしても,ここまでいくとやや微妙な気も。

肝心の映画の方だが,「インファナル・アフェア」を見ているような気分にさせられるほど,香港テイストが横溢していると言っては言い過ぎか。「インファナル・アフェア」をまんまリメイクした「デパーテッド」がアカデミー作品賞を受賞する時代であるから,フランスが同じようなテイストの映画を作っても不思議ではない。ちなみに通奏低音のように流れるBGMも「インファナル・アフェア」的である。

役者陣はそれぞれ好演しており,特にDaniel Auteuil(ダニエル・オートゥイユ)が渋い。Gerald Depardieu(ジェラール・ドパルデュー)も憎まれ役をこれまた憎々しく演じていて快い。劇中ではかなりの時間が流れているにもかかわらず,役者陣がほとんど老けないのはいかがなものかとも思うが,そういう些末なことを抜きにすれば,結構楽しめる映画である。これも飛行機の中でなければ絶対見なかった映画だろうが,意外な拾い物であった。星★★★★。2004年製作のこの映画が,なぜ日本では2006年末に公開されたのかは謎であるが,今の日本ではフランス映画ははやらないということか。

2007年3月17日 (土)

結構笑える「ナイトミュージアム」

Mnightatthemuseum 「ナイトミュージアム(゛Night at the Museum")」 (FOX)

監督:Shawn Levy

出演:Ben Stiller, Carla Gugino, Dick Van Dyke, Micky Rooney, Bill Cobbs, Owen Wilson

先日,米国出張する折,飛行機の中で「ナイトミュージアム」がビデオ・プログラムの中にあったので,暇にまかせてこの映画を見た。映画を見ていて思い出したのは,昔見た「ジュマンジ」という映画だが,笑わせて,ちょっとほろっとさせる展開はまさしく同一路線であるし,ロビン・ウイリアムス出演というのも偶然ではないように思える。

まぁ映画としては他愛もない話と言ってはそれまでだが,私のご贔屓ロビン・ウイリアムスも出演しているし,SFXもそれなりに面白い。更に懐かしやディック・ヴァン・ダイクにミッキー・ルーニーまで出演というのも不思議なキャスティングである。しかし,この映画の主役はあくまでもベン・スティラーであって,ベン・スティラーのキャラクターに合わせたような役柄設定と言えるかもしれない。また,ゲスト出演的なオーウェン・ウイルスンがこれまた結構笑える。

いずれにしてもこうした映画は肩肘張らず見ていられるのが,まさに飛行機向きとも言えるだろう。プロデューサーに「ホームアローン」の監督,クリス・コロンバスが名を連ねていて,妙に納得。星★★★☆。

2007年3月16日 (金)

家宝とすべき珠玉のBacharachポップス集

Bacharach "The Look Of Love: The Burt Bacharach Collection゛ Burt Bacharach (Rhino)

これは素晴らしいコンピレーションである。Burt Bacharachのキャリアをほぼ総括した3枚組75曲というボリュームも嬉しいが,ここに並ぶ顔ぶれ,曲の数々を見れば,Bacharachがアメリカン・ポピュラー・ミュージックに果たした役割の大きさを痛感せざるをえない。

日本で言えば筒美京平の集大成盤がそうであったように,優れた作曲家の仕事振りを回顧することが,その国の音楽界の歴史の一部を振り返るのに相当するということを実感させる出来である。さすがはRhinoレーベル,いい仕事をしている。こうした音楽は,長年聞き継がれていくべきポップス・スタンダードであり,このボックス・セットは我が家の家宝と言ってもよいぐらいである。私の娘にも将来この魅力がわかってもらえたら,音楽好きの父親冥利につきるのだが,さてどうなることやら。

閑話休題。3枚組のどこから聞いても素晴らしい出来の本CDには星★★★★★以外の評価はありえない。

2007年3月15日 (木)

鳥肌が立つほどの感動を与えるNeil Youngアーカイブ・シリーズ第2弾

Neul_young "Live at Massey Hall 1971" Neil Young (Rerise)

この年になると,音楽を聞いて感動するという体験はなかなか得られなくなった。それはある意味,いろいろな音楽を聞いてきた上での審美眼が磨かれたという話もあるし,年齢ゆえに素直に感動できなくなってきているということもあるだろう。

そんな私がこのアルバムを聞いた瞬間,随喜の涙を流したと言っては大げさだが,大いに感動させられた。今を去ること35年以上前の録音にしては,異様に生々しく,Neil Youngの声も何とも瑞々しい限りである。グランジの父としてのNeil Youngもいいが,我々の世代にとっては,こうした演奏をするNeil Youngこそが,我々のNeil Youngであり,懐かしさも相俟って,私の涙腺をゆるませる。

聴衆の反応も凄まじいが,こんな演奏を聞かされれば,そうした反応を示さざるをえないと言える。曲よし,歌よし,ギターよし。この演奏のどこに文句がつけられると言えようか。このアルバムが収録されたトロントの冬は極めて厳しかったはずだが,会場のMassey Hall(ジャズ・ファンには懐かしい名前である)は熱い空間と化していたことが容易に想像される名演である。

私が購入したのはDVD/CDのコンボ・パックであるが,同梱のDVDは未見ながら,この演奏を聞いてしまえば映像を見なくとも星★★★★★である。アーカイブ・シリーズ第1弾のCrazy HorseとのFillmore Liveよりも数段素晴らしい。気が早いが,よほどのことがない限り今年の私のベスト・ワンはこのアルバムで決まりである。たまらん。

Recorded on January 19, 1971 at Massey Hall in Toronto, Canada

Personnel: Neil Young (vo, g, p)

2007年3月14日 (水)

待望のMetheny/Mehldau第2作だが...

Mmq "Metheny Mehldau Quartet" Pat Metheny & Brad Mehldau (Nonesuch)

待望のPat MethenyとBrad Mehldau共演作の第2弾である。タイトルにQuartetとある以上,第1作で2曲だけだが素晴らしい演奏を聞かせたこの4人のフル・アルバムとして,期待が高まることは当然のことである。かつ,私はBrad Mehldauのコンプリート・コレクターを目指すほどのMehldau好き,更にはPat Methenyの大ファンであるから,このCDへの期待は人並みはずれたものがあったと言っても過言ではない。

しかし,結果はと言えば,私が過剰な期待を掛け過ぎたと恨み言の一つも言いたくなるような出来に留まっているのは誠に残念である。問題その1:あまりにも演奏のテンションが低く,私が期待するような丁丁発止のインタープレイをついぞ聞くことはできず,全体的にスリルに乏しい。問題その2:Mehldauがプロデューサーを兼ねるMethenyの顔を立て過ぎて,いつもの個性が聞かれず,Metheny色が強く出過ぎている。問題その3:曲が面白みに欠けるとともに,リズムの観点でもアルバム全体にメリハリがない。問題その4:優秀なリズム隊をほとんど活かせていない。問題5:クァルテットでの演奏よりもデュオの方がよく聞こえるのでは,看板に偽りありである。

もちろん,彼らの演奏であるから,当然のことながら相応のクォリティは保っているが,上記のような理由で私にとってはかなり「ガックリ感」が強いアルバムとなってしまった。一体,プロデューサーとしてMethenyはどういう音を作りたかったのか。私としてはかなり裏切られた思いが強いので,いくら私の思い入れのあるご両人が揃っていても,星★★★が一杯一杯である。9月に予定されている来日公演では,彼らが私を興奮させてくれるような演奏を展開してくれることを願ってやまない。

Recorded in December 2005 in NYC

Personnel: Pat Metheny(g), Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2007年3月13日 (火)

Tracey Thorn 25年振りのソロ・アルバムに癒される...

Out_of_the_woods "Out of the Woods" Tracey Thorn (Virgin)

Everything but the GirlのTracey Thornが突如リリースした25年振りのソロ・アルバムである。ということは前作は"A Distant Shore"ということになるが,その間,EBTGの活動が充実していたこともあり,時間の経過を感じさせない。

私にとってのTracey Thornの魅力はその声である。彼女の声を聞いていると,落ち着いた気分に浸れるので,私は「癒し系ボーカリスト」と勝手に呼んでいるが,ここでもその声は健在である。

本アルバムでは,打ち込みを基調とした最小限の伴奏に,Traceyのボーカルが乗るという形態であるが,この打ち込みが邪魔にならない程度の抑制されたものなので,聞いていても違和感はない。EBTGはBen Wattの趣味を反映して,ややクラブ・ミュージック系の色彩が強くなっていたが,このアルバムはよりModerateな感覚なので,私のような中年ファンにとってはありがたい。何がTraceyをソロ・アルバムの制作に駆り立てたのかはわからないが,EBTGのアルバムもここ数年途絶えているので,ファンにとっては空白を埋めるという意味でも嬉しいアルバムである。

この音楽でも十分癒されたが,やはりBen WattとのEBTGでのニュー・アルバムへの期待も込めて,このアルバムには星★★★★としておこう。

2007年3月12日 (月)

斉藤由貴:何とも可憐なる名曲「卒業」

Yuki 「卒業」 斉藤由貴 (ポニーキャニオン)

可憐という表現こそぴったりの斉藤由貴の1985年のデビュー曲である。作詞:松本隆,作曲:筒美京平という黄金コンビによる作品なので,悪いはずがないが,これがまた斉藤由貴のキャラクターとあまりにもはまった名曲なのには恐れ入ったと言うしかない。

歌詞を見ていると,何とも優れたフレーズ満載であり,松本隆という人の頭脳構造がどのようになっているのか理解できない(少なくとも♂の感性では書けそうにない感情を見事に描いている)が,それにしてもこの曲はよい。斉藤由貴の歌の下手さ加減はご愛嬌(YouTubeにアップされている昔日の映像を見れば更に明らか)であるが,それを差し引いたとしても,今でも心を締め付けらる見事な出来映えの曲と言えるだろう。私にとっては,このコンビでは「木綿のハンカチーフ」が最高の名曲であるが,それに次ぐ曲と言っては,多少過大評価か。

いずれにしても,斉藤由貴のジャケットのポートレートも加点して星★★★★☆。繰り返すが,可憐だ...。たまらん。

2007年3月11日 (日)

銀行が盛り上げるローカル・ミュージシャンたち

Heartslikethesecover "Heart Like These" Rye Hollow (Private Label)

今回、米国のいくつかの都市を回る中、オレゴン州のポートランドに立ち寄った。そこにある銀行(敢えて名前は秘す)はローカル・コミュニティとのつながりを極めて重視しており、営業店内では、地元のミュージシャンの音楽をBGMとしてかけているだけでなく、店内で彼らのCDさえ販売している。

日本の金融機関では、こうした取り組みは全く想像できないし、文化がローカル・コミュニティ・レベルで高いレベルに達しているのは政令指定都市程度に留まるであろうが、例えば、北海道なら、北海道のミュージシャンをフィーチャーしたり、地場の企業の商品を更にプッシュするというのはあってもよさそうなものである。今の日本の金融機関のメンタリティでは無理だろうが、今後、企業の社会的な責任として、そうした対応も求められてくるのではないかと強く感じてしまった。

で、今回、物好きの私は、銀行の営業店内でかかっていたこのRye Hollowというグループの音楽が結構気に入ってしまった。彼らのWebサイト(www.ryeholloow.com)によればRye HollowはボーカルのBreanna Paletta、ギターのKevin O'Loughlin、ベースのChris Chardがオレゴン州の高校時代に出会って結成されたグループらしいのだが、オルタナ・カントリーとロックの中間ぐらいの音楽を、女性ボーカルでやられてしまっては、もともとがJoni MitchellやRickee Lee Jones、あるいはEBTGのTracey Thornなどの女性ボーカル好きの私が気に入ってしまうのは当然である。地元のFM曲ではそれなりのローカル・ヒットもしているらしい。

おそらく銀行の店内のようなオープンな場所で聞くのと、家やポータブルCDで聞くのとでは雰囲気も感覚も違うのだろうが、今回、このCDも結局勢いで購入してしまったが、出張中につき、まだよく聴けていない。ということで、レビューをするほど聴いていないため、今回は星は今回はつけられないが、こうしたミュージシャンをプッシュする銀行の取り組みには星★★★★★を謹呈したい。この銀行なかりせば、私が彼らの音楽に出会うことは一生なかったかもしれないのである。こうした出会いはRye Hollowにとっても、私にとっても幸せなイベントではないか。

金太郎飴のようなサービスしか提供できない日本の金融機関には見習ってほしいものである。

2007年3月 7日 (水)

米国内の気温差について

米国時間の3/6は米国北東部にとんでもない寒波が来襲。NYCでは気温約-10℃、風が強いので体感気温は約-20℃という大変な厳しさであった。しかし、NYCから約90分のフライトで到着したノースキャロライナでは夜でも気温約13℃ということで、一日の間にこの温度差はさすがに調整不能の世界である。案の定鼻がぐずぐず言い出した。明日はノースキャロライナで仕事をこなした後、オレゴン州への長い移動が待っている。海外渡航には慣れているつもりでも、今回の温度差はさすがに辛いが、それも偏に修行が足りないと言うことか。ということで、音楽について書く余裕は今日もなし...。

2007年3月 6日 (火)

コンテンツのアップがままならず...

3/3以来、仕事の都合で、コンテンツのアップがままならない状態が続いている。現在、急激に寒さを増した米国東海岸に滞在中(体感気温は-20℃ぐらいの予報)のため、なかなか時間が取れないのが実情だが、できるだけ早い時期に復活の狼煙を上げたいと思う。さて、いつになることやら...。

2007年3月 2日 (金)

Michael McDonaldの最高傑作!

Thats_what_it_takes "That's What It Takes" Michael McDonald(Warner Brothers)

Doobie Brothersの音楽性をTom Johnston時代から一変させた張本人,Michael McDonaldの初ソロ作であるが,これが佳曲満載の傑作である。

プロデューサーがTed TemplemanとLenny Waronkerというバーバンク・サウンドの元締め二人,参加しているメンバーもかなり豪華で,多くの曲でリズム・セクションをWillie Weeks(b)とSteve Gadd(ds)が務めているだけに,演奏は悪いはずはない。しかし,このアルバムを更に魅力的にしているのはMikeのソウルフルな歌声に何ともマッチした曲群である。全曲とも何らかのかたちでMikeが作曲には関わっているようであるが,どれもよく出来ているし,アレンジも適切。

こういうアルバムは非常に安心して聞いていられるアダルト・オリエンテッド・ロック(AOR)として極めて重宝なので,「一家に一枚」とは言わないが,あらゆる局面で便利に使えるアルバムである。星★★★★☆。

2007年3月 1日 (木)

まさしく"Bob Fest"のお祭りライブ

Bob_dylan "The 30th Anniversary Celebration" Bob Dylan (Columbia)

Bob Dylanのデビュー30周年を記念して集ったこのメンツを見よ! まだまだ書いていないメンツも多数,バックバンドにはSteve Cropper,Donald ゛Duck゛ Dunn,Booker T.JonesにJim Keltner,オマケにAl Kooperまでいるぞ!! ここまで来ればDylanその人の人徳と言わざるをえない。

このライブには有名な逸話があるのは多くの皆さんがご存知だろう。NBCの人気番組"Saturday Night Live"の生放送で,当時のローマ法王,ヨハネ・パウロ2世の写真を破り捨てたSenead O'Connerが本ライブにも参加していたのだが,当日の会場でそれをよしとしない聴衆から大ブーイングを食らって,Seneadが涙にむせんだのはかなり有名な話である。CDはあくまでも音楽的な記録なので,その模様は収められていないが,関心のある方は映像版(LDで出ていた)にはそれが収められているのでどうぞ。(ただ,映像版はなぜか全世界で廃盤のままのはずである。見つけたら即買いである。)

しかし,そんな事件があったことなどどこ吹く風の演奏がこのCDには収められているが,良くも悪くもお祭り的。Neil Youngは"Bob Fest"と呼んでいるが,まさにその形容がぴったりである。ある意味,ミュージシャンが余裕綽々に過ぎる部分が感じられるところもあるが,このメンツが生で登場していたら,そんなことは言っていられなかったであろう。ハイライトはやはり豪華メンツで歌いつなぐ"My Back Pages"か。Tom Petty & Heartbreakersを従えたRoger McGuinnの"Mr.Tambourine Man"の12弦ギターの響きも懐かしかった。

全体を通してみれば十分楽しめるアルバムなのだが,評価は難しいところである。個人的な嗜好にはぴったりなのだが,これはやはり映像付きであった方がよいように思う。ということでややオマケ気味だが,Bob Dylanに免じて星★★★★。

Recorded on October 16, 1992 at Madison Square Garden, NYC

Personnel: Bob Dylan, Eric Clapton, George Harrsion, Neil Young, Tom Petty and Heartbreakers, Stevie Wonder, Roger McGuinn, Lou Reed, John Mellencamp, Chrissie Hynde, The Band, Johnny Cash, Willie Nelson and Many More....

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