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2007年1月20日 (土)

スウィングジャーナルを批判する

本日(2007/1/20),スウィングジャーナル(SJ)誌2月号が発売され,恒例のジャズディスク大賞が発表になった。金賞(年間最高作)はChick Coreaの「スーパー・トリオ」だそうである。

確かにこのCDに収められた演奏は悪くない。私は本作が発売された時にAmazonのレビューに次のように書いた。ここにはそのままを掲載する。

「Chick Corea(p),Christian McBride(b),Steve Gadd(ds)という強力なメンツで吹き込まれたライブ盤。いきなり飛び出す"The Mad Hatter"所収の"Humpty Dumpty"から好調な演奏で嬉しくなる。そのほかに"Friends"から2曲というのが意外と言えば意外な選曲ながら,Corea~Gadd共演の再現と言う観点での選曲(Quartet#2も同様)と考えるべきであろう。特に"Sicily"の演奏が素晴らしい。しかしながら,トリオとして見れば,ご両人と本来がRay Brown系のMcBrideとの相性は今一歩と言う感がするのは致し方がないところか。ここはEddie GomezかJohn Patitucciの方がよかったかもしれない。また、何とももったいないのが,"Spain"のフェードアウト。収録時間の関係上仕方がないとは言え,盛り上がってきたところでのフェードアウトは何とも辛い。いずれにしても,日本のみの発売ということで、ファン必携であることは間違いない。」

ということで,私もいいのか悪いのかはっきりしない微妙なレビューを書いてしまっているわけだが,基本的には本作は悪い作品ではないし,買って損はない。しかし,これがジャズの年間最高作ですかと言ったら,そんなことはあるまい。Coreaの作品では"Return to Forever"やGary Burtonとのチューリッヒでのライブが同誌金賞を受賞しているが,とても同列に並べる気にはなれない作品である。確かに昨年のジャズの新譜は総じてレベルが低かったように思うし,全てを聞いているわけではないので,何とも言えない部分はあるが,それにしてもである。

そもそも,昨今のSJ誌のレビューを見ている限り,そこに並べられているのは決して批評ではなく,レコード会社におもねったおべんちゃら記事がほとんどである。レビューの星の数を見れば明らかであるが,SJ誌で毎月批評される膨大なCDのほとんどが4星(優秀)以上というのは明らかにおかしいのである。あれだけの作品が発売されていれば,駄盤,愚作が含まれていても当然であるが,無星,1~2星の作品などはここ暫くお目にかかったことがない。今や,同誌に評文を寄せるライター諸氏には批評家としての矜持があるとは思えないし,同誌のレビューには批評としての意義はほとんどないと言わざるをえない。

そんなことは皆さん百もご承知と言われるかもしれないが,少なくともプロのライターたる者,音楽はもっと真摯な姿勢で評価して欲しいものである。昔は私もSJ誌を通じてジャズに関して多くを学ばせてもらったが,今や情報提供元としての意義しか見出せなくなったのは誠に残念である。真っ当な批評家が世を去ったり,引退してしまったことも一因だろうが,それにしても最近は目に余る。(だからと言って,寺島靖国氏のような輩が持ち上げられるのもおかしいと思うが。)

閑話休題。少なくともこのブログではしっかりした審美眼を持って,音楽に接したいと決意を新たにする次第である。信じるは自分の経験と耳(及び直感)だけである。

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コメント

こんにちは。SJ誌はいわば映画紹介番組にあたるようなものですから、私は元から信用していません。私は寺島氏のファンではないし、SJ誌上での氏の雑文を初めて読んだ時、「こりゃ、頭がガチガチのオヤジが出てきたな」と思ったものだが、氏の行動で評価できるものとしてはトロンボーンを吹くようになった事。上手いか下手かは知りませんよ。しかし、実際に楽器をプレイするようになると、音と音の間合いが分かるようになり、聞こえ方も当然違ってくると思います。

通行人さん,コメントありがとうございます。SJ誌は確かに現在はご指摘のようなものに成り下がりましたが,昔はもっとまともだったと思います。粟村政昭氏が書いていた時代が懐かしい限りです。今後ともよろしくお願いします。

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