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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2017年9月26日 (火)

ユニークだが,やっぱりReichはReichと感じさせる"Kuniko Plays Reich"

"Kuniko Plays Reich" 加藤訓子(Lynn)

_20170924_2このブログにも何度も書いているように,私はSteve Reichの音楽が結構好きである。そのReichの音楽を日本のパーカッショニスト,加藤訓子が編曲して演奏したアルバムが面白そうだなぁと思って購入した。

冒頭に収められているのは,Pat Methenyにより初演された"Electric Counterpoint"をスティール・パン,ヴァイブ,マリンバとテープで演奏したものであるが,楽器は変われどReichはどうやってもReichであり,その次は"Six Marimbas"をこれまた多重録音で聞かせるという力業。そして,もともとはフルートのために書かれている"Vermont Counterpoint"をヴァイブで演奏というプログラムであるが,どこを切り取っても,Reichの音楽なのは,加藤訓子のReichの音楽への理解の深さとも言えるし,Reichの音楽の個性とも言えるだろう。

いずれにしても,ここに収められた音楽は,Steve Reichの音楽を好む人間にとっては,極めて心地よく,そしてユニークでありながら,期待に応えるものと言ってよいと思う。これはこうした試みを行った加藤訓子を褒めるべきであり,海外での本作への高い評価もその表れということだと思う。星★★★★☆。いずれにしても,私にはReichの音楽が心地よいことを再確認した。

Recorded on January 28, 29, November 24, 25,2009 and on March 28. 29, 2010

Personnel: 加藤訓子(vib,marimba, steel pan)

2017年9月25日 (月)

ちょいと地味めと思わせる部分もあるが,いつまでもいけているSteve Winwood。

"Greatest Hits Live" Steve Winwood(Wincraft)

_20170924私がSteve WinwoodとEric Claptonのライブを見たのも,もう6年近く前のことになる。その時にもSteve Winwood目当てで行ったと書いたが,一方でClaptonのギターの集中力が高まるという副次的な効果もあるライブであった(記事はこちら)。それ以来,あまり音沙汰のなかったSteve Winwoodのライブ盤がリリースされると聞いては,これは買わない訳にはいかない。

そして,"Greatest Hits Live"と名付けられた通り,Winwoodのキャリアを俯瞰する曲が,満遍なく(むしろ,これでもかっ?てぐらい)収められていて,古くからのファンも満足できるものと思う。

まぁ,Claptonとのライブに比べれば,レギュラー・メンバーと思しきバンドとの演奏はやや地味になるのは仕方のないところではあるし,アレンジにもいまいち感のある曲もあるにはあるが,まとまりは十分に感じさせるものだし,違和感はない。来年古希を迎えるWinwoodゆえ,激しいドライブ感や勢いのようなものは強くは感じさせないが,Winwoodのオルガン,ギター,そしてヴォーカルを楽しむ分には全然問題ないのだ。

それにしても,改めてWinwoodの曲を聞いていると,本当にいい曲が多い。ハモンドB3でロックと言ったら,Winwoodを思い出してしまうと言ってもいいぐらいの個性を発揮しつつも,ギターもマンドリンもうまいんだから元祖マルチ・ミュージシャンのような人である。それにしても,ベーシスト抜きで,こういう演奏に仕立てるというのもある意味凄いことである。

こんな演奏ができるんだったら,もっとアルバムをリリースすればいいと思うのがファン心理だが,それでも本作でまだまだ現役だと感じさせてくれたのは嬉しかった。ということで,ちょっと甘めの星★★★★☆としてしまおう。

Personnel: Steve Winwood(vo, org, g, mandolin), Jose Neto(g), Richard Bailey(ds), Paul Booth(sax, fl, org),Edson 'Cafe' Da Silva(perc)

2017年9月24日 (日)

アンビエントにして静謐。ECMらしいと言えば,ECMらしいBjörn Meyerのソロ作。

"Provenance" Björn Meyer (ECM)

ProvenanceNik Bärtsch's Roninにも参加していたBjörn MeyerがECMからソロ作をリリースするということからして,普通のサウンドにはなる訳がない(笑)。なんてったって,多重録音を含むベース・ソロのアルバムである。普通,こういうアルバムは作れない。それを作ってしまうのがECMの凄いところである。

ベース・ソロのアルバムと言えば,大概のリスナーは身構えてしまうだろうが,このアルバムは比較的聞き易いサウンドになっていると思う。それは主題にも書いたが,アンビエントな感覚が強く,環境に同化できる音楽となっているからである。私にとっては,このアルバムは大音量でのプレイバックは不要というタイプの音楽であり,むしろ小音量で延々流し続けることが適当というように思える。こじゃれたバーでこういうのがプレイバックされていれば,即OKと思ってしまうだろう。それもNYCのイースト・ヴィレッジ辺りで(笑)。

そうしたタイプの音楽であるから,本作を評価をすることにどれぐらいの意義があるかというと疑問な部分もあるのだが,これは想定以上にいいと思えた。エンジニアは最近ECMでの仕事も多いStefano Amerioであるが,エレクトリック・ベースを録音させてもちゃんと仕事しているねぇってことと,この残響にははまる人ははまるだろうな。星★★★★。

Recorded in August 2016

Personnel: Björn Meyer (b)

2017年9月21日 (木)

Brecker Brothers Band@Cotton Club東京参戦記。

Bbb_at_cc

結論から言ってしまうと,いや~,楽しかった。あの"Heavy Metal Bebop"のメンツからMike Breckerを引いて,Ada Rovattiを足したこのリユニオン・バンドによるライブは,懐メロと言われればその通りだが,それが何か?と開き直りたい。

今年の11月で72歳になるRandy Breckerをはじめ,みんな歳を取ったわけだが,やっている音楽は極めてパワフルで,聞いている聴衆を飽きさせることがなかったのは本当に立派である。エンタテインメントとしてちゃんと成り立っていた。例えば,"Some Skunk Funk"でのRandyのプレイはゆるさを感じさせたが,それを補って余りあるTerry Bozioの爆裂ドラミング,そしてRandyの愛妻,Ada RovattiのMike Breckerを彷彿とさせるテナー・プレイにはまじで興奮させられた私である。

正直言って,今回,Ada Rovattiのプレイぶりには大いに感心させられたが,この人の実力は尋常ではない。Mike Breckerをアイドルにしていたと思って間違いないプレイぶりは,Phil WoodsがCharlie Parker未亡人と結婚したのと同じ感覚で,Randyと結婚したのではないかとさえ思えるほどだった。だが,そうした下世話な話を感じさせないほどの実力を感じさせたと思う。

Terry_bozzio_drums_setそしてTerry Bozzioである。この人のドラムス・セットの「異常さ」は昔からだが,写真で撮ると,凄いと思わせたSimon Phillipsの比ではない。圧倒的な物量作戦って感じである。しかし,バッキングはパワフルでありながら的確で,この人の頭はどうなっているのかとさえ思ってしまった。いずれにしても,今年の誕生日で67歳になる人のドラミングではなかった。完全年齢不詳のパワフル・ドラミングを口を開けて見ていた私であった。

今回の演奏は多分こんな感じと思う。曲順は違うかもしれないが,まぁいいや(爆)。
1. Sponge
2. First Tune of the Set
3. Ghost Story(Ada Rovattiオリジナル)
4. Straphangin'
5. Mikey B(Barry Finnertyオリジナル)
6. Funky Sea, Funky Dew
7. Some Skunk Funk
Encore:East River

Bbb_at_cotton_club_3私はサイン会でもRandyに言ったが,まさかの"East River"であった。いずれにしても,年齢は重ねても,これだけタイトな演奏ができるってのは凄いことである。右の写真はサイン会の模様だが,Randy,Barry Finnerty,そしてAda Rovattiの揃い踏みである。Ada Rovattiは気さくな女性で,好感度高かったなぁ(笑)。ライブでは彼女のテナーのPAのバランスが悪く,Bozzioのドラムスに消されそうになっていたのは残念だったが,それでも実力は十分に感じさせるプレイぶりであった。まじで大したものだ。繰り返すが,あぁ,楽しかった。ライブはこうでなくっちゃねぇ。

2017年9月19日 (火)

Gregg Allmanの白鳥の歌。素晴らしき置き土産と言うべきか。

"Southern Blood" Gregg Allman (Rounder)

Southern_bloodGregg Allmanが惜しくも亡くなったのは今年の5月のことだったが,そのGregg Allmanの遺作がリリースされた。Don Wasがプロデュースしたこの作品は,おそらくは死期を悟ったGregg Allmanが歌いたいと思った曲を歌ったアルバムと思える。そして,Don Wasの感動的なライナーによれば,これらの曲はGregg Allmanの人生を投影したものであったとのことである。こんなライナーや家族から寄せられた言葉を見てしまっては,涙なくして聞けない作品である。

今やBlue Noteレーベルの社長を兼ねるDon Wasがプロデュースしていることが,このアルバムがスペシャルなものであることを物語っているが,Don Wasは2014年に開かれたGregg Allmanのトリビュート・コンサートでも,バック・バンドのバンマスを務めていたので,付き合いは相応にあったのだろうが,本作の制作においてもひと肌脱いだというところだろう。素晴らしきミュージシャンの友情である。

Don Wasのライナーにはこんなことが書いてある。"He spent his final night listening to the latest mixes and closed eyes for the last time knowing that his vision had been realized." この一文を読んでしまっては,もうこのアルバムには文句をつけてはいけないということである。まさにGregg Allmanの白鳥の歌であり,辞世の句。マジでJackson Brownとの"Song for Adam"は泣ける。星★★★★★以外にはありえない感動作。

Personnel: Gregg Allman(vo, org, g), Steve Potts(ds), Ronald Johnson(b), Scott Sharrard(g), Peter Levin(key, p, el-p, vib), Mark Quinones(perc), Jay Collins(ts, bs, fl), Mark Franklin(tp), Art Edmaiston(ts, bs) with Greg Leisz(pedal steel), Jackson Brown(vo), Buddy Miller(vo), The McCrary Sisters(vo), Stephanie Brown(vo), Val McCallum(g)

2017年9月18日 (月)

Bill Evansの未発表音源:これも全然記事にしていなかった。

"Another Time: The Hilvversum Concert" Bill Evans(Resonance)

Another_timeレコード・ストア・デイでこのアルバムがLPとしてリリースされた後,なかなかCD化されなかったのだが,先日ようやくCDでリリースされたものの,全然記事にできていなかった。

Resonanceレーベルで発掘されたEvans~Eddie Gomez~Jack DeJohnetteのトリオの音源として,"Some Other Time"に続く音源は,あのモントルーのライブから1週間後の演奏のライブ・レコーディングである。この発掘音源が価値があるのは,ひとえにこのトリオによる録音の存在がほとんど認知されていなかったことにあるが,驚愕度は"Some Other Time"に比べると落ちたとは言え,その価値が下がることはない。

まぁ,そもそもBill Evansのレコーディングは安定度抜群で,平均点は極めて高いところに,モントルーと同じメンツによる演奏であれば,悪いはずはない。お馴染みのレパートリーを,いつものようなBill Evansのフレージングを積み重ねて作り上げていく様子をヴィヴィッドに捉えていて,やはりこれは満足度が高い。スタジオ・ライブ形式であるが,こんな場に身を置けた聴衆は幸せである。

正直言って,私はEddie Gomezのベースが苦手なので,Scott LaFaroは別格として,Marc Johnsonとの共演盤の方が好きなのは事実だが,これぐらいならまだ許せるって感じの音で録られているのはよかった。いずれにしても,これはやはり貴重な発掘音源として,半星オマケして星★★★★☆としてしまおう。

Recorded Live at Netherlands Radio Union VARA Studio 8 on June 22, 1968

Personnel: Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Jack DeJohnette(ds)

2017年9月17日 (日)

音楽の秋到来で新譜ラッシュだが,多忙で音楽をなかなか聞けない。

期末ということもあり,結構多忙な日が続いている。その一方で,秋は音楽シーズンの開幕である。よって,注目の新譜が続々とリリースされて,私も購入枚数は減ってはいるものの,ついつい買ってしまうアルバムが増えている。

Gregg Allmanの遺作,Steve Winwoodのライブ盤,Bruce Cockburn,Lizz Wrightの新譜に,ECMの新作群と,嬉しい悲鳴というところなのだろうが,それらをApple Music等で聞いてはいても,記事を書く余裕がないのだ。

上記のアルバムもそれぞれ現物を聞いたものもあれば,まだ現物が届いていないので,ストリーミングでしか聞いていないものもあるが,どれもが注目に値する音源であることは間違いない。早いところ記事にしたいのだが,なかなか余裕がない。

Graceしかし,今日買い物の道すがらでちらっと聞いたLizz Wrightの新作,"Grace"はJoe Henryのプロデュースも素晴らしく,ディープなアメリカ音楽の世界を聞かせてくれると確信している。しばらくはストリーミングで音楽を聞いて,記事にするネタを考えておくことにしよう。

とか言いつつ,Brecker Brothers Reunion Bandのライブとかも控えてるしなぁ...。公私ともに多忙な中年音楽狂である。

2017年9月15日 (金)

小曽根真"The Trio"@ブルーノート東京参戦記。

Ozone_the_trio

小曽根真がThe Trio名義で"Dimensions"をリリースした時,そのアルバムはあまり評価できなかった私である(記事は
こちら)。しかし,「夜の部活」メイトからのご要望もあり,ライブに行ってきた。

結論から言えば,アルバムよりずっとライブの方がよかったと感じる。新作,旧作からのレパートリーを交えて演奏される曲は,ダイナミズムを感じさせ,フレージングもよかった。そして,Clarence Pennのドラミングはサトルさとパワーを併せ持つ素晴らしいものであった。James Genusのベースも音,フレージングともにいけていて,このトリオ,そもそものレベルが高いということを再認識した。

ブルーノートは完全フルハウス状態で,小曽根真は終始ご機嫌だったし,最終日ということもあり,MCもノリノリな感じがしたが,ピアノ・トリオとしては非常に楽しめるライブだったことは間違いない。サイン会まであるとは思っていなかったが,丁寧な応対ぶりも好感度が高かったと言っておこう。

写真は客席からスマホで隠し撮りをして,若干の編集を施したものだが,画像は粗いが,なかなかのナイス・ショットである(自画自賛)。

Live at Blue Note東京 on September 13, 2017,2ndセット

Personnel: 小曽根真(p),James Genus(b),Clarence Penn(ds)

2017年9月14日 (木)

今日は戦利品だけ。小曽根真のブルーノート・ライブ。

Photo_2

今日は小曽根真のトリオ・ライブに行ってきた。本人たちは相当にご機嫌だったと思える。サイン会は期待していなかったのだが,機嫌のよさに助けられたのはラッキーであった。ってことで,今日は戦利品だけ。Clarence Pennは誰のCD?とかとぼけていたが,まぁいいや。私は「冗談はよせ!」と言っておいた(嘘)。

いずれにしても,この人たちはスタジオ録音より,ライブで価値を発揮すると思った(きっぱり)。

2017年9月13日 (水)

Fred Herschの新譜がこれまた素晴らしい。

"Open Book" Fred Hersch(Palmetto)

Open_book_2ここのところ,毎年のようにアルバムをリリースしているFred Herschであるが,その新譜は前々作に続いてソロ・ピアノである。これがまた,リスナーの期待値に応え,心を鷲掴みにするような魅力溢れるソロ作となっている。冒頭の"The Orb"から完全につかみはOKである。

今回の新作は韓国ソウルでレコーディングされたもので,1曲だけソウルのライブ音源となっている。そのライブ音源は,昨年私が見に行ったトリオでの日本公演の前日に録音されたものであり,韓国ではソロでやっていたのかと思ってしまった。そしてここに収められたソロは,Fred Herschらしい美的な感覚と,一部に聞かれるアブストラクトな感覚を同居させながらも,結果的にはFred Herschらしいアルバムになっている。

ライブで録音された"Through the Forest"は19分を越える長尺であるが,Herschはライナーにこの曲について"an example of improvising with no safety net or preconceived ideas"と書いている。つまり,完全即興ということであろうが,これは心身ともに充実していないと,こなせないものと考えられ,Fred Herschの健康状態の回復を如実に示すものと思える。もちろん,"Through the Forest"や"Whisper Not"に聞かれるアブストラクトな響きには抵抗感を覚えるリスナーもいると思うが,トータルで捉えれば,これは優れたソロ・ピアノ・アルバムと言ってよいと思う。

Fred HerschはJoni Mitchellをはじめとするポップ・チューンを演奏することも多いが,今回はBilly Joelの"And So It Goes"が選ばれている。原曲はアルバム"Storm Front"に収録されているが,シンプルなメロディ・ラインを持つこの曲を,Fred Hersch節に転換していると言ってよいだろう。"Strom Front"でもエンディングに据えられていたこの曲は,本作の最後を締めくくるにも相応しい演奏である。素晴らしい。

Fred Herschのここのところの充実ぶりには本当に驚かされるが,この調子でずっと元気で演奏を続けて欲しいものである。星★★★★☆。多分今年はソロで来日するのではないかと思うが,私の出張日程と重ならないことだけを祈る。

Recorded on April 1-3 and November 1, 2016

Personnel: Fred Hersch(p)

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