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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2017年5月27日 (土)

全然知らなかったTom Costerのハード・フュージョン盤を中古でゲット。

"Let's Set the Record Straight" Tom Coster(JVC)

_20170527私はこのブログで,Tom Costerの"Forbidden Zone"を長年聞いているという記事をアップしたことがある(記事はこちら)。リーダーに加えて,Bob Berg,Scott Hendersonというメンツは,この手の音楽が好きな私にとっての好物と言ってよいが,それに先立つこのアルバムも同系統のメンツで吹き込まれていたことは全然知らなかった。それを先日,中古盤屋をうろついていて,見つけてきてゲットしたものである。だって,Bob Berg,デニチェン,Frank Gambale,それにAlphonso Johnson等が参加しているのだから,これはほぼ間違いない(笑)。

聞いてみれば,完全に"Forbidden Zone"とほぼ同じ路線である。逆に言えば,パターン化しているが,これがTom Costerの個性だと思えば,そんなに気にならないし,こういう音はいいねぇと思ってしまう私も単細胞である。

まぁ,Tom Costerのアルバムはいつもそうなのだが,ラテン・フレイヴァーを入れることで緩んでしまう瞬間があるのがちょっと惜しいのだが,そこは元Santanaである。それもしゃあない(爆)。

いずれにしても,こっちがTom Costerに期待する音は本作でも十分楽しめるし,"Forbidden Zone"や"From the Street"同様のハード・フュージョン的高揚感は味わえる。星★★★★。尚,最後の1曲にVital Informationのバンド・メイト,Steve Smithが参加している。

Personnel: Tom Coster(key), Bob Berg(sax), Frank Gambale(g), Alphonso Johnson(b), Dennis Chambers(ds), Raul Rekow(perc, vo), Karl Perazzo(perc, vo), Steve Smith(ds), Tom Coster, Jr.(key, synth)

2017年5月26日 (金)

Stanley Clarke@Blue Note東京,Pat Martino@Cotton Club連続参戦記

Img_6240

今年はライブに行っている本数がかなり多いが,2日連続ってのは,海外出張中を除けば,一昨年のWayne KrantzとMehliana以来のことだろう。今回はStanley ClarkeとPat Martinoという全く毛色の違うライブの連荘となった。

まずはStanley Clarkeであるが,当初から予想できたこととは言え,ベースがリーダーだとこうなるよなぁって感じの演奏だったと言ってもよい。Stanley Clarkeだったらもう少し集客がよさそうなもんだと思えたのだが,7割程度の入りってところか。私は半額未満のクーポンを使っているというのにである。そんなものなのかなぁと思ったが,演奏を聞いていても,エンタテインメントとして十分かというと,やはりバンドのメンバーにもう少し華があってもいいってところだろう。特にドラムスのMichael Mitchellは若さゆえってところもあるかもしれないが,明らかに叩き過ぎである。加えて2キーボードであるが,ソロイストとしてのメインはRuslan Sirotaの方かもしれないが,私はCaleb McCampbellのグルーブの方が気持ちよかったと思う。

それにStanley Clarke本人も,エレクトリックよりも,アコースティックの方がずっといいではないかと思わせるのが,これまた意外であった。少なくとも,私が心地よさを感じたのは,アコースティック・ベースの方である。まぁ,Stanley ClarkeのAlembicのベースの音がしつこく感じる(あるいは飽きる)からだとも言えるが,これは本当に意外としか言いようがない。いずれにしても,Stanley Clarkeはもう少し強力なソロイストがいないと,バンドとしては今一つ感があるというのは仕方がないところか。

ちなみに上の写真は,客席からスマホで隠し撮りしたものに編集を加えたものだが,我ながらなかなかいけている(爆)。

Pat_martino_at_cotton_clubそしてその翌日に行ったのがPat Martinoである。私は2009年のNYC出張中にPat Martinoのライブを,現地のBirdlandで見ている(その時の記事はこちら)が,それ以来のMartinoのライブである。今回はギター,オルガン,ドラムスのトリオであるが,ネットで見てみると,このメンツでの活動は相当長いようである。

今回は2日間限りということもあるのかもしれないが,非常に集客もよく,ほぼフルハウスの中演奏が始まった。Pat Martinoは相変わらずで,見た目は学者か,哲学者かって感じだが,その風貌から,あのフレージングが出てくるのだから,ギャップが激しい。若干"Footprints"で緩んだかなぁって気もするが,全編を通してMartino節全開と言ってもよかった。そして何よりも笑ってしまったのが,オルガンのPat Bianchiがソロを取っていようがなんだろうが,ギターのボリュームを下げることなく,コードで煽るのである。これこそ,ギタリスト・リーダーの鑑である(笑)。完全にリーダーはわしじゃ!モードであった。Pat Bianchiは,やや弾き過ぎ感もあるが,それなりに受けていた。むしろ私はドラムスのCarmen Intorreに感心していた。ステディなのだが,無駄はないし,ソロもなかなか行ける。これは結構いいドラマーだと思っていた私である。

そうは言っても,やっぱりこのバンドはPat Martinoである。今年で73歳になるので,今後何度来日できるかはわからないが,まだまだ現役で行けるって感じである。今回はサイン会もなかったが,チャンスがあれば,是非本人と話してみたいと思っている。なので,またの来日を期待したいところである。

この2日間のライブを振り返れば,間違いなくPat Martinoの圧勝であったと言っておこう。

Live at Blue Note東京 on May 24, 2017

Personnel: Stanley Clarke(b), Ruslan Sirota(p, key),Caleb McCampbell(key), Michael Mitchell(ds)

Live at Cotton Club on May 25, 2017

Personnel: Pat Martino(g), Pat Bianchi(org), Carmen Intorre(ds)

2017年5月25日 (木)

Jaco全盛期の輝きを捉えた未発表音源。

"Truth, Liberty & Soul" Jaco Pastorius (Resonance)

Jaco貴重な未発表音源を次から次へとリリースするResonanceレーベルから出たアルバムには,注目に値するものが多いが,これまた強烈な音源があったものである。

これは米国の公共放送,NPRで放送された音源のソースを完全公開したものであるが,これまでブートなどで聞かれた演奏は一部の音源がオミットされた不完全版だったらしいが,これはその完全版ということで,長時間に渡って,Jaco Pastoriusの凄みを感じさせる演奏を聞ける貴重音源となっている。そもそも,これはKool Jazz Festival,場所はAvery Fisher Hallという,ジャズ・ミュージシャンにとっての晴れ舞台のような機会である。Jacoとしても燃えるのは当然だが,それにしてもこれは素晴らし音源である。

正直言って,私は1984年にGil Evans OrchestraのゲストとしてLive under the Skyに出演したJacoを見て,完全に狂っていると思った(その音源に関する記事はこちら)が,この演奏はその2年前ぐらいのものであり,たった2年で人間はこんなにも変わってしまうのかと思わざるをえないし,何がJacoに起こったのかと改めて思っていしまう。私のように,Jaco Pastoriusというミュージシャンに特別の思い入れのない人間でも,天才を発揮した時のJacoの凄さはちゃんと感じられるつもりである。

例えば,本作の冒頭の"Invitation"のバックで弾けるJacoの演奏を聞いていれば,それだけで燃えるというのが普通の反応だろう。そして,ここに参加した強烈なメンツ(ホーン・セクションだけでも凄い名前が揃っている)による圧倒的なグルーブを聞かされてしまっては,84年の狂ったJacoのことは忘れることができるってものである。これは黙って聞いて,天才としてのJacoの演奏を認識すればいいということだろう。Disc 2の前半こそやや中だるみ感があるものの,この圧倒的な演奏には星★★★★★しかあるまい。よくぞ発掘してくれたというのが正直な思いである。

繰り返すが,私はJacoに対して特別な思い入れはない。しかし,そんな私でも,これは万人に勧めたくなるようなアルバムである。同じ年に日本で録音された"Twins I&II"に匹敵する名ライブであり,結局はこの年がJacoのピーク,あるいは最後に輝いた年だった。

Recorded Live at Avery Fisher Hall on June 27, 1982

Personnel: Jaco Pastorius(b, vo), Bob Mintzer(ts, ss, b-cl), Randy Brecker(tp), Othello Molineaux(steel ds), Don Alias(perc), Peter Erskine(ds), Toots Thielemans(hca), Bob Stein(as), Lou Marini(ts), Frank Wess(ts), Howard Johnson(bs), Randy Emerick(bs), Alan Rubin(tp), Leew Soloff(tp), Jon Faddis(tp), Ron Tooley(tp), Kenny Faulk(tp), David Taylor(tb), Jim Pugh(tb), Wayne Andre(tb), John Clark(fr-h), Peter Gordon(fr-h), David Burgeron(tuba)

2017年5月24日 (水)

Ondřej Štveráček参加のNajponkのライブ盤。よくやるわ。

"Live at the Offece Vol.4" Najponk Trio & Tenor Titans (Gats Production)

_20170521私を含めた一部の好き者(爆)が,ジャズ界の「おんどれ君」と呼ぶOndřej Štveráčekであるが,本人のWebサイトでも,音を聞いても,Coltrane愛が炸裂するこのテナー奏者には,固定的リスナーが私の周りに少なくとも3人(笑)はいる。しかし,彼のアルバムは入手がなかなか大変なのがやっかいで,日本に入ってくることが少ない。なので,私は直接本人やチェコのショップに発注しているのだが,今回のアルバムは,いつもと違って,入手が容易だったのは助かる。しかも値段が安い。と思ったら,本作は日本のガッツ・プロダクションの制作ではないか。それがまずへぇ~であった。まぁ,そうは言っても,本作はおんどれ君以上に,日本で固定ファンが付いているであろうNajponkをリーダーとするセッションとして企画されたものと想像する。それでもおんどれ君に対する注目度が少しでも上がれば,それは決して悪いことではない。

アルバムの企画としては,タイトルからもわかるが,2テナーをフロントに据えた典型的ブローイング・セッションと言っていい。しかもやっている曲が,ブルーズやモードなんだから,そりゃあそうなるわ。それはそうなのだが,おんどれ君の日頃のライブに接することができないはるか日本のリスナーにとっては,あぁ,やっぱりこういう感じでやってんのねぇって感慨を覚えてしまうぐらい吹きまくるおんどれ君である。ここに収められているような演奏を眼前で繰り広げられたら,あまりの吹きっぷりに,「笑いながら」悶絶してしまうこと確実である(爆)。

そういう意味では満足度は高いとも言えるが,アルバムとしてはどうなのかねぇと思ってしまう部分もある。最後に"All Clean"のリハーサル・テイクを収録しているが,ソロの出来がよかったとしても,こういうのは「蛇足」と言ってもよいものだろう。

それでもおんどれ君のファンを納得させるには十分と思えるし,難しいことを言わず,彼らのブローイングを楽しんでいればいいということではあるが,これなら星★★★☆程度でよかろう。いずれにしても,日本制作でOndřej Štveráčekが参加したアルバムができるとは思っていなかっただけに,これは嬉しい「誤算」ではあったが,ちょっと制作の仕方が安直なんだよねぇ。ちょっと惜しいなぁ。

Recorded Live at the Office on October 2016

Personnel: Najponk(p), Ondřej Štveráček(ts),Osian Roberts(ts), Taras Voloschuk(b), Marek Urbanek(ds)

2017年5月23日 (火)

Wayne Krantzの初リーダー作,"Signals"を改めて聞く。

"Signals" Wayne Krantz(Enja)

Signals先日,Wayne Krantz入りのMichael Formanekのアルバムを取り上げたので,今日はKrantzの初リーダー作である"Signals"を取り上げることにしよう。

私はミュージシャンではないので,彼らが初リーダー作にどのような思いを込めるかについては,想像の域を出ないのだが,このWayne Krantzの初リーダー作には,様々なフォーマットでの演奏を入れて,マーケットに打って出ようという気概が感じられる。いきなり,冒頭からDon Aliasとのデュオで幕を開けるというのは大胆な展開である。そして,デニチェンらを従えたバンド形式が3曲,Don Aliasとのデュオが2曲,Leni Sternとのデュオが2曲,Hiram Bullockにベースとドラム・プログラミングを任せて1曲,そしてソロが3曲という具合である。

バンドでのサウンドが一番フュージョンぽく響き,その他の曲においては,Wayne Krantzのフレーズにはカントリー的なフレイヴァーも含まれている感じもして,非常に面白い。だが,Wayne Krantz的なフレーズはまだまだ控えめって気がする。しかし,ソロで演じられる曲を聞いて,何と見事なリズム感なのかと思ってしまう。注目はバンド・サウンドに向きがちだとは思うが,実は,私としてはDon Aliasとのデュオ"Alliance"やソロで演じられる"One of Two"や"Two of Two"にこそ,この当時のWayne Krantzの魅力が発揮されているように思える。

ある意味,バンドでやった3曲はセールスを考えてのこととも言えるようにさえ感じるのは穿ち過ぎかもしれないが,現在に至るまでWayne Krantzのファンである私としては,上述のような感じである。やや欲張った感があるのは事実である。だが,ほぼ新人のデビュー作としては,結構よくできていると評価してよいと思う。星★★★★。

YouTubeにKrantz,LeFebvre, Carlockの最凶メンツで55 Barで本作のタイトル・トラックをやった時の音源(映像はない)が上がっているので,貼り付けておこう。アルバムでの響きと全然違うねぇ。

Recorded in May and June, 1990

Personnel: Wayne Krantz(g), Leni Stern(g), Jim Beard(key), Anthony Jackson(b), Hiram Bullock(b, drum-prog), Dennis Chambers(ds), Don Alias(perc)

2017年5月22日 (月)

Micheal FormanekのEnja作にはWayne Krantzの名が...。

"Wide Open Spaces" Michael Formanek (Enja)

_20170514_2先日,Michael FormanekのECM作"Small Places"を取り上げて,どうもピンと来ない感じがしていた私だが,いろいろネットを徘徊してて,彼のEnjaのアルバムにWayne Krantzが参加していることを知り,どうしても聞きたくなってしまった。しかし,某サイトでは飛んでもない値段がついていて,何じゃそれはと思っていたのだが,eBayではお手頃価格で出ているではないか。価格の落差に踊りきつつ,eBayで発注してゲットした私である。

私の関心事はほとんどWayne Krantzがこのアルバムが録音された90年当時,どういう演奏をしているかに尽きる。そもそもWayne KrantzとEnjaレーベルのつながりは結構深く,本人の初リーダー作"Signals"も同レーベルからであったし,Leni Sternとの共演作などもあった。"Signals"の録音は90年5~6月,本作はそれを更に数カ月遡るが,リーダー作録音に向けての素地は整っていたということかもしれない。まぁ,そうは言っても,キャリアとしてはまだ初期の頃のWayne Krantzである。その後のギター・サウンドとは異なり,まだまだ普通のプレイぶり(笑)である。

そして,Michael Formanekであるが,この頃から硬派な音楽である。そもそも編成が変わっているし,Greg Osbyが参加していることからしても軟弱になりようがない(爆)。冒頭の"Edge to Edge"からして,非常にスリリングなサウンドであり,大いに期待を持たせるが,あっという間に終わってしまう。そもそも全15曲で55分弱というのが,曲数が多い感覚があるが,最長でも9曲目"Home, at Home"で8分35秒である。そして,色々なタイプの曲が並んでおり,一種のコンセプト・アルバムのように捉えることも可能かもしれない。リーダーもライナーでは"Each piece is like another chapter, and what unifies them is a basic set of themes that comes from a kind of central place. All the music is connected to that in very vague ways."なんて言っているし。

そんなわけで,アルバムとしては,それなりに聞きどころはあるのだが,私としては"Edge to Edge"のような曲で押してもよかったのではないかと思う。更に,このアルバムにはヴァイオリンのMark Feldmanが参加しているが,私はFeldman抜きのクァルテットでも面白かったのではないかと思う。いずれにしても,Wayne Krantzの楽歴を振り返る上では,これはこれで聞いておいて損はないと思える作品。まぁ,全体評価としては星★★★☆ぐらいだろう。

Recorded on January 25 & 26,1990

Personnel: Michael Formanek(b), Greg Osby(as, ss), Wayne Krantz(g), Mark Feldman(vln), Jeff Hirshfield(ds)

2017年5月21日 (日)

Gordon Goodwin's Big Phat Band@Blue Note東京参戦記

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私はBlue Note東京のJam Session会員っていうのになっているのだが,7回ライブに行くと,招待状がもらえるということで,今回のライブに参戦となった。この招待状では本当はBlues Brothers Bandに行きたかったのだが,出張日程と重なってしまい,Big Phat Bandのライブをチョイスとなった。たまにはビッグ・バンド・ジャズもいいかってことで(笑)。

Big Phat Bandはコンテンポラリーな響きを持つビッグバンドという印象が強いが,メイン・ソロイストにEric Marienthalを擁するからそういう感じも強くなるってことである。今回はBuddy Richの生誕100年を記念してのパートも含むということであるが,私としてはコンテンポラリーな感じが強い方がいいなぁと思っていたので,その辺は若干微妙というところもあったが,まぁよかろう。

ライブを見ていて,やはりハード・ドライビングな演奏の方が楽しめるのは間違いないところで,私はそういう曲調の方が楽しめたのは事実である。今回はBuddy Rich記念プログラムというところで,ドラムスのRay Blinkerの活躍が大きかったが,結構歳は喰っていそうなのに,パワフルなドラミングには圧倒された。メンバーも相応の実力者が揃っていて,ソロの力量も感じられたのはなかなかよかった。

Bpb_at_bnt_verticalそれにしても,今回は私の予約番号は#28ということもあり,出遅れ感があったのだが,客席(自由席)はそれほどの混雑ぶりでなかったのはなぜなのか?大量にキャンセルが出た可能性もあるが,結果的にはステージ至近の席についた私である。あまりにステージが近いので,見ていて音量に負けるのではないかと思っていたが,それほどではなかったのはよかった。ちなみに私の席とステージの距離感はこんな感じ。

尚,上の写真はBlue Note東京のWebサイトから拝借したもの。

Live at Blue Note東京 on May 18, 2017

Personnel: Gordon Goodwin(band leader,p,ts,ss), Eric Marienthal(as,ss,piccolo,fl), Sal Lozano(as,piccolo,fl,cl), Brian Scanlon(ts,fl,cl), Jeff Driskill(ts,fl,cl), Adam Schroeder(bs,bcl,fl), Wayne Bergeron(tp), Mike Rocha(tp), Jamie Hovorka(tp), Dan Savant(tp), Francisco Torres(tb), Charlie Morillas(tb), Eric Hughes(tb), Craig Gosnell(b-tb), Justin Smith(g), Ray Brinker(ds), Joey DeLeon(per)

2017年5月20日 (土)

ようやく発見,行方不明だった"This Is Chris"

"This Is Chris" Chris Conner(Bethlehem)

This_is_chris私は基本的に,よく聞くCD(一軍ってやつである)はミュージシャンのラスト・ネームのアルファベット順に並べているので,一軍のCDが見当たらないってことはあまりない。しかし,先日記事にしたように,ボックスを買って,もとのCDを売却してもすっかり忘れていたRoxy Musicの"Avalon"のような例もあるので,偉そうなことは言えない。

しかし,この"Thisi Is Chris"も久しく行方不明になっていて,どうしたのかわからない状態であった。普通だったら,John ColtraneとMarc Coplandの間にあるはずの本作がなぜか見つからなかった。結局は,CDの並べ替えのタイミングで,置き場所が大幅にずれていたことによって,見つからなかっただけというアホみたいな話だったのだが,見つからないと気になって仕方がなかったというのも事実だ。井上陽水ではないが,「探すのをやめた時,見つかることもよくある話で」,本作も,別のCDをプレイバックしようとしたときに,「あれ,こんなところに...」って感じで見つかっただけの話である。これって,一軍のCDもちゃんと聞いていないんじゃないの?と言われても反論できないことの証だが,まぁいいや(爆)。

それでもって,本作も久しぶりに聞いたのだが,夜も更けた時間に,くつろぎたいと思った時にこれほどぴったりのCDもないなぁなんて感じてしまった。適切なスイング感,適切なムーディさ,そして小音量で聞いても,全然問題ないと思わせるこの内容が素晴らしい。ジャズ・ヴォーカルをほとんど聞かない私がそう言うのだから,間違いない(笑)。

明らかに黒人のヴォーカルとは異なりつつ,Chris Connerのハスキーな声は強烈にジャズを感じさせる。Anita O'Dayとどっちがいいんだと聞かれると答えに窮するが,どっちもよいからそれでいいのである。久しぶりに聞いて,これほど寝る前のひと時を快適に過ごさせてくれたことも評価し,これは星★★★★★である。全編で30分弱ってのも,ナイトキャップには丁度いいし...。また,ジャケも強烈にジャズ的な感じだと思うのは私だけ?

Recorded in April, 1955

Personnel: Chirs Conner(vo), Herbie Mann(fl), J.J, Johnson(tb), Kai Winding(tb), Ralph Sharron(p), Joe Puma(g), Milt Hinton(b), Ossie Johnson(ds)

2017年5月18日 (木)

直感を信じて買って大正解のRose Cousins

"Natural Conclusions" Rose Cousins(自主制作盤)

Rose_cousins某誌でこのアルバムの紹介を見て,Joe Henryプロデュースということを知り,猛烈に興味が湧いた私である。Joe Henryのプロデュースしたアルバムは正直言って玉石混交で,はずれはまじではずれることがあるのだが,基本的には信頼に値する人だ。これはApple Musicで冒頭の1曲を聞いて,自分の直感を信じて買いを決意したものだ。

Rose Cousinsというシンガーについては全く知らなかった。Wikipediaで調べてみると,カナダのシンガー・ソングライター。2006年にデビューした時にはアラサーだったという遅咲きのシンガーで,現在は不惑を迎えている。Apple Musicで聞いた時からちゃらちゃらしたところはないと思っていたが,だてに年齢を重ねていないと思わせるような音楽性である。

カナダのシンガーソングライターと言えば,私のアイドル,Joni Mitchellと同じってことになるが,Joniの音楽とはちょっと違うとしても,これはこれで非常によくできたアルバムであり,優れた曲集となっている。そんな彼女が,これはKickstarterというクラウド・ファンディングを使って制作したアルバムだが,PledgeMusicなら私も投資していたなぁと思えるほど,これはよい。そもそも,私はシンガーソングライターは渋めの男声が好きなのだが,女声についても,相応のリスナーである。代表はJoni Mitchellだが,Rickie Lee Jonesでも,Laura Nyroでも,Carly Simonでも,Carol Kingでも全然問題ない。まぁそれでも,どのシンガーを聞いても,キュートな声ではないということはおわかり願えよう。私にとっては,大人の声でないといかんのである。

そして,このRose Cousinsであるが,まさに私のツボと言ってもよい。最近聞いた女性シンガーのアルバムでは,何と言ってもRachawl Yamagata推しの私だが,この作品は,Rachael Yamagataと同じぐらいよい。Joe Henryのプロデュースよろしく,この人の歌手としての魅力を十二分に捉えていると言ってよいだろう。私はこういう音楽には弱いのである。声よし,曲よし,伴奏よしである。この手の音楽で久々にしびれたというのが正直な思いである。皆さんにより広く知ってもらうために星★★★★★としてしまおう。それでもこのジャケでは売れないか...(爆)。しかし,まじでこれはよい!ストリーミング環境のある方は,騙されたと思って,ものは試しで聞いてみて頂きたい。

Personnel: Rose Cousins(vo, g, p), Jay Bellerose(ds, perc), Asa Brasius(steel-g), David Piltch(b), Zachariah Hickman(b, vo, arr), Gord Tough(g), Aaron Davis(key, org, p), Kinley Dowling(vla, vln, vo), Miranda Mulholland(vo), Caroline Brooks(vo), Jill Barber(vo)

2017年5月17日 (水)

Wolfert Brederode Trio@武蔵野スイングホール参戦記

_20170516_2

ECMからリリースした"Black Ice"も素晴らしかったWolfert Brederodeのトリオを見るために,会社から結構遠いのだが,武蔵境にある武蔵野スイングホールに行ってきた。

アルバムそのものも素晴らしく,このブログにも「美しくも青白く光る炎のような音楽であり,いかにもECM的なアルバム。」と書いた(記事はこちら)。そして,ライブで展開された音楽も,ほぼアルバムのイメージを踏襲したものであり,新曲もやったが,基本的には"Black Ice"からのレパートリーを演奏していた。

このトリオは,ソロ回しなどにはほとんど関心がないというような,リーダーのピアノを中心としながら,ベースとドラムスが絡みつくような演奏を繰り広げるというパターンで,まさに三位一体とでも言うべき演奏方法であったと思う。そこに聞かれるWolfert Brederodeのピアノの美しいことよ。美的で繊細,時にアブストラクト,そして時にダイナミズムも感じさせる非常にいい演奏であった。そして,彼を支えるリズム隊もうまい。ベースの音もよいし,ドラムスの切り込みはかなり鋭い。そうして作り上げられた音場はまさにインタープレイだったのである。

演奏を聞きながら,誰かに影響を受けているのかなぁなんて思いながら,誰ってのが思い浮かばない。ちょっとEnrico Pieranunzi風に聞こえる瞬間もあったが,全体を通して聞いていると,オリジナルなスタイルなんだろうなぁっていうのが結論。

Wolfert Brederodeはこれまでも何度か来日しているようであるが,私が彼の音楽の魅力に接したのは去年が初めてだった。その感覚を忘れず,告知が出た瞬間にチケットをゲットし,今回のライブに行けたのは非常に良かったと思う。ECMらしい音をライブで聞く喜びって感じか。ということで,今回の戦利品も写真をアップしておこう。

Live at 武蔵野スイングホール on May 16, 2017

Personnel: Wolfert Brederode(p), Gulli Gudmundsson(b), Jasper van Hulten(ds)

2017年5月16日 (火)

Avishai CohenによるECM第2作もいい出来である。

"Cross My Palm with Silver" Avishai Cohen(ECM)

_20170514Avisha CohenがECMからアルバム"Into the Silence"をリリースしたことには驚かされたが,ECM的なサウンドになっていたのにも驚かされたのが昨年の早春のことである。それから約1年強のインターバルでアルバムがリリースされることは,Avisha CohenがManfred Eicherの審美眼に適ったってことだろうが,今回もECM的な魅力に満ちたアルバムとなっている。

そもそも私は,ラッパのワンホーンという編成が結構好きなので,それだけでもポイントが高いが,この静謐な中にも,相応のダイナミズムを共存させるAvishai Cohenのトランペットの響きには,心惹かれてしまう。こうした響きは,以前であれば,Thomaz Stankoあたりがこういう音を出していたかなぁなんて気もするが,最近彼のアルバムも聞いていないので,正しいかは自信がない(苦笑)。

それはさておき,ここでのAvishai Cohenのトランペットの響きが何とも魅力的に捉えられている。よくよく見れば,これもAaron Parksの新作同様,フランス南部にあるPernes-les-Fontainesという都市の,Studios Ls Buissonneなるスタジオで,Gerald de HaroとNicolas Baillardのコンビのエンジニアリングによって録音されている。ということは,今後はこのフォーメーションがECMの録音でも増えていくということなのかもしれないが,今回も見事なまでにECM的サウンドである。

Avisha Cohenを支える3人も,出過ぎたところなく,バックアップに徹している感覚もあるが,もし,Nasheet Waitsがバンバン叩いていたら,こういうサウンドにはなりえない。Fred HerschともやっていたWaitsのことである。ちゃんとわかっているってことだろう。全編を聞いても,一貫性が保たれていて,これはやっぱりよくできていると思う。星★★★★☆。

YouTubeに本作の予告編のような映像がアップされていたので,貼り付けておこう。映像で見るとまた別の印象を与えるねぇ。

Recorded in September 2016

Personnel: Avishai Cohen(tp),Yonathan Avishai(p), Barak Mori(b), Nasheet Waits(ds)

2017年5月15日 (月)

日野元彦の"Sailing Stone":このアルバムが出た頃は驚いたものだ。

"Sailing Stone" 日野元彦(Fun House)

_20170506_3主題の通りである。これは確かジャズ喫茶で聞かせてもらって,一発でまいってしまった記憶がある。まずはメンツである。Dave LiebmanにMike Sternが参加している。そして,更に驚いたのがRolling Stonesの曲を4曲も演奏しているではないか。

このアルバムを購入した頃には,私はMike Sternの結構なファンになっていたはずだが,ここでの演奏を聞いてもまたまた痺れてしまったのを覚えている。例えば,"(I Can't Get No) Satisfaction"ではゆったりとしたテンポで演奏されるのだが,そこに現れるマイキーのソロの魅力的なことよ。これぞマイキーって感じなのである。正直言ってしまえば,私がこのアルバムを購入したのは,このマイキーのソロあるがゆえというところは否定できない。ギターとしてはもう一人,Mike Mullerという人も参加しているが,ソロはほぼマイキーの独壇場である。"Angie"なんて痺れるわ~(笑)。

それにしても,凄いメンツである。ベースにSteve Swallowを据え,オルガンをKaren Mantlerに弾かせるって,どういうセンスだろうか?もちろんいい意味でだが,この編成には正直驚かされる。

まぁ,曲によって,イマイチな感じがないわけではないが,私としてはマイキーのギター,Liebmanのサックスと,それを比較的静かにプッシュする日野元彦が聞けるだけで満足度が高い。実のところ,これを聞くのも久しぶりだった訳だが,マイキーのギターは本当に効いていたことを再確認した。そして,日野元彦の兄貴,日野皓正がStonesの"Lady Jane"に1曲だけ客演するが,これが素晴らしいバラッドになっているのは特筆もの。全体を通して聞けば,星★★★★には十分値する。

こうなったら,Led Zeppelinの曲もやった"It's There"も聞くとするか。

Recorded on November 23-26, 1991

Personnel: 日野元彦(ds),Dave Liebman(ts, ss), Mike Stern(g), Mike Muller(g), Karen Mantler(org, hca), Steve Swallow(b), 日野皓正(cor)

2017年5月14日 (日)

どうやってゲットしたか記憶が曖昧なMMW(笑)。

"Electric Tonic: July 4, 1998" Medeski Martin & Wood(自主制作盤)

Electric_tonicMedeski Martin & Woodは"Tonic"というアコースティックのアルバムをBlue Noteレーベルからリリースしているが,本作はそれに先立ってTonicに出演した時に,エレクトリック・セットで録音されたもの。確かMM&WのWebサイトで入手したように思うのだが,MM&Wの大したファンでもない私がどうしてこれを入手しようと思ったのかは記憶が曖昧である(爆)。おそらく,入手が難しくなりそうだとのせこい感覚で買ったに違いない。

そもそも,私はMM&Wの音楽に大した興味があるわけではなく,あくまでもJohn Scofieldの"A Go Go"からのつながりに過ぎない。MSM&Wの"Out Louder"も買ったものの,実はあんまりぴんときていなかった。それでも"Tonic"は購入しているし,その流れで本作も買ったと思う。

さすが自主制作盤だけあって,ジャケの手作り感が顕著で,デジパックの表と裏にはステッカーを貼って体裁を整えたってところである。そこにも書かれているが,"100% Improvised Music"として演じられたこの演奏は,まぁ面白いと言えば面白いんだが,正直言って何度も聞きたくなるようなものではなく,あくまでもドキュメントとして捉えた方がよい作品である。"A Go Go"をベースに考える私のようなリスナーとしては,もう少しアーシーでファンク的なところがないとやっぱり厳しいってところである。ってことで,星★★★ぐらいにしておこう。

尚,Tonicは2007年にクローズしてしまったが,その路線はJohn ZornがArtistic Directorを務めるThe Stoneに引き継がれたってところだろう。

Recoded Live at Tonic on July 4, 1998

Personnel: John Medeski(org), Billy Martin(ds, perc), Chris Wood(b)

これも久しぶりのPaul Chambers

"Paul Chambers Quintet" Paul Chambers(Blue Note)

_20170506_2_2昨日,Oscar Pettifordを取り上げたので,その勢いで(笑)Paul Chambersである。Paul Chambersと言えば,私がジャズを聞き始めた最初期に"Bass on Top"を購入したこともあって,"Bass on Top"は結構な回数を聞いている。しかし,中古でゲットし,一軍の棚に収まっている本作については,そんなにプレイバックの機会が多いわけではない。しかし,久々に聞いてみて,ジャズの快楽ってこういう感じだよなぁなんて思っていた私である。

"Bass on Top"はPaul Chambersの代表作とは思うが,本作はDonald ByrdとClifford Jordanの2管が加わることにより,"Bass on Top"よりもBlue Noteレーベル的なサウンドになっていると言ってよい。また,ここでは,アルコ・ソロもあるものの,どちらかと言えば,ピチカート主体で野太い音を聞かせるPaul Chambersのベースが楽しめる。

プログラムとしても,スタンダード2曲,Paul Chambersのオリジナル2曲にBenny Golsonの2曲を加えるという魅力的なもの。演奏は快調そのものであり,突飛なところはないとしても,ジャズってのはこういうもんだと言いたくなるような演奏が収められている。

また,本作にはTommy FlanaganとElvin Jonesという,当時のJ.J. Johnson Quintetの同僚二人が参加していることのポイントが高いが,Flanaganの安定感抜群のピアノに,Elvin Jonesのスティックもブラシも素晴らしいドラミングを聞かされては,心地よさが更に増すと言ってもよい。ElvinとしてはFlanaganの"Overseas",あるいはJ.J.の"Dial J.J.5"とほぼ同時期の演奏と言えるだろうが,Coltraneとの演奏よりは抑制されてはいるものの,演奏をドライブさせる推進力は見事なものである。録音当時,Elvinは29歳だったので,若手ってわけではないが,既に完成されていることは言うまでもない。

いずれにしても,このBlue Noteらしさに溢れた演奏を聞いていて,本当に心地よさを覚えていた私である。こういう演奏を聞いて,嫌いだって人はいないだろうとさえ思ってしまうような作品。星★★★★☆。

こういうことだから,ちゃんと手持ちのアルバムは機会を見つけて聞かねばならんということを改めて感じさせてもらった。

Recorded on May 19, 1957

Personnel: Paul Chambers(b), Donald Byrd(tp), Cliff Jordan(ts), Tommy Flanagan(p), Elvin Jones(ds)

«Oscar Pettiford:滅多に聞かないアルバムだなぁ。

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