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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2017年6月27日 (火)

Enrico Pieranunzi入りMads Vinding Trioの未発表ライブ現る。これは悪いわけない。

"Yesterday: Mads Vinding Trio Live in Cipenhagen 1997" Mads Vinding / Enrico Pieranunzi / Alex Riel (Stunt)

Yesterdaysこのアルバムのリリースが発表された時,絶対これは悪くないはずだと思ったのは,きっと私だけではないはずである。Enrico Pieranunziのファンであれば,彼が同じメンツで吹き込んだMads Vindingの"The Kingdom"は,Pieranunziのトリオ・アルバムでもファンが多い傑作だからだ。かく言う私も,Pieranunziが2013年に来日した時に,サインをもらうために持参した何枚かのアルバムには"The Kingdom"が含まれていた。それにしても,それももう4年近く前のことである。光陰矢の如し。

そんなトリオが"The Kingdom"をリリースしたのが1997年のはずで,その同年,同メンツでライブ・レコーディングの模様が残っていたということは全く幸運だったと思わざるをえないし,冒頭のタイトル・トラック"Yesterdays"からこっちの思っているサウンドが響きだせば,それだけで「くぅ~っ」となってしまった私であった。

Enrico Pieranunziはその後も精力的に活動はしているが,やはりピアノ・トリオ・フォーマットによる演奏には魅かれるものが多い。しかし,多作な人だけにアルバムは玉石混交という感じがしないわけではないが,それでも"The Kingdom"があっただけに,このアルバムは期待させる部分が大きかったし,ちゃんとその期待に応えてくれるところが,ファンとしては非常に嬉しいのである。

レパートリーはスタンダードを中心に,Gary Peacockが"Tales of Another"でやっていた"Viignette",そしてPieranunziの美しいオリジナル"A Nameless Date"という選曲もファンは落涙必至であろう。

_20170625とにかく,Pieranunziのピアノのよさが十分に捉えられていると感じられる演奏の数々であり,私としては"The Kingdom"同様の満足が得られたと思っている。真剣に聞くもよし,聞き流すのもよし。様々なシチュエーションで,何度も聞きたくなるようなアルバムである。喜んで星★★★★★としてしまおう。Cotton Clubでのライブ後にサインをもらった"The Kingdom"の写真もアップしておこう。

Recorded Live at Copenhagen Jazzhouse on Novmeber 11, 1997

Personnel: Mads Vinding(b), Enrico Pieranunzi(p), Alex Riel(ds)

2017年6月26日 (月)

出張中に見た映画(17/6編):まずは"Hidden Figures"を挙げておこう。

"Hidden Figures" ('16,米,Fox)

Hidden_figures監督:Theodore Melfi

出演:Teraji P. Henson,Octavia Spencer, Janelle Monáe,Kevin Costner,Kirsten Dunst

まだ,前回の欧州出張の時に見た映画のレビューもアップできていないのだが,今回のシンガポール~アジア出張で見た映画を先にアップしよう。今回は往路で2本,復路で1本だが,そのうち1本は「ローグ・ワン」の再見なので,記事にアップするつもりはない。まずは復路で見たこの映画を取り上げよう。

この"Hidden Figures"という映画は,今年の9月に日本でも「ドリーム」というタイトルで公開予定であるが,残念ながら,作品の話題性という観点では,おそらく多くの人の目に触れることはないだろうと思える。しかし,非常に見た後に心地よい感覚を残す映画で,無視するにはもったいないと思える作品なのだ。

要は,黒人がまだ差別されている頃,NASAの宇宙計画において,大きな役割を果たした黒人女性3人の姿が描かれている。ある意味,人種差別とその克服という要素でヒューマニズムに訴求し,その一方でマーキュリー計画という宇宙開発において,彼女たちがどのように貢献したかという要素により,ストーリーにメリハリをつけている。人種差別を描いた映画としては>「グローリー/明日への行進("Selma")」があるが,"Selma"のシリアスさに比べれば,はるかに気楽に見られるところも,機内エンタテインメントとしては適切なのだ。

この映画は,黒人,しかも女性が宇宙計画の中で果たした重要な役割を描くことで,いかにもアメリカの知性派を喜ばせる映画だと思える。実際にどの程度までこうした差別的な対応がNASAの中に存在したのかはわからないとしても,こうした現実があったということは,今の世の中ではなかなか信じがたいが,これが歴史の現実というものとして,その重みは感じなければならない。

やや脚本に性急さやCGとストーリーのギャップが見受けられるのも事実だが,この尺に収め,現代においてこうした背景を描くには,ある程度仕方がないことである。むしろ,実話の持つ事実と,演技陣の適切なキャスティング,手堅い演出が相まって,私にとっては大いに楽しめる映画となった。本当は日本でもこういう映画がヒットすればいいなぁと思える一本。星★★★★☆。私にとっては,こういうのをいい映画と言う。

2017年6月25日 (日)

Return of 中年音楽狂とマレーシアの夜のご報告

New_sound_at_alexis

シンガポールからマレーシアへ周る出張を終了して,今朝,帰国した私である。今回は現地のグループ企業やクライアント,あるいはパートナー候補との打合せに加えて,シンガポールでのコンベンション参加等,結構忙しかった上に,ナイト・ライフも忙しく(爆),なかなか体力的にきつい出張であった。そもそも帰国当日の土曜日に,マレーシアで「芝刈り」なんかしてるから体力を更に消耗するという自滅行為もしているのだから,自業自得の部分もあるが...(苦笑)。

シンガポールについては記事を2本上げたが,マレーシアにおいては,金曜日の打合せの後,現地出向中の最強サラリーマン・サックス奏者にして,私の同僚でもある八木敬之君のライブ活動の場も見させてもらうことになった。

今回はマレーシア人ピアニスト,John Dip Silasがリーダーを務めるNewSoundというバンドのライブであったが,基本的にメンバーのオリジナルを演奏するコンテンポラリー・ジャズ・バンドによる演奏であった。まずは場所のAlexisであるが,写真の通り,結構こじゃれたイタリアン・レストランでライブをやるというヴェニューであった。ライブは金曜,土曜の開催が基本で,月曜日にはジャム・セッションをやっているようである。

そしてこのNewSoundというバンドであるが,サックス2本をフロントに,ピアノ,ギター,ベース,ドラムスから成るセクステットである。演奏するオリジナルの中にはBrad Mehldauに捧げた曲もあったし,ギターはクリーンなサウンドで,Kurt Rosenwinkelのような演奏をし,曲の中にはややメカニカルな曲も含まれること等から,大体の音は想像して頂きたい。フュージョンではないが,決してコンベンショナルではない。そして変拍子も交える,まさに今風のコンテンポラリー・ジャズである。

演奏の冒頭から,なかなかドラムスがうまいねぇと思っていたのだが,やはり興味はフロントのサックスに向いてしまう。スコットランド出身のScott Murphyと,わが同僚,八木君の個性の違いがどう出るかというところであるが,正直に言ってしまえば,八木君のフレージングの引き出しの多さが際立っていたと言っておこう。オリジナルも提供していたMurphyは,ソロについては,2ndセットの最後の曲はなかなかよかったとは思うが,やや直線的なフレーズが多いように感じた。そういう意味では,仲間うちの贔屓ってところもあるかもしれないが,ソロに関しては八木君に軍配が上がる。

そして,リーダーのJohn Dip Silasは,非常に高いソロの技量を聞かせていたが,彼らのサウンドであれば,何曲かエレピを使っても面白いと思えた。ただ,ソロのフレージングはいろいろなミュージシャンを研究,吸収しているところが強く感じられた。ギターのHor Chee Seng,ベースのIcco Elnoelにもソロ・スペースが結構与えられていたが,ギターはレパートリーを考えれば,もう少しエフェクターをうまく使ってもいいように思えたが,こういうスタイルが彼のやり方ということだろう。ただ,もう少しフレージングの文脈を増やしてもいいように思っていたというのが正直な感想である。ドラムスのTerrence Lingは,うまいのは事実だが,切れ味を発揮する曲と,必ずしもそうでもない曲が分かれるように思えた。しかし,全体を通して聞けば,非常にレベルの高いバンドであることは間違いないところである。

私は私で,現場で飲み過ぎて,最後は珍しく呂律が回らないような状態に陥っているのを自覚していたが,それは演奏(及びその他の要素:謎)を楽しませてもらったことの裏返しということにしておこう。

Live at Alexis, Kuala Lumpur, Malaysia on June 23, 2017

Personnel: <NewSound> John Dip Silas(p),八木敬之(ts, ss), Scott Murphy(ts), Hor Chee Seng(g), Icco Elnoel(b), Terrence Ling(ds)

2017年6月21日 (水)

続・中年音楽狂 in シンガポール

Img_6315_2

こちらでは多忙でブログにも投稿できないでいるが,現地のオフィスの展望デッキからの写真で雰囲気をおすそ分け。正直欄干が低く,高所恐怖症には厳しい作りなのが笑えた。何れにしてもバテバテの私である。


2017年6月18日 (日)

中年音楽狂 in シンガポール

Img_6313

出張でシンガポールにやって来た。チャンギに着いた時は熱帯的スコールみたいな大雨だったが,そんな中,現地の友人と行ったのがなぜかギリシャ料理(笑)。しかし,素材を活かすところは日本人にも受けるかも。写真はラム・チョップだが,大変美味かった。

そうは言っても移動の疲れも出そうなのでさっさと寝よう。


2017年6月17日 (土)

バテバテの中年音楽狂。その一方で役得も...。

Photo_2

ここのところ,出張やプレゼン機会(昨日なんか福岡から戻って,プレゼンのダブル・ヘッダーであった)が続いていて,ブログの記事を書く余裕もない状態が続いていた。今日はようやく自宅にいるわけだが,明日からの海外出張に向けた資料の準備に追われているような状態なのだ。日頃の仕事がオーガナイズできていないことの証であるが,まぁこういうこともあるってことで。明日からはシンガポール~マレーシアと回るのだが,ますますブログに記事をアップする余裕がなくなること必定である。

そんな多忙な生活を送っている私だが,先日も盛岡での鴨すきの写真をアップしたが,今度は大分に行ったので,城下鰈である。冬はふぐだが,夏場は城下鰈ってことで,今回は刺身の写真だけだが,やっぱりうまいねぇ。当然酒量も増え,仕事の時はヘロヘロという体たらくではあったが,出張者の役得ってことで。

しかし,国内の移動と言っても,それが続くとボディ・ブロウのように効いてくるのだ。さすがに今日の朝はゴルフの練習に行こうなんて気力もわかなかった。やっぱり歳だな(苦笑)。

2017年6月14日 (水)

ある意味,これがVanguardでのライブというのが信じがたい"Small Town"

"Small Town" Bill Frisell & Thomas Morgan(ECM)

Small_town今年になってから,私はBill FrisellはCharles Lloydとのライブで,そしてThomas MorganはJokob Broとのライブで,その生演奏に接している。ビルフリについては長年の経験則からして,だいたいどういう音だろうというのは想像がつくし,Thomas Morganのあの超内省的な感じ(本当に内気な青年って感じなのである)からすれば,インティメートな音場になることはわかっていた。

しかし,本作が録音されたのは,モダン・ジャズの聖地と言ってよい,あのVillage Vanguardである。あまりこうした演奏には接するチャンスがある場所だとは思えないのだが,そういう場所でこういう演奏が行われたということがまず驚きである。

だが,このアルバムを聞いていると,彼らの演奏にはマジカルな部分があって,聴衆を誘因する特殊なケミストリーを発生させているようにさえ思える。ギターとベースというデュオというセッティングにおいて,非常に特異な個性に満ちた演奏と言うことができるアルバムだと思える。だって,Jim Hall~Red MitchellやJim Hall~Ron Carterとは違うし,Charlie Haden~Christian Escoudeとも違う。ではBebo Ferra~Paulino Dalla Portaとはどうかというと,内省的な響きは類似していても,やっぱり違うのである。彼らにしか出せない音。まさにそんな感じだろう。"Subconscious Lee"なんて,まさにツボに入る演奏である。

ビルフリの音は想定通りであるが,ここでのThomas Morganのベースの音がなんと魅力的に録音されていることよ。レコーディング・エンジニアの記載がないが,これをミキシングだけでこの音に仕上げたとすれば,それはそれで凄いことである。

前半はJakob Broにも通じる幽玄な世界が展開されるが,中盤から後半にはやや最近のビルフリに感じられるアメリカーナな感覚もあり,全体としてはバランスの取れたアルバムと言ってよいだろう。だって,やっているのがCarter FamilyやらFats DominoではいくらビルフリとThomas Morganでも多少はそうなるわねぇ(苦笑)。そして最後はなんと"Goldfinger"である。Shirley Basseyのオリジナルとは全く違う世界が展開する。万人には勧めにくいが,この世界,はまるとなかなか抜けられない。そういう世界である。星★★★★☆。

Jakob_bro_i_mosaicいかにThomas Morganが内気っぽいかを見て頂くため,Jakob Broとのライブ時の写真を再掲しておこう。いつも通り,私の顔はモザイク付きである。

Recorded Live at the Village Vanguard in March 2016

Personnel: Bill Frisell(g), Thomas Morgan(b)

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