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2015年2月 1日 (日)

ジャケのセンスは最悪だが,音は想定通りのVirgil Donatiの旧譜。

Just_add_water "Just Add Water" Virgil Donati(Thunder Drum)

ネット・サーフィンをしていて,存在を認知していたアルバムだが,キモはScott HendersonがVirgil Donatiとやるとどうなるかってことだった。と言っても,アルバムは廃盤のようだし,存在だけを知っていればいいやって感じだったのだが,あった,あった,中古盤屋に(笑)。正直言って,このジャケなので,購買意欲は全く高まらないのだが,メンツの魅力に負けた私であった(爆)。安かったし。

それでもって,出てくる音はこちらの予想通りである。Virgil Donatiについては,私はこのブログにおいて彼の"In This Life"を「完全にロックだ」と書いた(記事はこちら)が,本作においてはロックというよりも,テクニカルなファンク・フュージョンって感じが強い。そして,Scott Hendersonがトリオという編成において,魅力的なギターを聞かせていて,ファンとしては嬉しい作品である。ベースのRic FierabracciもDave Weckl等との共演歴もある人であるから,バンドとしての相性は何の問題もない。

これがリハーサルなしのジャム・セッションをレコーディングしたものというのが凄いが,これぐらいのミュージシャンが集まれば,この程度の仕事はできてしまうってことか。これでジャケを何とかしてくれれば,尚よかったが,音としてはこの手の音楽が好きな私ゆえ,評価も甘くなり星★★★★☆。ちょいとドラムス・ソロが多いかなぁって気もするが,まぁリーダーだから...(笑)。

それにしても,エンジニアリングをT.J. Helmerich,デジタル編集をBret Garsedがやっているってところに,「類は友を呼ぶ」感が表れているなぁ。

Recorded on December 22, 1996

Personnel: Virgil Donati(ds), Scott Henderson(g), Ric Fierabacci(b)

2015年1月31日 (土)

Mole:直感を信じて購入したアルバムだが,これは微妙。

Mole_rgb "RGB" Mole(RareNoise Records)

これはどこかのショップのサイトで見て,ジャケの雰囲気やらも含めて,何となく気になっていたものである。そして,ネットでちょっと試聴してみて,あぁこれならよさそうだなぁという直感に基づいて購入したのだが,これが若干微妙である。必ずしも直感は正しく機能しないというのは当たり前のことだが,音楽としては悪くないとは思う。私にとって,このアルバムで誤算だったのは,音があまりよろしくないということである。この音ではトリオ編成による演奏のニュアンスが伝わらないのが痛い。私は音質がどうこうで,音楽を評価するタイプではないが,意図的にローファイにしているのかと言いたくなるようなくぐもった音のように思えて,おい,おいとなってしまうのだ。

Moleというバンドはメキシコ出身のピアニスト,Mark Aanderudと,アルゼンチン出身で,現在はメキシコ在住のドラマー,Hernan Hechtから構成され,デュオで演奏することもあれば,今回のようにゲストを迎えてトリオ,あるいはクァルテットでも演奏をすることもあるようである。そして,今回彼らに加わっているのが武石務(Stomu Takeishi)である。武石務はエレクトリック・ベース,かつMoleの二人もエレクトロニクスを使うということで,まぁ普通のピアノ・トリオの演奏になる訳はないのだが,いかにもという感じの変拍子満載の,超現代的なトリオと言ってよいように思う。

音楽としてはアンビエント的なものから,ハードなものまであって,この手の音が好きなリスナーにはOKと思える演奏だと思うのだが,新しいアルバムなのに,なぜこの程度の音でしか録れなかったのかというのがそこが残念である。冒頭の"Sub-All"からして,そうした音の問題を感じさせてしまうので,聞き進めるモチベーションが高まらないのである。せっかくいけている音楽を作っているのだから,もう少し音にもこだわりを持ってもよかったのではないか。後半の曲は比較的音は改善するように聞こえても,第一印象が悪いのはいかんともしがたい。だからこそもったいないのである。ということで,星★★★。

ところで,2曲目の"Reasons"という曲は,どこかで聞いたようなメロディ・ラインを持つのだが,それが何なのか,どうしても思い出せない。やっぱり年だなぁ(苦笑)。

Personnel: Mark Aanderud(p, key, electronics), Hernan Hecht(ds, electronics, effects), 武石務(b)

2015年1月30日 (金)

Antonio Sanchezによる話題の映画音楽

Birdman "Birdman or (the Unexpected Virtue of Ignorance): Original Soundtrack" Antonio Sanchez (Milan)

今年のオスカーの有力候補となっている「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のサウンドトラックである。この映画,実はこのAntonio Sanchezによるオリジナルのドラムス・スコアも相当話題となっている。なぜならば,全てが基本的にSanchezによるドラムス・ソロで構成されているからである。但し,この作品,一部にクラシックの音源を使っているからという理由で,オスカーのノミネーション対象から外されてしまったことに,アカデミーの保守性が表れていると批判を浴びている。しかし,映画の中でどういう風に使われたのかはわからないが,Sanchezのソロは30分弱に及んでおり,映画との合致度はわからないとしても,オリジナルのスコアとして評価してもよかったのではないかと思えるものである。

だが,ここで展開されるSanchezのドラムスを聞いていると,非常に音楽的なものであると感じられる。鋭い切れ味はいつも通りだが,若干のシンセ音(?)以外はドラムスだけだというのに,ついつい引き込まれてしまう魅力がある。ドラムス・ソロでアルバムを作ってしまったのはMax Roachぐらいのものだと思うが,そうした領域に挑んだと言ってよい力作。

正確な評価は映画を見てからしかできないとしても,これが一聴に値する作品であることには私としては何ら疑念がない。アルバム後半に収められたクラシック曲はここで評価する必要はないと思うので,あくまでもSanchezのオリジナル部分についてということになるが,彼のチャレンジする姿勢と,ミュージシャンシップが如実に出た作品と思う。

これは単体ではそれほど売れるアルバムではないであろうこともあるし,これをオスカーのノミネーションからはずしたアカデミーへの批判もこめて,星★★★★★としてしまおう。本当に立派な仕事だと思う。尚,ご参考までに,YouTubeを検索してもらえば,ここでのSanchezの音源を全部聞くことができるので,興味のある方はどうぞ。

Personnel: Antonio Sanchez(ds)

2015年1月29日 (木)

今夜は限界...

今夜も仕事の後,飲みに行ってしまい,本来書くべきはずの記事は先送り。ってことで,またサボってしまう私である。反省します。

2015年1月28日 (水)

素通りしていたSteve Reichの新作

Reich_radio_rewrite "Radio Rewrite" Steve Reich(Nonesuch)

本作は昨年の9月にリリースされていたようだが,全く私が意識していなかったものである。日頃からReich好きだなんて言っている割には,この体たらく!と言われても仕方がない。まぁ,国内盤はこれからリリースのはずなので,新譜としてもよかろう(と開き直る)。今回は,何と言っても,タイトル・トラックがRadioheadの曲をモチーフにしているということが話題になるだろうが,それに加えて,冒頭にはそのRadioheadのJohnny Greenwoodによる"Electric Counterpoint"が収められていることも注目に値する。

そもそも"Electric Counterpoint"はPat Methenyによって初演されたものであるが,それがギタリストが変わるとどう変化するのかに興味が湧く。やはりロック界からのJohnny Greenwoodだけにギターの音がソリッドな感じが強く,個性の違いは出るものだなぁとついつい思ってしまう。

それに続く"Piano Counterpoint"は旧作"Six Pianos"をVincent Corverという人が,ピアノの多重録音に編曲したものであるが,これがReichらしいピアノのつづれ織りのような音がして,ついついうっとりしてしまった私である。多重録音という意味では"Electric Counterpoint"のピアノ版のような趣もある。

そして,これらの旧作(及び旧作のアレンジ)に加えて発表されたのが,タイトル・トラックである。ライナーによれば,RadioheadはSteve Reichの影響を受けたとのことだが,私が彼らのちゃんとした聞き手ではないということがあったとしても,こうした指摘には「へぇ~」としか言えなかった。元ネタは"Fast"パートが"Jigsaw Falling into Place"("In Rainbows"所収),"Slow"パートが"Everything in Its Right Place"("Kid A"所収)だそうである。これはちゃんとRadioheadの演奏も聞き直してみなければと思ってしまう私である。

Reichはこの曲に関して,「曲に『ヴァリエーション』をつける意図はなく,曲に秘められたハーモニーや,メロディの断片を引き出し,自作の中に入れ込む」(私の拙訳御免)ことを図ったと書いている。そう言われれば,尚更オリジナルをちゃんと聞かなければならないと感じる。曲はエレクトリック・ベースも入っていることもあって,いつものReichよりもポップな感じがするし,ヴァイブの音を聞いていると,Gary Burtonがこういう曲をやるのもありではないかと思えるような曲調である。いずれにしても,ReichはどうやってもReichなのだが,私にとっては何とも心地よい音楽である。好きな音楽にはついつい点も甘くなり,星★★★★★。やっぱりReichはええですわ~(笑)。

Personnel: Johnny Greenwood(g), Vicky Chow(p), Alarm Will Sound<Alan Pierson(cond), Erin Lesser(fl), Elisabeth Stimpert(cl), Chris Thompson(vib), Matt Smallcomb(vib), John Orfe(p), Michael Harley(p), Courtney Orlando(vln), Caleb Burhans(vln), Nathan Schram(vla), Stefan Freund(cello), Miles Brown(el-b)

2015年1月27日 (火)

ジャズ不毛の地(?),フィンランドからの快作(笑)

Aki_rissanen_jussi_lehtonen_quartet "Aki Rissanen// Jussi Lehtonen Quartet with Dave Liebman"(Ozella)

フィンランドと言えば北欧である。ジャズ界において,北欧と言えば,ノルウェーかスウェーデンと相場が決まっていて,正直フィンランドの影はこの2カ国と比べると,相当薄いというのが実態だろう。ノルウェーやスウェーデンは北欧と言っても,これまたジャズの盛んなデンマークと海峡をはさんで近い距離にあるが,フィンランドは昔で言えば東欧文化圏に属していたと考えれば,まぁ仕方がないことなのかもしれない。よって,このアルバムに参加した現地のミュージシャンについても,名前も聞いたことがない。

そのような私が,このアルバムを買うに至った理由は,偏にDave Liebmanである。毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2において,マスターから紹介されて(煽られて?)購入したものである。なんせフィンランド盤なので,一旦買い逃すと,次はいつ買えるかわからないという危惧があったのも事実であり,仕事帰りに新宿に立ち寄ってゲットしたものである(残っていてよかったわ~)。

オープニングから,動的なイントロが聞こえてきて,そこにLiebmanのソプラノが切れ込むさまはなかなかよい。こういうのを聞くと,こっちが知らないだけで,世界にはいろいろなミュージシャンがいるのだなと思わせる(当たり前だが...)が,音楽的には少なくともノルウェーの感じとは異なるし,スウェーデンとも異なるように思える。私の感覚では,やや先鋭性を感じさせるノルウェー,暖かさを感じさせるスウェーデンって感じなのだが,ここでの音楽はスウェーデン寄りながら,よりハイブラウでダークなアプローチと言ってもいいかもしれない。まぁ,それはDave Liebmanが持ち込んだトーンかもしれないが,なかなかフィンランドも侮れないと思わせるに十分である。

そして,このアルバムを聞いていて,私はLiebmanのテナーの好調さをより顕著に感じてしまったのだが,それはソプラノがいけていないということでは決してない。テナーが殊更いいので,3曲目の"Internal Affairs"で出てくるLiebmanのテナーに,ついつい耳を奪われてしまった私である。4曲目"Point Marie"で聞かせるテナーによるバラッド表現もこれまた素晴らしい。8曲目"In the Corner"のテナーなんて,完全にColtrane化しているしなぁ。う~む,Liebman,絶好調ではないか。フリー的なアプローチが強まっても変わらないってのも凄いねぇ。Dave Liebmanは多作であるが,全編ゲストとしてワンホーンで通すというのもなかなかない中で,本作はこっちの期待に応えてくれた演奏だと言ってよい。私としてはLiebmanにはこういう感じでどんどんやって欲しいなぁと思っているのだが,とにかくフットワーク軽いからなぁ(苦笑)。

いずれにしても,私がフィンランドのジャズに触れる機会を作ってくれただけでも価値があったと思わせる一枚。主題の「不毛の地」は取り消させて頂こう。フィンランドの皆さん,大変失礼しました。まぁ,もう少しLiebmanが煽られるぐらいでもいいような気がするが,それは望み過ぎか?ってことで星★★★★。それにしても,ベースがいい音を出していると思うのは私だけ?

Recorded on April 25 & 26, 2013

Personnel: Aki Rissanen(p), Jussi Lehtonen(ds), Jori Huhtala(b), Dave Liebman(ts, ss, wooden-fl)

ちなみに,ネットに彼らのライブの映像があったので,貼り付けておこう。まぁ,こういう雰囲気ってことで。

2015年1月26日 (月)

昨日の山下洋輔に続いて,今度は坂田明だ!

Pochi "POCHI" 坂田明トリオ(Better Days/日本コロムビア)

昨日,山下洋輔トリオ+1の復刻盤を取り上げたばかりだが,今日は同じシリーズで出た本作である。私は以前,本作と同じメンツで録音された"Dance"というLPを保有していたはずだが,とうの昔に売り払ってしまい,手許にはもうない。だが,大学1年の時だったと思うが,西荻窪の「アケタの店」で見た彼らのライブはよく覚えている。1stでは聴衆が結構おとなしかったので,2ndでは先輩と私で結託して「盛り上げ」モードに入ったことも懐かしい。そう言えば,"Dance"に収録された「ラジオのように」もやっていたはずである。

それはさておきであるが,本作は坂田明が山下トリオから独立して結成した自己のトリオのデビュー・ライブ・ツアーからの実況盤である。そもそも坂田明も山下洋輔トリオ出身ということもあり,フリーでありながら小難しい感じがしないところが大変よい。坂田明は多作だし,正直昨今の動向まではフォローできていない私だが,山下トリオ独立後のこの頃の坂田は,越境型ミュージシャンのはしりみたいな活動ぶりだったのも懐かしい限りである。

そうした越境型の活動の中で,このトリオはそのボトムラインを構成するものであり,坂田の本質的な部分はこのトリオでの演奏に最もよく出ていたように感じるのは私だけだろうか。私は本作を聞いたのは今回が初めてであったが,吉野,藤井という有能なリズム・セクションを得て,坂田がこちらの期待する吹きっぷりを聞かせていて嬉しくなってしまう。ワン・パターンと言われようがなんだろうが,いいものはいいのである(きっぱり)。

山下洋輔同様,今の時代のリスナーにこの音楽がどのように受け容れられるのかはよくわからないが,私にとっては前後に身をよじりたくなる音楽(笑:わかる人にだけわかってもらえばよい)であり,山下洋輔同様,私にはある意味爽快感をもたらす音楽である。LP時代の収録時間の限界もあり,一部フェード・アウトやフェード・インっぽいところがあるのは残念だが,これもカタログに残しておいてもらいたいという希望も含めて星★★★★☆にしてしまおう。こうなったら,"Dance"も最近流行りの1,000円シリーズで再発してくれないかな。ついでに言っておくと,山下トリオ+1も本作も,もう少し廉価がよかったなぁ,日本コロムビアはん(爆)。

尚,ジャケは本当にアルトを吹く坂田明のレントゲン写真だそうだ。笑えるねぇ。

Recorded Live in August, 1980

Personnel: 坂田明(as, a-cl),吉野弘志(b),藤井信雄(ds)

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