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2017年おすすめ作

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2019年12月 8日 (日)

Amazon Primeで「ランボー」を見た。

Photo_20191204204501 「ランボー("First Blood")」(’82,米,Orion)

監督:Ted Kotcheff

出演:Sylvester Stallone,Richard Crenna,Brian Dennehy,Jack Starrett

この映画を見たのは生まれてこの方初めてのことである。Sylvester Stalloneの映画は「ロッキー」のシリーズ以外は大して見ていないので,これも見てなくてもまぁしょうがないってところか。縁がないのである。

この映画,アクション映画ではあるが,ベトナム帰還兵のトラウマも描いているところが,普通のアクション映画と違うところ。この映画におけるSylvester Stalloneはいつもながらのマッチョだが,単なるマッチョではないところが異色と言えば異色。

そしてストーリーはこれほどの「理不尽」はなかろうというような映画である。そういうところもあって,この映画をかなり高く評価する人が多いようにも思うが,私から言わせると理不尽も度を越し過ぎってところか。まぁ,Sylvester Stallone版サバイバル・ゲームみたいな感じだが,1982年という製作年度を考えると,映像は相当シャビーな感じもあるし,カー・チェイスにしても,爆破シーンにしてもB級感たっぷりである。

ということで,見ている限りは別に腹も立たないってところか。とは言っても,続編を見たいという気持ちは湧いてきていないが...(笑)。ちょいと甘めの星★★★☆ってところ。

2019年12月 6日 (金)

超懐かしい!Quincy Jonesの「愛のコリーダ」。

_20191204-2"The Dude" Quincy Jones(A&M)

実に懐かしい。冒頭の「愛のコリーダ」という曲名だけで日本では売れてしまったような気もするが,このアルバム,実にいい曲が揃っている。中でも私としては"Just Once","Razzamatazz",そして"Velas"の3曲が飛び抜けて好きである。

James Ingramが歌う"Just Once"はBarry MannとSynthia Weillの名コンビが書いた本当の名曲である。私は大胆にもカラオケでこれを歌うことがあるが,そう簡単にはいかない(当たり前だ!)。曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子とはこれのことだ。"Razzamatazz"はPatti Austinがすばらしいノリで歌い,身体が勝手に動いてしまうこと必定。そして"Velas"である。Ivan Linsのこの曲をToots Thielemansのギター,口笛,ハーモニカでまるで歌うかのように演じている。このアルバムにおける唯一のインスト曲であるが,ここには歌はいらんと思わせるに十分。イントロからメイン・メロの流れはいつ聞いても感動してしまう。

と,ちょっと熱くなってしまったが,それ以外の曲も捨て曲はないと言ってもよい。もう1曲と言われれば"One Hundred Ways"を挙げるが,これに限らず,ナイスな曲揃いである。ただ,「愛のコリーダ」というアルバムの邦題がこのアルバムから私を若いころは遠ざけていたが,もっと早く聞いていれば,もっといい大人になっていたかもなぁ(爆)。結局,Quincy Jonesのアルバムにはやられてしまうということで,星★★★★☆。

それにしても,物凄いメンツが揃っている。パーソネルを眺めているだけで目がくらくらしてくる。あぁ,それって老眼のせい?ほっといてくれ!(爆)

Personnel:Quincy Jones(prod, arr, vo), Charles May(vo), James Ingram(vo), Patti Austin(vo), Jean "Toots" Thielemans(g, hca, whistle), Steve Lukather(g), Louis Johnson(b, clap), Abraham Laboriel(b), John Robinson(ds, clap), Paulinho DaCosta(perc), Herbie Hancock(el-p), Stevie Wonder(synth), David Foster(p, el-p), David 'Hawk' Wolinski(clavinet, synth, prog), Ian Underwood(synth, prog), Greg Phillinganes(synth, el-p, clap), Robbie Buchanan(synth), Lenny Castro(clap), Tom Bahler(vo), Jim Gilstrap(vo), Michael Jackson(vo), Syretta Wright(vo), LaLomie Washburn(vo), Yvonne Lewis(vo), Casey Cysick(vo), Jerry Hey(tp), Chuck Findley(tp), Bill Reichenbach(tb), Kim Hutchcroft(sax, fl), Ernie Watts(sax, fl), Larry Williams(sax, fl)

2019年12月 5日 (木)

実に久しぶりに聞いた「熱狂のコロシアム」

_20191204 "Tempest in the Colosseum" V.S.O.P The Quintet(Columbia)

「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」がまだ田園コロシアムで開催されている頃は,私は現場で演奏を聞いたことはないのだが,まぁあそこでやれば騒音問題は発生するよなぁって場所ではあった。その田園コロシアム時代にV.S.O.P.は2回出ている訳だが,2回ともライブ音源として残ったのは,今にして思えば実に素晴らしいことであった。本作を聞くのも実に久しぶりだが,やっぱりジャズ的な興奮は味合わせてくれる。

このメンツであるから,悪くなりようがないだろうと思ってしまうが,これは現場にいたら絶対燃えてしまうだろう。60年代Miles Davisクインテットから親分を抜いてFreddie Hubbardに代わるという布陣だが,HerbieとしてはMilesを復活させたいと思っていたと言われているものの,Milesがこういう音楽をやったか?あるいはFreddie Hubbardのように吹けたかと考えるとやっぱりそれは難しい。この当時はこのメンツだからよかったのである。

メンバー全員のオリジナルをやっているというところも結構好感度が上がる要因だとは思うが,冒頭の”The Eye of the Hurricane"からしてキレている。特にFreddie Hubbardの吹きっぷりが熱い。このバンドが熱狂を生む一番の要因はやっぱりFreddie Hubbardだったなぁなんてついつい思ってしまう。

このアルバムが,Herbie HancockのColumbiaボックスに含まれていたのが海外では初出だったっていうのも信じがたい事実だが,こういう演奏が東京で残されていてよかったねぇと改めて思う私である。まぁライブだけに相応の粗っぽさはあるものの,40年以上経過した今日でも楽しめてしまうところは,やはり評価しないといかんということで星★★★★☆。

Recorded Live at 田園コロシアム on July 23, 1977

Personnel: Herbie Hancock(p), Freddie Hubbard(tp, fl-h), Wayne Shorter(ts, ss), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)

2019年12月 4日 (水)

「ECM catalog 増補改訂版」:資料としては価値を認めるが,改訂ならちゃんと改訂すべきだ。

Ecm「ECM catalog 増補改訂版/50th Anniversary」稲岡邦彌 編著(東京キララ社)

ECMの40周年を記念して本作のオリジナルが発売されたのが2010年7月のことであった。それから約10年を経て,ECMも今年50周年を迎え増補改訂版が発売された。ページ数も940となり,更に分厚い書籍となった。それだけECMがレーベルとして歴史を重ね,更に数多くのアルバムをリリースしてきたことを思えば,実に感慨深いものがある。そして,アルバムをJAPOも含めてカヴァーしているということで,資料性には全く文句はない。

しかし,増補はいいとしても,改訂と言うならば,40周年記念版からの変化については,ちゃんと改めるべきではなかったか。例えば,私がたまたま目にしたところで言えば,ジョンアバとRalph Townerの"Five Years Later"は,Touchstoneシリーズとして後にCDとしてリリースされたにもかかわらず,前回同様「廃盤/未CD化」と表現されているのはどういうことか。せっかく改訂版を謳うならば,ちゃんと前回の記述も一度見直すべきだったというのが本来の「改訂」であろう。その辺りに私は画竜点睛を欠くと言いたくなってしまうのだ。ライター自身に依頼できないのであれば,編著者としての稲岡邦彌が責任を持って加筆なり,修正なり,コメントを加えるなりをするというのが筋だろう。

もちろん,ECMレーベルのファンはこの本を眺めながら,次に何を購入すべきかと考える楽しみを与えてくれるものであることは間違いないのだが,私はこれでは本質的な「改訂」と言えないという思いが強い。ついでにこの本にもう一つ文句を言っておくと,帯には「今世紀最後の完全カタログ」とあるが,なぜ「今世紀最後」と言えるのか?まだ21世紀は80年以上あるし,ECMの歴史はこれからも脈々と続いていくはずだが,もう改訂は絶対しないということであれば,それはそれでよかろう。だが,日本にせよ,ほかの国にせよ同様の書籍が発売される可能性が残っている中での,この「今世紀最後の完全カタログ」という過剰な表現には,強烈な違和感をおぼえると言っておこう。

この労作をまとめ上げた稲岡邦彌からすれば,私の言い分などイチャモンと思われても仕方がないところではあるが,こういうところを看過したのは,正直言って出版社の担当者の責任が大きい。そうした点で評価を下げて,初版より半星減らして星★★★。なんかやっぱり納得いかないんだよなぁ。

2019年12月 2日 (月)

凄いメンツが揃ったMarianne Faithfulのライブ盤。

_20191201-2 "Blazing Away" Marianne Faithful(Island)

私がNYCの在住中に購入したアルバム。本作が出たのが1990年だったが,何と渋くも強烈なアルバムなのかと思った記憶がある。

ライブ・レコーディングされたのはブルックリンにあるSt. Anne's Holy Trinity Churchという教会で,冒頭こそ荘厳な雰囲気さえ感じさせるが,そこから徐々にリズムが強化されていくここでの流れにはぞくぞくさせられた。なかなか個性的なアルバムなので,そんなにしょっちゅう聞くアルバムではないのだが,久しぶりに聞いてみて,キャスティングの妙も含めて,プロデューサーのHal Wilnerの慧眼というものを感じさせる出来であった。

タイトル・トラックのみがスタジオ録音という変則的なライブであるが,ここに集まったミュージシャンが今にしてみれば凄い。The BandのGarth HudsonがMarc Ribotと共演って誰が思いつくだろうか?彼らを含む超優秀なバックに支えられて歌うMarrianne Faithfulの声は,ある意味ダミ声のような感じで好き嫌いはわかれるかもしれないが,これはヴォーカルと演奏が一体となったトータルなアルバムとして聞かれるべきものと思っている。

Blazing-awayそれにしても,この教会の美しいステンドグラスの下で繰り広げられる演奏は,視覚的にも素晴らしいものであったであろうと想像させる。このアルバム,映像版もあったのだが,何とマスター・テープを紛失したことにより,DVD化は困難となってしまったという体たらくは,右の写真を見ると惜しいと言わざるをえない。まぁ,Marianne Faithfulも合意の上で,YouTubeにはVHSテープ起こしの映像が上がっているので,見られないことはないのだが,やっぱり惜しい。

私がこれを聞くのも実に久しぶりのことなのだが,曲はMarianne Faithfulの代表的な曲揃いでもあり,実に素晴らしいアルバムであったことを改めて認識させられた傑作。星★★★★★。

Recorded Live at St. Anne's Cathedral on November 25 & 26 and at RPM Studios in September, 1989

Personnel: Marianne Faithful(vo), Douge Bowne(ds), Garth Hudson(key, accor), Mac Rebenack(Dr. John, p, g), Barry Reynolds(g, vo), Marc Ribot(g), Fernando Saunders(b, vo), Lew Soloff(tp, fl-h) with Don Alias(perc), Charlie Dreyton(ds), Kevin Savangar(ds), Gib Wharton(pedal steel)

2019年12月 1日 (日)

何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまうってのが凄い"Taxi"。

_20191201 "Taxi" Bryan Ferry (Virgin)

師走に入って,今年を回顧し始めると,3月に行ったBryan Ferryのライブは楽しかったなぁなんて思っていて,取り出したのがこのアルバムである。Bryan Ferryのオリジナルは1局のみで,基本的にカヴァー・アルバムなのだが,主題の通り,何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまっている。これがミュージシャンの個性ってところであるが,実に心地よく聞けるアルバムである。

レパートリーは多岐に渡っているが,"Will You Still Love Me Tomorrow"や"Amazing Grace"のような曲に混じって,ソウル系の曲も含まれているのだが,ソウルの「黒さ」みたいなのは皆無と言ってよい。それをよしとするか否かがリスナーの趣味ってことになるだろうが,私のようなBryan Ferry好きには全然問題ない(笑)。オリジナルのソウル的な響きを期待するのではなく,Bryan Ferryによる「翻案」を楽しめばいいと思ってしまう。その他の曲もBryan Ferry版のいい意味での「ムード歌謡」みたいなものである。

まさにこの人にしか出せない世界。来年の2月には1974年のRoyal Albert Hallでの初ソロ・ツアーの音源がリリースされる予定だが,また買っちゃうよなぁ(笑)。この人の音楽は新味はなくとも本当に安心して聞いていられる,ってことで星★★★★。

ところで,すっかり失念していたのだが,私はこのアルバムに関して2年前ぐらいに記事を書いていて,ほとんどトーンが変わらないってのが笑える(記事はこちら)。

Personnel: Bryan Ferry(vo, p, synth, org), Carleen Anderson(vo), Robin Trower(g), Neil Hubbard(g), David Williams(g), Michael Brook(g), Greg Phillinganes(vib, synth), Chris Stainton(org), David Sancious(org), Flaco Jimenez(accor), Nathan East(b), Steve Pearce(b), Steve Ferrone(ds), Andy Newmark(ds), Mike Giles(ds), Luis Jardim(perc), Maceo Parker(as), Andy Mackey(as), Mel Collins(ts), Richard T. Norris(prog)

2019年11月29日 (金)

静かに時を過ごすには最適な音楽。

_20191128"Bach: Sonatas & Partitas" Hopkinson Smith(Astree/Naive)

このアルバムがリリースされたのが2000年ぐらいだと思うが,滅多に聞かない割に,聞きだすとやめられなくなってしまう音楽である。これはバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」をバロック・リュートで演奏したアルバムなのだが,これが実に落ち着く。もちろん,ヴァイオリンで聞いても極めて魅力的な曲であるが,リュート版は,時にヴァイオリンの音色に感じることのある尖った感じがないのだ。逆に言えば刺激が薄いと感じたり,鋭さを感じないと言うリスナーもいるだろうが,主題の通り,静かに時を過ごしたいと思う際には,これほどぴったり来る音楽はなかなかない。

思うに,音楽には刺激を求めることも多い私だが,その対極にあるような音楽も時には必要だということだ。このアルバムに多言は無用。ただただ音楽に身も心も委ねたいと思ってしまう。そして,これを聞くと,ヴァイオリン版も聞きたくなるという効果もあるのだ。この心地よさに星★★★★★。しかし,どうしてこれを買う気になったか,どのようにして買ったのかは全く覚えていない(苦笑)が,以前,銀座にあったHMVのクラシック・コーナーで買ったのではないかなぁ。

Recorded between September and November, 1999

Personnel: Hopkinson Smith(lute)

2019年11月28日 (木)

これを聞くのはいつ以来か?まさに短編小説集のような「時のないホテル」

_20191124-2_20191126153601「時のないホテル」松任谷由実(EMI)

ごくまれにこのブログに登場するYumingネタである(笑)。

主題の通りなのだが,私はこのアルバムをフルで聞いたのがいつ以来か全く記憶がない。Yumingのアルバムの中では比較的地味な位置づけにあると言ってもよいこのアルバムを久しぶりに聞いて,恐るべきストーリーが展開されていたことを改めて感じてしまった私である。まさにこれこそ音楽で描く短編小説と言えばよいだろうか。曲ごとに様々なストーリーが設定されていて,そこにミディアム・テンポの曲が被さるこのアルバムは,今にして思えば実によく出来ている。

確かにキャッチーな曲はないかもしれないが,そこかしこに聞かれるまさにユーミン節のようなメロディ・ラインを聞いていて,新たな感銘に浸っていた私である。ここに感じられるそこはかとない,あるいは明確な暗さは,人によっては抵抗があるかもしれないが,私のような元来ネクラの人間にとっては彼女の音楽世界に没入するには丁度いいぐらいだ。私としては長きに渡って聞かれるべき作品として改めて評価したい。星★★★★☆。私の保有するCDにはパーソネルが記載されていないので,情報はWikipediaから拝借。

Personnel: 松任谷由実(vo),松任谷正隆(key), 林立夫, 青山純, 渡嘉敷祐一(ds), 斎藤ノブ(perc), 高水健司, 後藤次利(b), 松原正樹, 鈴木茂, 今剛, 安田裕美(g), 吉川忠英(g, mandolin), Jake H. Conception, 斉藤清, 砂原俊三(sax), 衛藤幸雄(fl), 山田栄, 沖田晏宏(fr-h), 日色純一(vln), 杉真理, Lilica, Leona, Clara(vo), 松武秀樹(prog)

2019年11月27日 (水)

Amazon Primeで見たら意外に面白かった「ラスト・スタンド」

The-last-stand 「ラスト・スタンド("The Last Stand")」('13,米,Lions Gate)

監督:Kim Jee-woon

出演:Arnold Schwalzenegger,Johnnie Knoxville,Forest Whitaker, Luiz Gusman, Rodrigo Santoro,Eduardo Noriega

「ターミネーター」シリーズの新作はイマイチだったが,だったらArnold Schwalzeneggerの映画なんて見なきゃいいだろうという声も飛んできそうだが,私も懲りないというか,暇にまかせてAmazon Primeでこの映画を見た。すると予算は「ターミネーター:ニュー・フェイト」より圧倒的に低いはずにもかかわらず,そこそこ面白く見られるということで,こっちの方がいいのではないのかとさえ思ってしまった一本。

逃亡した死刑囚がコルベットZR-1というぶっ飛びマシンで街にやって来るって感じで,この辺は「真昼の決闘(”High Noon")」辺りへのオマージュ感が出た,舞台は現代でも,西部劇ライクなストーリー展開と言ってよい映画であった。もちろん,痺れるようなサスペンスを感じさせるわけではないのだが,まぁB級西部劇的に,ワルは徹底的にワルに描かれ,描写はマカロニ・ウェスタン的なところも感じられるし,アクション・シーンも特に転落シーンなどまさに西部劇的な部分を感じてしまう。最後の決闘シーンなんて,バックドロップか!みたいなプロレス的な格闘場面が見られ,笑ってしまいそうにもなるが,こういう映画ではそれでいいのだ(バカボンのパパ風)。

ここでのArnold Schwalzeneggerの役回りは,LAPDの麻薬捜査官を引退し,アリゾナの片田舎の保安官になっているって役どころなのだが,日頃は何もないような平穏な田舎でドンパチをやってしまうってのも笑える。それにしてもFBIのエージェントを演じるForest Whitakerはなんでお前はそんなにアホなのかみたいに敵役に裏ばかりかかれる役回りだが,よくあんな役を引き受けたよなぁとさえ思わせる。あれではオスカー俳優としての面汚しみたいな役だが,まぁいいか。

ということで,どこからどう見てもB級の香りがプンプンしてくるが,くだらねぇ~と思いつつ,単純に楽しめばいいやってことで星★★★☆。たまにはこういうシャビーな感覚もいいのよねぇ(笑)。

2019年11月25日 (月)

これは凄い!Lookout Farmの未発表ライブ音源。

_20191124”Lookout Farm at Onkel Pö's Carnegie Hall" Dave Liebman / Richie Beirach / Frank Tusa / Jeff Williams / Badal Roy (NDR Info)

未発表のライブ音源をリリースするこの"At Onkel Pö's Carnegie Hall"シリーズは,これまでもWoody ShawやらFreddie Hubbardのアルバムを当ブログで紹介してきたが,今回リリースされたのは何と,Lookout Farmである。今から10年以上前にこのブログで彼らのブートレッグを紹介したことがあるが,それも無茶苦茶燃える演奏だった(記事はこちら)のだが,今回発掘された演奏も実に強烈。凄いとしか言えない私の表現力の稚拙さを恨みたくなるような演奏なのだ。まずは皆さんに申し上げたい。買いましょう!(笑),あるいはストリーミングで聞きましょう!

冒頭の"Naponoch"のイントロからして私は金縛り状態だったと言ってもよいが,もはやフリー・ジャズ一歩手前と言ってもよいようなLiebmanのテナーにまず痺れる。家人がいないのをいいことに,ついついボリュームを上げた私である(爆)。続く"The Iguana's Ritual"のファンク・ビートに乗ったRichie Beirachのエレピを聞いて燃えなければ,この手の音楽と相性は悪いと言い切ってしまおう。もはやエグイと言ってもよいようなバンドのサウンドはリスナーを興奮させるに十分。これが時代の勢いと言うべきものかもしれないが,もの凄い爆発力である。そこからほぼLiebmanとBeirachのデュオで演じられる"I am a Fool to Want You"へと移行する,この動と静の転換の見事さに改めてゾクゾクさせられる。そして,ここでのLiebmanの無伴奏カデンツァの何と素晴らしいことよ。眼前でやられたら悶絶必至である。

それに続いてJohn Coltraneの"Your Lady"へなだれ込むのだが,Frank Tusaのベース・ソロは増幅感が強過ぎるが,このバンドにおいてはこれぐらいでないとサウンド的に対抗できないってことにしておこう。ここでのBeirachのエレピでのソロの部分は,ちょっとReturn to Forever的なところも感じさせるが,それもRhodesの音色ゆえか。最後に"Fireflies"で締めるこの時のプログラム,最高である。ファンクとロックが相俟ったようなサウンドに最後まで興奮が収まらないではないか。一瞬たりとも弛緩する瞬間がないこのアルバム,やはり音量を上げて聞くべきだ。

それにしても,何という破壊力。聴衆の反応もむべなるかな。LiebmanとBeirachの共演はまだQuestで聞けるが,このバンドのライブを見てみたかったというのももはや見果てぬ夢であるが,こうして40年以上の時を経て,改めて音源として振り返ることができる私たちは幸せである。この音源がリリースされたことには最大限の賛辞を送りたい。星★★★★★。いやぁ,まじで燃えた。私としてはこれをJohn Coltraneの"Blue World"さえ凌駕する,今年最高の発掘作とせざるをえないな。

Recorded Live at Onkel Pö's Carnegie Hall on June 6, 1975

いPersonnel: Dave Liebman(ts, ss, fl, perc), Richie Beirach(p, el-p), Frank Tusa(b), Jeff Williams(ds), Badal Roy(perc)

2019年11月24日 (日)

なんだかんだ言ってまた「ターミネーター」シリーズを見てしまう私。

Terminator-dark-fate 「ターミネーター:ニュー・フェイト("Terminator: Dark Fate")」('19,米/西/ハンガリー,Fox/Paramount)

監督:Tim Miller

出演:Linda Hamilton, Arnold Schwalzenegger, Mackenzie Davis, Natalia Reyes, Gabriel Luna

私も好きだなぁと思ってしまうが,なんだかんだ言って,私はこのシリーズ,全作を見ている。徐々にストーリーに無理が出てきてしまうのはシリーズものの難点であるが,本作はJames Cameronが"T-2"の正当な続編と位置付けているそうである。だったら今までのシリーズは何だったんじゃい?と言いたくなるが,完全に"T-2"と"T-3"の関連性をリセットしてしまって,新しいストーリーを展開しているのだ。"T-3"にはLinda Hamiltonは出演していなかったから,James Cameronにとっては前妻Linda Hamilton演じるSarah Connorがこのストーリーには欠かせないというところだったのだろう。

"T-2"の後の本作の展開はネタバレになるので,詳しく書くことが憚られるが,Arnold Schwalzeneggerのここでの役回りは一体どうなのよ?と言いたくなる人も多いだろう。まぁ,本作の主役はLinda Hamiltonであり,Natalia Reyesであり,Mackenzie Davisでありという女性陣3人ということだと言ってよいと思うので,まぁそれも仕方ないってところか。

アクション・シーンはド派手であるが,ちょっとやり過ぎって感じも強い。移動手段が車だ,ヘリだ,更には大型輸送機だってさすがに無茶苦茶だろう。ストーリーとしてはわからない訳ではないのだが,唐突感が否めない展開であることは間違いないから,オリジナルの持っていたチープな感じではありながら,そこはかとなく感じられるサスペンスみたいなものがここでは弱体化してしまっているのが残念としか言いようがない。逆に言うと私はそういう感覚をこのシリーズに求めて続けているのかも知れないが(苦笑)。

おそらくはこれにてこのシリーズも打ち止めということだろうが,相変わらずのLinda Hamiltonを見られたのはよかったとしても,イマイチ感はぬぐえないそういう映画である。星★★★。

2019年11月23日 (土)

まさに三位一体:"Good Hope"。

_20191123"Good Hope" Dave Holland / Zakir Hussain / Chris Potter(Edition)

記事にするのが遅く成ってしまったが,またの名をCCrosscurrents Trioという3人による待望のアルバムである。Dave HollandとクリポタはHolland Quintetの時代から長きに渡って共演を続ける仲であるが,そこにタブラのZakir Hussainが加わるという異色と言えば異色な編成による演奏がどうなるかは実に興味深いものがあった。

結論から言えば,"Crosscurrents"というトリオの名前と相反するような彼らの協調ぶりに思わず嬉しくなってしまう。"Crosscurrents"とは「相反する傾向」というような意味だが,そうした相反する要素が混じり合うことによって,最高の音楽を作り出してしまうことが彼らのミュージシャンとしてのレベルを示している。

ここでのクリポタは私が通常期待するイケイケなクリポタではない。しかし,どのようなフォーマットでも,個性を打ち出しながら素晴らしいフレージングを繰り出すクリポタは健在である。クリポタに限らず,このトリオの演奏は一聴地味だと思わせる部分があるの。だが,それはステレオタイプの「激しさ」がないからだという言い方もできようが,ここでの音楽はそういうタイプの音楽を目指していないのだから当たり前と言えば当たり前なのである。Dave Hollandの見事なベース,そしてZakir Hussainの名人芸のようなタブラに乗ったクリポタのテナー(及び一部ソプラノ)を聞いて,このトリオの力を再確認し,実に嬉しくなってしまった私であった。

タブラが入ることによって,インド的なフレイヴァーが強まるという想定も成り立つわけだが,ここにはそうした民族的な要素はほとんど出てこないと言ってよい。あらゆるジャズ・ファンには容易に受け入れ可能な音楽であると同時に,あらゆる音楽ファンにとっても聞かれるべき傑作と思う。三位一体を具現化したようなこの一体感,実に恐るべしである。星★★★★★。

Recorded on September 21 & 22, 2018

Personnel: Dave Holland(b), Zakir Hussain(tabla, kanjira, chanda, madal), Chris Potter(ts, ss)

2019年11月21日 (木)

アブストラクト度の更に高まったKeith Jarrettの2016年ライブ。

_20191119 ”Munich 2016" Keith Jarrett(ECM)

これはなかなか厳しい音楽である。Keith Jarrettの昨今のソロは,昔に比べるとかなり抽象度が高まったと言うか,ほとんど現代音楽的な感覚さえ与えるものとなっている。しかし,昨年出た"La Fenice"は録音時期が本作より10年も前ということもあるだろうし,場所柄ということもあって,もう少し聞き易い演奏だったと思う。それに比べると,この2016年のミュンヘンで録音された音源は,これはKeith Jarrettとピアノの対峙の瞬間を捉えた音源に思える。特に前半部はとにかくテンションが高く,実に厳しいのである。

ミュンヘンの聴衆たちは万雷の拍手を送っているが,私が会場にいたらどう思っていたかなんて想像をしてしまった。おそらくはこのテンションと音の厳しさによって,どっと疲れが出ていたのではないかと思えてならないのである。ここで奏でられる音楽は芸術として評価しなければならないのは承知していても,冒頭の2曲などはもはや孤高の世界に入り込み過ぎではないのかとさえ言いたくなる。

こうしたパターンは最近のKeith Jarrettのライブには共通しているが,やっぱりPart IIIあたりで美的な感覚を打ち出してきて,聴衆をほっとさせるのはある意味演出と言っても過言ではない。こうしたところに若干の反発を覚えるのは,私が天邪鬼なせいだが,やはり一定のパターンというものが出来上がってしまっているように思える。Part IVがフォーク・ロック的な感覚を打ち出すのもこれもお約束みたいなものだ。まぁ,Keithとしては,最初の2曲で集中力を高めておいて,徐々に聴衆に寄り添っていくって感じなのかもしれないが,こういう感じだが毎度続いてくると,もう出れば買うみたいなことは必要ないかなとさえ思ってしまうし,ストリーミングで十分って気もしてきてしまうのだ。

ディスク2に移行すると,多少聞き易さは増してくるのだが,不思議なことにこちらのディスクには聴衆の拍手が収められていない。なんでやねん?だが,聞き続けていると,結局多くのリスナーにとってはアンコール3曲が一番の聞きものになってしまうのではないかと皮肉な見方をしたくなる。今回やっているのは"Answer Me, My Love",そして"It's a Lonesome Old Town"という渋いチョイスに「虹の彼方に」であるが,これらは実に美しく,このためにライブを聞いているのだと言いたくなってしまっても仕方がないのである。完全即興から解放された感覚がこれらの演奏に表れると言ってもよいような,実にしみる演奏なのだ。

ということで,正直言って私はアンコール・ピースを集成したアルバムを出してもらった方がいいとさえ思ってしまう。もちろん,全体のクォリティの高いことは否定するものではないが,やっぱりこう同じような感じの演奏パターンを聞かされると,さすがに微妙だと感じてしまった。星★★★★。全体としては前作"La Fenice"の方が私の好みだな。

Recorded Live at Philharmonic Hall, Munich on July 16, 2016

Personnel: Keith Jarrett(p)

2019年11月20日 (水)

ワイト島のMiles Davis。超カッコいいねぇ。

_20191117-2 "Isle of Wight" Miles Davis (Columbia)

英国のワイト島におけるフェスティバルに関しては”Message to Love"という映像があり,その中にはMilesの演奏も”Call It Anything"という名前で編集された演奏が収められていたし,この時のMilesの映像は個別にも発売されていて,私も確か保有していたように思うのだが,どこにあるかさっぱりわからない(爆)。しかし,音源となると,正式にリリースされたのは,MilesのColumbiaボックスが初出のようである。ボックスの中では"Filmore"と"Live Evil"の間のディスク#39として格納されている。ということで,久々にそのボックスからこの時の演奏の模様のCDを引っ張り出してきた。

この当時のMilesバンドの演奏は,公式盤では編集を施されたものがほとんどだが,未編集の演奏は数多くのブートレッグで聞けるから,別に珍しいものでもない。よって,このアルバムは,ワイト島の演奏が音源として「公式に」リリースされたことにこそ意義があると言える。そして,このカッコよさ。ロックの世界を凌駕するインパクトを持っていると言っても過言ではない。

この時のメンツで珍しいのはGary Bartzぐらいだろうが,演奏の感じとしてはまさにいつものこの当時のMilesバンド。ジャケ写真のカッコよさも含めて文句のつけようはないわねぇ。問題があるとすれば,件のボックス以外で公式盤としてこれを入手する術がないってことか。まぁ,映像はYouTubeでいくらでも見られるので,それで補完はできるが...。いずれにしても,超カッコいいMiles Davisを浴びるのは至福の瞬間である。できれば大音量で浴びたい訳だが,家庭環境がそれを許さず...(苦笑)。

Recorded Live at the Isle of Wight Festival on August 29, 1970

Personnel: Miles Davis(tp), Gary Bartz(ss, as), Chick Corea(el-p), Keith Jarrett(org), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds), Airto Moreira(perc)

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