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2014年4月20日 (日)

「ネブラスカ」:なんと渋い映画か...

Nebraska 「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅("Nebraska")」('13,米,Paramount)

監督:Alexander Payne

出演:Bruce Dern,Will Forte,June Squibb,Bob Odenkirk,Stacy Keach

アップが遅れてしまったが,東京での公開が終了する前にということで,慌てて先週末に見に行った映画である。非常に高く評価されている作品だが,一言で言えば地味な映画である。ここまでゆったりした空気に接するというのはなかなかないが,白黒映画ながら,アメリカ中西部の原風景を見事に捉えた素晴らしいロード・ムービーであった。

ここで描かれるのは家族の姿である。バラバラになっていそうに見えながら,実はタイトに結びつきあっている家族の姿に単純に感動することもできれば,何のことはないアメリカの風景が,撮影によってこれほど魅力的に見えるのかと思わされることもある映画である。そして,この映画には結構泣かせるセリフやシーンがあるのだ。それが仰々しくないから,素直に感動できてしまう。

そして,ここでのBruce Dernの演技も見事なら,その妻を演じたJune Squibbも見事な助演ぶりである。本来なら演技賞ものだと思うが,真っ当に評価したのはカンヌの主演男優賞だけみたいなのは惜しい気がする。

地味ではあっても,見てよかったと思わせてくれる映画だったと思う。こういうのを優れた小品と言う。星★★★★☆。

2014年4月19日 (土)

ブートの焼き直しでも聞けて嬉しい1966年のJoni Mitchell

Joni_mitchell_second_fret_live "Live at the Second Fret 1966" Joni Mitchell(All Access)

ネットを見ていて,突然出会ったJoni Mitchellのメジャー・デビュー前の放送録音のCD化である。ここに収められた音源は既にブートレッグとしても発売されていたようなので,知っている人にとっては何を今更なのだろうが,私はJoniのブートまでは追い掛けていない(例外は83年の日本公演の模様のブートだけである)ので,こういう音源を見つけるとついつい手を出してしまう。

本作はテンプル大学のラジオ放送局WRTIの制作によるライブ音源で,もはや50年近く前の音源であるから,テープの状態は決してよくないが,それでも音としてはそれほど悪くはない。とにかく関心はアルバムを吹き込む前のJoniがどんな感じだったかということになるが,この時点で,もう変則チューニングを駆使しているし,後のアルバムに収録される曲も既に歌っている。だが,やはりその後のアルバムに収録されていない曲が聞けることが何よりも重要と考えてよい。この時,まだ23歳のJoniである。声はまだまだ瑞々しく,シンガー・ソングライターとしての魅力は十分である。何よりもいい曲を書いている。

そうは言っても,これはあくまでも記録として聞くべきものではあるが,1966年の段階で既に完成されたスタイルを持っていたというのが素晴らしい。やはり彼女は天才なのだ。"Urge for Going"がフェードアウトされている等の瑕疵もあり,万人にはお薦めできないが,聞いたことがないJoniファンの皆さんは是非。

Recorded Live at the Second Fret on November 17, 1966

Personnel: Joni Mitchell (vo, g)

2014年4月18日 (金)

無茶苦茶楽しかったEric Marienthal@Cotton Club‼︎

Em_band_and_us_2 先日Wayne Shorterのシリアスなライブに接したばかりの私だが,今回はガラッと変わってフュージョンの王道と言いたくなるようなEric Marienthalのバンドのライブに出掛けてきた。これがマジで楽しい,エンタテインメントとしてのライブを大いに満喫した私である。今回も「夜の部活」メイトの姫とご一緒したのだが,Wayne Shorterとのギャップが大きいこともあって,私としてはかなりのノリを示してしまったはずである。だが,そうなるのも当然と言うべき演奏だったのだから,私としては大満足である。

今回のライブでEric本人も言っていたが,日本には何度も来ていても,自分のバンドで来るのは今回が初めてということで,その嬉しさがヴィヴィッドに伝わってくるような好ライブであった。バンドの面子も上々,聴衆も好反応で,これなら本人たちも気持ちよくプレイできると思わせるものだった。それが,アフター・アワーズのサイン会にも出ていて,ベースのRon Jenkinsは不在だが,その他のメンツの機嫌のよさがこの写真からもわかるはずである。私も日頃は強面だとか言われているが,幸せそうに微笑んでいる(と言ってもモザイクが掛かっているのでわからないか...)。

今回のバンドはメンツに恵まれているというか,Sonny Emoryがタイトなドラムで屋台骨を支えつつ,その他のメンツも優れた演奏能力でリーダーのMarienthalを見事にバックアップしていたと思う。Marienthalも登場の仕方からして,力入ってるねぇという感じで,スポットライトを浴びるのは俺様だぜいという感じが何とも言えず微笑ましい。バンドとしても非常にまとまりがよく,これは盛り上がって当然だと思えた。

それにしても,Sonny Emoryの演奏しながらスティックをくるくる回す技術は,ほとんどシルク・ドゥ・ソレイユか!と言いたくなるような名人芸。サイン会の会場で私が真似をしたら,本人に受けていたのはご愛嬌である。

そして,Eric本人には,「去年はMetroで見た,そして今年は本人のバンドで見た。次はJeff Lorber Fusionで来てくれい」とリクエストをしておいた。最近,Sonny EmoryはJLFでも叩いているようなので,Sonnyも喜んでいたように思う。いずれにしても,上の写真での各人の表情が彼ら,そして私たちの満足度を何よりも雄弁に物語っているように思える。本当に音楽を聞いていて楽しいと思えた90分であった。プロだねぇ。部活メイトのお姫さまはきっと最終日に一人でも行くに違いないな(きっぱり)。

しかし,写真にはモザイクをかけたものの,縮小すると,結構リアルな表情に近く表示されちゃうなぁ。まぁいいや。

Live at Cotton Club on April 17, セカンド・セット

Personnel: Eric Marienthal(as, ss), Mitchel Forman(key), Tariqh Akoni (g), Ron Jenkins (b), Sonny Emory (ds)

2014年4月16日 (水)

Wayne Shorterライブ:凄いものを見てしまった...

Wayne_shorter_in_tokyo 私は長年,Wayne Shorterの音楽をきっちり聞いてきたつもりだし,相応にアルバムも保有している。しかも,昨年のジャズの最高作だと思ったアルバムはShorterの"Without a Net"なのだ。だが,ライブとなると1983年のLive Under the SkyでのWeather Report以来ではないかと思う。だからこそ,今年こそ彼のライブを見に行かなければならないと,このライブが告知された瞬間から思っていた。

ということで,今回目出度く久々のWayne Shorterのライブの場に立ち会うチャンスを得たわけだが,これが本当に凄かった。近年のアルバムはテンションがこんなに高くていいのかというようなものばかりなのだが,ライブも全然変わりがない。正直言って,こんなにテンションが高くては,やっている方も,聞いている方も疲れ果てるのではないかと思えるのだが,私は座席から彼らの表情を見ていたが,やっている音楽は無茶苦茶ハイブラウなのに,みんな笑っているのである。まず,このギャップに驚かされたが,そう思うのも当たり前だと言いたくなるようなシリアスな音楽の連続で,私は終わった瞬間ぐったりしてしまった。

彼らのやっている音楽は決してエンタテインメントではない(きっぱり)。だから,聞くには相応の覚悟と体力がいる。

ライブ冒頭のサウンドはもはや幽玄とでも言うべき世界で,これは「能」に相通ずるなんて思っていた私である。だが,徐々に熱を帯びてくる演奏の中で,4人のプレイヤーがそれぞれの特性を十分に発揮していたと思えるが,特に私の印象に残ったのはBrian Bladeのドラミングであった。Bladeのドラミングは伴奏の域をはるかに越え,演奏にメリハリをつける切れ味のよい合いの手と化していたように思え,確実にこのクァルテットをドライブしていたのはBladeと考えて間違いない。その一方,Shorterは血管が切れそうなぐらいのハイノートをぶちかまし,Perezは現代音楽的とも,フリー・ジャズ的とも言えそうな強烈なトーン・クラスターで応え,一聴地味に聞こえながら,かなりの仕事をするPatitucciが応えるという構図である。こんな人たちが集まれば凄いに決まっているが,正直言って常人のレベルを越えていたと言ってもよいように思う。

私はライブを聞きながら,Wayne Shorterは日本なら間違いなく人間国宝だと思っていたが,80歳にしてこの創造力,決して尋常ではない。その創造力が多くの聴衆を刺激し,これほど自然なスタンディング・オヴェイションが発生したのは,その想像力を刺激する演奏だったと思えるのだ。まさにこれは"Inspiring"な演奏であり,こういうのをある意味では神がかりというのだ。こういうのを聞かされてしまうと,Shorterの敬愛するI田D作先生の教義をフォローすれば,この世界に到達するのかという考え方もあるだろうが,私はその限りではない(爆)。そんなことはどうでもええわと思わせる異常な完成度がこのライブにはあるように思えた。

そんなライブなのに,オーチャードの2階席はスカスカ,3階席は無人というような集客力の低さは何なのだ?私は声を大にして言いたいが,こういうライブを聞かずして,ジャズを語るなんて片腹痛いわ,って感じである。このライブを見て,文句を言っている人がいるなら,私と大いに議論しましょうかと言ってもよい。それほどのライブである。

だが,繰り返す。それはエンタテインメントとしてではない。芸術としての音楽ジャンルであるジャズとしての評価である。とにかく素晴らしいライブであった。

尚,写真は昨年(?)のロンドン,バービカンでのライブの模様だが,ほぼこんな感じであったということで,写真を拝借。と思ったら,FacebookにBrian Bladeが4/14の模様の写真をアップしているので,そちらを改めて貼り付けておく。

Live at オーチャード・ホール on April 15, 2014

Personnel: Waybe Shorter(ts, ss), Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)

2014年4月15日 (火)

Ruben Studdard:甘~い,甘~いソウル・ミュージック

Ruben_studdard "Unconditional Love" Ruben Studdard(Verve)

某誌で本作が取り上げられていて知ったのだが,David Fosterは現在,Verveレーベルの社長に就任しているそうである。これってDon WasがBlue Noteの社長になっているのと同系統の話だなぁと思いつつ,プロデューサーとしての手腕がレーベル運営では非常に重要だと見なされていることを示しているように思う。

そのDavid Fosterがプロデューサーとしても参加したアルバムが本作である。Ruben Studdardという人については,私はこれまで聞いたことがないが,TV番組"American Idol"出身だそうである。歌手としては正統派のスイートなR&B歌手だと思う。それだけならおそらく購入には至らなかったであろうが,今回,これを聞いてみたいと思わせたのはその選曲である。一部にオリジナルもあるが,カヴァーされた曲が聞きたいと思わせるものがとにかく多かったのである。Carpentersの"Close to You"やBoz Scaggsの"Love, Look What You Have Done to Me"に加え,Bonie Raitt,Marvin Gayeに加え,Neil Diamondの"Hello, Again",Donny Hathawayの"Love, Love, Love",そしてPaul McCartneyの"My Love"まで入っているのだ。これはやっぱり聞きたいと思ってしまうはずである。

そして,Studdardの歌だが,まさしくこれは万人受けするであろう歌唱だと思った。強烈な個性は感じないが,それでもこれだけ歌がうまければ,一定のポピュラリティを確保するのは当然と思わせる。伴奏は歌が光るようなものになっているとは思うが,一部オーバー・プロデュースではないかと思えないこともない。しかし,大きな破綻はなく,なかなか楽しく聞き通せるアルバムである。もちろん,Ruben Studdardの歌手としての実力を否定はしないが,やはりこれは曲の持つ力が大きいと思える。ここでの歌を聞いて,改めてオリジナルを聞きたくなるという効果は間違いなくあるはずである。意外だったのは"My Love"にアッパーなアレンジを施していることであるが,これでも曲の魅力が変わらず感じられるところが,名曲の名曲たる所以である。ただ,なんだかSMAPの曲を聞いているような不思議な気分にもなってしまったが...(苦笑)。

いずれにしても,さすがに"American Idol"という超難関オーディション番組で優勝しただけのことはある実力者である。そこにDavid FosterやEric Benetのような策士が絡んで作り上げた佳作。"Close to You"にStevie Wonderをハーモニカで参加させてしまうところに,プロデューサーの人脈を感じさせる。星★★★☆~星★ってところ。ビシッと3.5星とも4星とも言えないところが若干微妙ではあるが,楽しめることは間違いない。でもやっぱり曲の魅力だよなぁ...。

出演者多数なので,Personnelについては省略。

2014年4月14日 (月)

突然聞きたくなって買ってしまったDavid Murrayのソロ。でも激安(笑)。

David_murray_solo_live_1 "Solo Live Vol. 1" David Murray(Cecma)

突然ではあるが,David Murrayのソロが聞きたくなって,CDで買おうかなぁなんて思ったら,まじでとんでもない値段がついていて,諦めムードのところ,某ショップをうろついていたら,このCDのソースであるLPのVol. 1とVol. 2がいい状態で,各々500円で売っていたので即ゲットである。

昔だったら,絶対買っていないようなアルバムだから,私自身も随分変ったものであるが,どうしても聞きたくなってしまったのだから仕方がない(笑)。今の時代からすれば,ブート並の音と言っても言われても仕方ない録音だが,逆にだからこそ「素」のMurrayが聞けるということになるのではないかと思う。それでも,これは決して「売れる」ってタイプの音源ではないし,聞き易さなんてものを求めてはならないのは当然である。

マイク・スタンドに対し,演奏中はMurrayは動き回っていたようなので,定位やバランスが無茶苦茶になるところも「フリー」な感じである(笑)。まだ本作が録音された頃はMurrayはまだ25歳だったというところに,時の流れを感じてしまうが,この頃から既に強烈な音の個性を感じ出せていたのは大したものである。

だからと言って,しょっちゅう聞きたくなる音楽だとは思わないが,これも一つの時代の断片ということになるだろう。この頃から,物凄いフレージングだったのだなぁとは思うが,まぁ,それでもMurrayを聞くならこれからじゃなくてもいいだろうなぁ。最後に,Murrayのバスクラはいけているということは書いておきたい。星★★★★。

Recorded Live in Nyon, Switzerland on May 30, 1980

Personnel: David Murray(ts, b-cl)

«中年音楽狂,またまたゴルフに参戦。

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