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2016年7月26日 (火)

ここまでやる?って感じのWoody Shawの未発表ライブ。マジで燃えるわ。

"The Tour Volume One" Woody Shaw / Louis Hayes(High Note)

Woody_shawこれまでもWoody Shawの未発表ライブ音源を発掘してきたHigh Noteレーベルから,またも新たな発掘音源の登場である。これがまじで暑い夏を更に暑くするような音源と言ってよいものである。何もここまでハード・ドライビングにやりまくらなくてもいいのではないかと思えるが,何かがWoody Shawを突き動かしていたと考えざるをえない。

このアルバムが吹き込まれた1976年は,クロスオーバー(フュージョン)・ミュージックに押され,ジャズが低迷期にあった時と考えられている。しかし,ライナーにもあるWoody Shawのセリフ通り,彼にとっては”By no means is jazz dead, that's essentially why Louis Hayes and I formed this band."ってことなのだ。彼が言いたいのは「どっこいジャズは生きてるぜ」って感じで,ジャズ・ミュージシャンとしてのアイデンティティを思い切り発露するということに,このバンド,演奏の意義があったってことである。

そうしたWoody Shawの意図の通り,ジャズが好きな人間であれば,大概の場合,ここに収められた音楽を聞けば興奮させられるという感じであろう。今の耳で聞けば,ちょいと勢いが余ったとさえ思わされる部分もあるが,そこまでやらなければ認められないという危機感の裏返しのようにさえ思えるのだ。だからこそ,暑苦しささえ感じるが,それでもいいのである。

私はこの音楽については,ライブの場にいる感覚で身を委ねればいいと思うし,これはそうした環境を生み出すために,事情が許す限り,できるだけボリュームを上げて聞いた方がよい音源である。ジャズの持つパワーを体現した強烈なライブとして,そしてWoody Shawのトランぺッターとしての実力,更に地味と言えば地味なのだが,実力十分のバンドのメンツによる強烈な演奏に耳を傾けて頂ければいいと思えるアルバムである。76年録音にしては,音質は良好(おそらくは放送音源であろう)なので,心配は無用である。星★★★★☆。

タイトルには"Volume One"とあるので,続編の登場を期待しよう。もしかすると,そっちはバラッド・アルバムにでもするのだろうか?いや,この演奏を聞けば,そんなはずはないな(笑)。

Recorded Live in Stuttgart on March 22, 1976

Personnel: Woody Shaw(tp), Junior Cook(ts), Ronnie Matthews(p), Stafford James(b), Louis Hayes(ds)

2016年7月25日 (月)

久しぶりに見た映画は「ブルックリン」。

「ブルックリン("Broooklyn")」(’15,英/加/アイルランド,Fox Searchlight)

Brooklyn_movie監督:John Crowley

出演:Saoirse Ronan, Emory Cohen, Fiona Glascott, Julie Walters, Jim Broadbent, Domhnall Gleeson

5月以来の久々の映画である。今回見たのは15年度のオスカーの作品賞,主演女優賞,脚色賞にノミネートされたこの映画である。脚色を手掛けたのは英国の小説家,Nick Hornbyである。

この映画,非常に地味ではあるのだが,心に残る映画である。アイルランドを旅立ち,ホームシックに悩まされながらも,住み始めたブルックリンでイタリア系の男と恋に落ちながら,姉の死により,一旦アイルランドに戻って,故郷あるいはそこにいる魅力的な男性にも惹かれてしまうという,こういう話ってリアリティのあるシチュエーションだろうなぁと思える。だからこそ,感情移入は容易にできてしまうのだが,こういう映画を見ていると,CG偏重の最近の映画に対して結構批判的な私は思わず嬉しくなってしまうのである。

ギミックなしで,ストーリーと演出と演技だけで勝負するという映画が珍しくなってしまったこの時代において,この映画はしみじみとさせてくれる映画である。子役出身のSaoirse Ronanの演技はまだ20代前半とは思えない素晴らしさだったとは思うが,この映画で一番泣かせてくれるのは姉を演じたFiona Glascottだろう。Saoirse Ronanとの手紙のやり取りのシーンだけでも泣ける。あんな人が本当にいるのかとは思うが...。星★★★★。

尚,余談ではあるが,映画を見ている間,主演を務めているSaoirse Ronanを見ていて,トリンドル玲奈のイメージが湧いてきてしまい,彼女に同じ役をやらせたらどうなるのかと妄想していた私である(爆)。

2016年7月24日 (日)

仕事疲れを癒すにはこういう音楽が必要ってことで,Leszek Możdżer。

"Komeda" Leszek Możdżer(ACT)

Komedaタイトル通り,Leszek MożdżerがKrzusztof Komedaの曲をピアノ・ソロで演じたアルバムであるが,これが何とも美しい。彼とLars Danielssonの"Pasodoble"についても「美の極致」とか書いて,私も本当に表現力に乏しいと思わざるをえない(記事はこちら)が,美しいものは美しいのである(きっぱり)。

そもそもKomedaの書く曲が美しいというのは事実としてあるのだが,それを演奏で倍化させるLeszek Możdżerのピアノ・タッチには脱帽である。この音楽,真剣に聞いても,聞き流してもOKの音楽だと思うが,仕事に疲れた私のような中年男にとっては,控えめのボリュームで流していると,日常生活に落ち着きを取り戻してくれるような気がする。

こういう音楽をジャズと呼ぶかというと,議論の余地はあるかもしれないが,カテゴリーなんてどうでもいいと思わせてくれる逸品。これが嫌いな人っているのかなぁと思いたくなってしまうような,真に美しいソロ・アルバム。むしろ,こういう音楽が嫌いだという人とは,私は絶対話が合わないだろうねぇ(苦笑)。星★★★★☆。

Recorded on March 8-11, 2011

Personnel: Leszek Możdżer(p)

2016年7月22日 (金)

追悼,大橋巨泉

Photo大橋巨泉が亡くなったというニュースが大きく取り上げられたが,ジャズ評論家として,「中間派」というスタイルを命名したのが巨泉だということは,随分後になってから知った私である。

しかし,私の中で巨泉と同時代を過ごしてきたという印象が強いのは,「ゲバゲバ90分」,「お笑い頭の体操」,「11PM」,「クイズダービー」,「世界まるごとHowマッチ」,「ギミア・ぶれいく」と私の成長カーブと同期しながらいろいろな番組と接してきたことによるものだと思う。

いずれにしてもリベラルな人であり,多趣味な人であった。この人のスタイルは多分,現在の私に少なからず影響を与えていると思えるが,政治的な思想も多分似ていたんだろうと思う。 こういう人がいなくなることで,日本のTVはますますつまらないものになっていくと言わざるをえないし,メディアにおいてはっきり物を言う人が減少していくことは残念である。

急速な体調悪化が,モルヒネの過剰投与がトリガーとなっているという信じられない話もあるが,気力,体力の衰えの結果の死はあまりにも寂しい。私たちは気骨溢れるメディア人を失ってしまった。好き嫌いのわかれるタイプの人だったかもしれないが,彼の業績は認められるべきものであると思う。

R.I.P.

2016年7月20日 (水)

何を今更だが,Danny Grissettの端正なピアノ。

"Promise" Danny Grissett(Criss Cross)

Danny_grissett_promiseDanny GrissettはTom HarrellやJeremy Peltのバンドでの優れた仕事ぶりだけでなく,リーダー作でもいいところを聞かせてくれることはこのブログにも書いた通りである(記事はこちらこちら)。ライブも行ってしまうぐらいなので,結構好きなピアニストなのだが,追っかけるところまでは行っていない。しかし,中古盤屋で見つければ買うというのが基本的なスタンスであり,これも先日,中古盤屋をうろついていて見つけたものである。

これはDanny Grissettにとって初リーダー作のはずだが,本作制作の段階で,ダニグリの個性は確立していると言ってよいというか,端正この上ないピアノを聞かせている。この淀みのない端正さは彼が受けたクラシックの教育によるところが大きいと思うが,決して下品にならないピアノを聞かせるところに,育ちの良さを感じてしまう。

リーダーのピアノは結構端正だが,ジャズ的な魅力を維持するのに貢献しているのがKendrick Scottのドラムスだと思う。結構なプッシュぶりで,それに呼応して,ダニグリのピアノも熱くなる"Where Do We Go from Here?"なんかはジャズ的な魅力たっぷりだと思える。

初リーダー作としては非常によく出来ていると思うし,リアルタイムで聞いていれば,この人は絶対に期待できると感じたであろう作品。タイトル通り,その後の活躍を「約束」する逸品であり,十分に星★★★★☆に相当する。

もはやリリースから10年が経過しているが,今聞いても全然問題ないのも素晴らしい。

Recorded on December 4, 2005

Personnel: Danny Grissett(p), Vicente Archer(b), Kendrick Scott(ds)

«Allen Toussaintの遺作が渋い。

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