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2018年4月24日 (火)

米国出張中に見た映画:1本目は「シェイプ・オブ・ウォーター」

「シェイプ・オブ・ウォーター(“The Shape of Water“)」(‘17、米,Fox Searchlight)

02f532c862f6444b94a620acb6d8f6a0 監督: Guillermo del Toro

出演: Sally Hawkins, Michael Shannon, Richard Jenkins, Octavia Spencer, Doug Jones

暇なので,ロンドン行きの機内でこの記事を書いている(爆)。先日の米国出張の往路で最初に見たのがこの映画である。今年のオスカーで作品賞,監督賞を受賞して,劇場で観たかった映画だが,日本では大してヒットすることなく公開が終わってしまったので見逃していたものである。

結論から言えば,確かによくできた映画ではあるのだが,年間ナンバーワンの作品かと言えば,私にはそう思えなかったというのが正直なところである。私にとっ ては,「ダンケルク」や「スリー・ビルボード」の方がはるかに優れた作品だと思えたからである。こういうファンタジーが日本人の琴線に触れないというところもあるだろうが、私が「半魚人と人間の恋」ってものに感情移入できなかったというのが最大の要因と言ってよいだろう。

脚本としても,文句を言いたくなる部分もあるし,やはり私にとっては,この映画は2017年度最高作として捉えることはできない。星★★★☆。

Eric Andersenはこれじゃあないなと思ってしまう"Be True to You"

”Be True to You" Eric Andersen(Arista)

_20180422_2先日,Joni Mitchellのサイトで彼女のディスコグラフィを眺めていたら,このアルバムの5曲に参加しているというデータがあって,へぇ,そうだったのかなんて思って取り出してきたアルバムである。

正直言ってしまえば,Eric Andersenは"Blue River"1枚あればいいと思っている人がほとんどだろうと思う。Joni Mitchellに関して言えば,"Blue River"でも印象的なコーラスをつけているし,そっちで十分なのだ。

それでもってこのアルバムを聞いていると,どうにも「売ろう」という意識が強く出ていて痛々しささえ感じてしまった。それが極端なかたちで感じられるのが"Wild Crow Blues"である。Eric Andersenの声にも,音楽性にも全く合致しないようなこの曲によって,このアルバムへの評価は一段下がったと言ってもよいだろう。しかし,"Time Like a Freight Train"のようないい曲もあるし,ちょっとポップだが,いいメロディ・ラインを持つ"Liza, Light the Candle"のような曲もあるので,全否定とはならないのだが,やはり"Blue River"と比べてしまうのが人情であり,全編を通して素晴らしい"Blue River"には遠く及ばないのが残念である。

今,こうして聞いてみると,日本のフォーク,あるいはニュー・ミュージックにはこのアルバム当たりから影響を受けているのではないかと思えないこともないが,やはり私としては"Blue River"のもつすがすがしさ,清冽さの方がはるかに素晴らしく感じてしまった。まるでAORのような"Can't Get You Out of My Life"みたいな曲にも全然共感できないのも辛い。まぁ,残念ながらその程度のアルバムである。

豪華なミュージシャンに後支えしてもらってはいるものの,それだけではいいアルバムにはならなかったという事例。星★★★。

Recorded in August, November and December 1974 and January 1975

Personnel: Eric Andersen(vo, g, hca, el-p), John Guerin(ds), Russ Kunkel(ds), Scott Edwards(b), Dean Parks(g), Tom Henley(p), Howard Emerson(g, dobro), Gary Coleman(perc), Tom Scott(ts), Tom Sellers(key) with Mark Sporer(b), Chris Bond(g), Ernie Watts(fl), Jesse Ehrich(cello), Richard Bennett(g), Allen Lindgren(p, el-p), Dennis St. John(ds), Emory Gordy(b), Jennifer Warren(vo), Andy Robison(vo), Ginger Blake(vo), Maxine Willard Waters(vo), JUlia Tilmard Waters(vo), Doug Haywood(vo), Jackson Brown(vo), Herb Pedersen(vo), Mike Condello(vo), Deborah Andersen(vo), Joni Mitchell(vo), Ray Backwich(vo), Orwin Middleton(vo), Maria Muldaur(vo)

2018年4月23日 (月)

久しぶりに聞いた"The Heaert of Things"

"The Heaert of Things" John McLaughlin (Verve)

_20180422保有しているCDの枚数が増えると,収納場所に困ってしまい,いくら好きなミュージシャンでも一部の音源は段ボールに入れてクロゼットにしまい込んでしまうことがある。そうすると,たまに聞きたくなったCDがどこにあるのかわからない。今回は,別のCDを探していて,このCDとこれに続くライブ盤に遭遇した。

私はJohn McLaughlinの音源は結構保有しているが,なんでこれをクロゼットにしまい込んだかはよく覚えていない。しかし,デニチェンと共演したニュー・タイプのMahavishnu Orchestraという趣のこのアルバムを久しぶりに聞いた。

Mahavishnu OrchestraにはBilly Cobhamのようなドラマーが必要であった訳だが,ここではデニチェンである。まさにデニチェンらしいタイトなドラミングで,このバンドの屋台骨を支えているが,それに加えて,Matthew Garrisonの活躍が意外なほど光っているのがこのバンドの特徴である。Gary Thomasについては,彼のキャリアにおける最後の輝きってところか。本当に一体どこへ行ってしまったのかと思わせるが,ここではブリブリとサックスを吹いており,バンドにもフィットしているように感じさせるだけに,どこへ行ったかわからない今の状態は惜しいなぁと思わせる。故郷ボルチモアで教鞭を執っていたという話もあるが,それも昨年には辞任してしまったようである。

それはさておき,ここにはJohn McLaughlinらしいタイトな演奏がてんこ盛りである。テンション高過ぎとも感じられるが,テンションの低いMcLaughlinなんてありえない(きっぱり)なのだからいいのである。このアルバムが出た97年当時としては48分程度という,比較的短い収録時間であるが,これ以上長いと疲れるし,最後にアコースティック・ギターで演じる"When Love Is Far Away"をエピローグ的に持ってきたのは正解だったと思う。クレジットにはないが,最後の曲には拍手が入っているから,どこかのライブ音源なのかもしれないが,味わい深いエンディングである。

いやいや久しぶりに聞いたが結構よかったわぁってことで,星★★★★☆。

Personnel: John McLaughlin(g), Gary Thomas(ts, ss, fl), Jim Beard(p,synth),Matthew Garrison(b), Dennis Chambers(ds), Victor Williams(perc), Jean-Paul Celea(b)

2018年4月22日 (日)

これはたまらん。Kristijan RandaluのECMデビュー作。

"Absence" Kristijan Randalu(ECM)

_20180421初めて名前を聞く人である。Webサイトによれば,1978年にエストニアで生まれ,ドイツで育ったそうである。ドイツで師事したのがJohn Taylorってことであるが,1曲目からJohn Taylorも彷彿とさせるような美しいピアノを聞かせる。そして,ピアノ,ギター,ドラムスという変則的な編成でありながら,ECMらしい美学に満ちたアルバムである。もちろん,リーダーの弾くピアノが美しいのだが,美感を増幅させるようなBen Monderのギター,そしてMonderらしいアルペジオが効いていて何とも素晴らしいアルバムに仕立てている。これはまさにECM好きがはまること必定のような音楽と言ってよい。一聴して私が思い出したのが往年のRainer Brüninghausと言ったらおわかり頂けるだろうか。あくまでも何となくだが...(苦笑)。

ここでのピアノ・タッチから生み出される美感こそ,このアルバムの魅力であるが,控えめなドラムスも美的感覚を盛り立てるに十分である。アルペジオ的なフレージングが本当にいいよねぇと思わせ,Ben Monderは音響系のバッキングも織り交ぜながら,ここでの音楽の魅力を増幅させる。いやぁ,全然知らない人のアルバムだったが,Ben Monderの名前に惹かれて購入したのは正解であった。こういうのって好きなのである。星★★★★☆。生でこういう音を浴びてみたい。

Recorded in July 2017

Personnel: Kristijan Randalu(p),Ben Monder(g), Markku Ounaskari(ds)

2018年4月21日 (土)

更新が滞る中で,出張中に見た映画のご紹介。

米国出張から帰国したのはいいものの,時差ボケと戦いながら,飲み会への参戦も続き,ついつい睡魔に勝てず,「落ちる」という生活をしていては,記事の更新が滞るのは当然だ。ということで,音楽についても落ち着いて聞いている暇もなく,実は来週火曜日からは今度はロンドン出張が控えていて,正直老体には厳しい生活が続くのだ。

ってことで,今日は米国出張中に見た映画の一覧だけのご報告。今回はNYへの往路で3本,NY~SFへの移動で2本,そしてSFから東京への復路で5本の計10本である。私もよくやるわと思いつつ,SF~東京ではほぼ一睡もせず映画を見続けて,時差の解消を図っていた私である。見たのは下記の順番の通りだが,最後の「オリエント急行殺人事件」はスリランカ出張の折にも見ているが,あの時は日本語吹き替え版だったので,オリジナル言語で見直したもの。

  1. シェイプ・オブ・ウォーター("The Shape of Water")
  2. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男("The Darkest Hour")
  3. ジャスティス・リーグ("Justice League")
  4. デトロイト("Detroit")
  5. スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望("Star Wars Episode IV/ A New Hope")
  6. ゲティ家の身代金("All the Money in the World")
  7. アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル("I, Tonya")
  8. ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル(”Jumanji: Welcome to the Jungle")
  9. マンハント
  10. オリエント急行殺人事件("Murder on the Orient Express")

今回,見た映画はそれぞれに見どころありだったと思う(桜庭ななみが可愛いだけの「マンハント」はクズだったが...)が,やはりCGばかりで辟易させられる映画よりも,ちゃんとドラマ性のある映画がいいねぇと思った。見ていて辛くなるような「デトロイト」,事実は小説より奇なりの「アイ,トーニャ」,「ダンケルク」と時代設定がかぶって,2本一緒に見ると更に面白いと思わせる「ウィンストン・チャーチル」,そしてChristopher Plummerの怪演が凄い「ゲティ家の身代金」等々である。各々については,そのうちに記事にしたいが,「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」でトーニャ・ハーディングの母親を演じたAllison Janneyはオスカー取って当然と言うべき演技だったと付け加えておく。

2018年4月17日 (火)

中年音楽狂 in Yosemite

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今回の出張はお客さまに同行ということで,通常の出張とはかなり趣が違っていることは既に書いた通りだ。今回は週末を挟んだということもあり,SF到着後,土曜日はNapa,そして日曜日はYosemite訪問という,出張者には極めて珍しい時間を過ごすこととなった。

Napaについては,SFからそこそこ距離的に近いこともあり、何度か行っているが,YosemiteについてはSFから300km近く離れているので,そう簡単に行ける訳ではない。今回も日帰りだったので,現地には3時間程度の滞在だったが,私にとっては初海外だった35年前の学生時代の旅行以来のYosemite訪問となった。

私たちの訪問翌日には雪の予報すら出ていたが,今回の訪問時には好天に恵まれ,雄大な景色を大いに満喫することができた。本来であれば,1泊ぐらいして,軽いトレッキングでもするべきなのだが,出張者には無理な相談である(きっぱり)。しかし,雰囲気だけでもおすそ分けということで,いかにもな写真をアップしておこう。Yosemiteで最も有名なフォト・ポイントであろうTunnel Viewからの風景である。このスケール,写真だけでは伝わらないかもしれないが,とにかくでかいわ。

ってことで,もう半日仕事をして帰国の途につく私だが,休みなしでバテバテだと言ったら怒られるな(苦笑)。

2018年4月15日 (日)

中年音楽狂 in San Francisco

8584e139b83942fc97d3730d164279b2 今回の米国出張はクライアントに同行しているということもあり,いつもと様子がちょっと違っている。金曜日の深夜にNYCからSFに到着して,本日はNapaのワイナリーを訪問した後,SFで食事し,普通の出張ならここでホテルに戻って解散が普通である。しかし、今夜は食事後夜景を見に行こうということになり,訪れたのがベイブリッジをオークランド側に渡る途中にあるTreasure Islandである。

私もSFには相当回数訪れているが,Treasure Islandに行ったのはもちろん初めてであった。SFの夜景と言えばTwin Peaksが定番であるが,SFダウンタウンからはおそらくTreasure Islandの方が行きやすいってところだろう。人生初のケーブルカー体験と言い,クライアントとの同行ゆえの役得を感じている私である。明日の日曜日は早朝からヨセミテ日帰りって、まじで出張者の生活とは思えない(爆)。だが,この役得を十分享受させて頂くこととしよう。

ってことで,上の写真はTreasure IslandからのSFの夜景。スマホのカメラは優秀だねぇとつくづく感じた私である。

2018年4月13日 (金)

Mike Stern@55 Bar参戦記

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ニューヨークに出張したからにはライブに行くのが私のルーティーンである。今回は幸運にもお馴染み55 BarにMike Sternが出演するタイミングと重なり,懇親会を終了させて現地に赴いた私である。

44406fe807f04c23b5c50aeb878d71ff通常,マイキーが55 Barに出る時は,トリオ編成が多いのだが、今回はテナー入りのクァルテット編成である。しかもベースはJeff Andrews,ドラムスはRichie Moraresという布陣であるから期待も高まるのは当然であった。我々が会場に到着すると,リハーサル中の彼らであったが,盛んに“Naima”をやっていたので,今日はそういう感じの演奏なのかと思った。そして,演奏は予定開演時間より若干早く唐突に始まった。冒頭,”On Green Dolphin Street”でスタートしたが,コーラスを効かせたマイキーらしい音で始まり,途中からギンギンのロック・フレイヴァーを聞かせるといういかにもマイキーな演奏であった。

今回の注目はテナーのDanny Walshだった訳だが,ほかの3人に比べるとやや格落ち感が否めなかったところはあるが,まぁ善戦していた方だろう。それにしてもマイキーである。手の怪我の影響はほとんど感じさせないフレージングを連発していたが,やや手が変形していたようにも思えたところに,事故の痕がうかがえる。しかし,前回日本で見た時は盛んに接着剤でピックを指に貼り付けていたのに比べると,接着剤を使う様子は見られなかったので,ピックを握れるところまでは回復していたように思える。

55 Barでマイキーを見るのは実に久しぶりのことと思うが,やはりこの場所にマイキーは似合うと思わせた役90分間のギグであった。通常なら,2ndまでステイ・オーヴァーする私も,さすがに疲労には勝てず,1stだけで退散したが、十分に楽しんだ私である。写真は現場で撮影したものであるが,「マイキーと私」にはいつも通りモザイクを施した。我ながらいい表情をしているのだが,それを晒すわけにはいかないってことで(笑)。

Live at 55 Bar on April 11, 2018, 1stセット

Personnel: Mike Stern(g, vo), Danny Walsh(ts), Jeff Andrews(b), Richie Morares(ds)

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