最近のトラックバック

2016年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          
無料ブログはココログ

2016年2月 7日 (日)

Charles Lloydの新譜は編成がキモと言ってもよいアルバムだが,これが素晴らしい出来である。

"I Long to See You" Charles Lloyd & the Marvels(Blue Note)

Charles_lloyd_2ブログのお知り合いのSuzuckさん,monakaさんが取り上げられていて,猛烈に気になってApple Musicで試聴,そしてこれは買いだと確信したアルバムである。

実を言うと,私がCharles Lloydをこのブログで取り上げたのは2010年の"Mirror"に遡る。"Mirror"はその年のベストの1枚にも挙げたぐらいなのだが,その後のアルバムはどうもしっくりこないというか,ちゃんと聞かずにスルーしていたような気もする。その結果,Blue Noteへの移籍第1作も買っていないのである。ではそんな私がなぜこれを聞きたいと思ったかであるが,Suzuckさん,monakaさんのご推奨ということもあるのだが,私がもう一点どうしても気になったのがGreg Leiszの参加だったのである。Greg Leiszはルーツ・ミュージック系の音楽には欠かせないペダル・スチール奏者であるが,彼がCharles Lloydと共演というのが実に興味深かった。そして結果は大正解である。

ジャケだけ見ると,誰がリーダーなのかよくわからないような写真になっていて,Bill Frisellが一番でかく写っているのが面白いが,このアルバムはそういう意味でも,Bill Frisellが一方の核でありながら,私はGreg Leiszが果たした役割はかなり大きいと思っている。もちろん,Frisellだけでも,相当レベルの演奏になったと思うが,このアルバムの持つトーン/サウンドはGreg Leiszによるところ大に聞こえるのである。それにより,ECMレーベル時代とは明らかに違ったCharles Lloydの音楽が生まれ,とても今年の3月で78歳になるとは思えない演奏を展開させたと言ってもいいのではないか。

そもそも何てったって,冒頭からBob Dylanの「戦争の親玉("Masters of War")」なのだ。更にトラッドが3曲,更にはWillie NelsonやNorah Jonesまで迎えてしまうのだから,Charles Lloydの視線にはルーツ・ミュージックというテーマがあったはずだと思わせるに十分である。そしてそれが完璧なまでに演じられ,これはたまらない出来だと思った。私が最初に聞いたのはApple Musicでのストリーミングだったが,その段階でこのバンドの相性は間違いないと思わせたし,改めてCDで聞き返してみても,この味わい深さが素晴らしいのである。ジャズ的なスリルとは別の世界かもしれないが,この音楽の持つ魅力はジャズ的な要素の若干の希薄さを補って余りある。これは私が昔からアメリカのシンガー・ソングライター,それも「ど渋い」,今はなき渋谷ブラックホークでかかっていたような音楽を偏愛してきたこともあるかもしれないが,そんなリスナーでなくとも,この音楽の魅力はわかるはずだと言い切ってしまおう。

これはCharles Lloydにとって,特別編成のアルバムかもしれないが,私は"Mirror"以来の感動を覚えてしまったのであった。Willie NelsonとCharles Lloydという全く想定外の組み合わせさえ,古い反戦歌"Last Night I Had the Strangest Dream"にこれほどフィットしたものはないと思わせるに十分なのだ。ルーツ・ミュージックへの取り組みだけだけでなく,Charles Lloydによる平和,あるいは反戦への思いを痛切に感じさせることも感動を倍増させる。素晴らしい。まじで素晴らしい。ということで,このアルバムには星★★★★★こそ相応しい。いずれにしても,本作はCharles Lloydが全く枯れていないということを強烈に感じさせてくれた。

Charles Lloydの気持ちを代弁することになるかどうかは別にして,どこかの国の宰相に「戦争の親玉」と"Last Night I Had the Strangest Dream"の歌詞をよく読めよってことで,歌詞を掲載してしまおう。まぁ,彼にはこれを読みこなす英語力はなかろうし,そもそもこんなブログにアクセスすることはありえないが...(笑)。下記は「戦争の親玉」の2番と"Last Night I Had the Strangest Dream"の1番の歌詞である。ベルリンの壁が崩壊した時に,東側の子供たちが後者を歌っていたという実に象徴的な歌だということを思いを馳せながら,改めてこのアルバムの素晴らしさを称えたい。おそらく私にとっては,本作が今年忘れられないアルバムの1枚となることは確実である。

"Masters of War" (Bob Dylan)
You that never done nothin’
But build to destroy
You play with my world
Like it’s your little toy
You put a gun in my hand
And you hide from my eyes
And you turn and run farther
When the fast bullets fly

"Last Night I Had the Strangest Dream"(Ed McCurdy)
Last night I had the strangest dream
I ever dreamed before
I dreamed the world had all agreed
To put an end to war
I dreamed I saw a mighty room
Filled with women and men
And the paper they were signing said
They'd never fight again

Recorded on April 27 & 28, 2015

Personnel: Charles Lloyd(ts, fl), Bill Frisell(g), Greg Leisz(steel-g), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds), Willie Nelson(vo, g), Norah Jones(vo)

2016年2月 6日 (土)

久しぶりにCD音源の記事をってことで,Peter Erskineの新作

"Dr. UM" Peter Erskine(Fuzzy Music)

Peter_erskine出張やら何やらで,ライブについて以外で音楽について記事をアップするのは久しぶりである。そもそもCDを購入するのも久しぶりって気がするが,今回はECMの新譜等も含めて結構な枚数が到着である。ストリーミングに依存することが多い昨今では珍しくなってしまった。本当に人間,変われば変わるねぇ(笑)。

今回のPeter Erskineの作品は当初からフュージョンだと宣言されていたはずであり,現代版のWeather Reportのような感じという話もあった。確かにWeather Reportを感じさせる曲もあるが,全面的にWeather的って感じではない。特にギターが入る曲ではWeatherらしさが極端に弱くなる。Zawinulが書いた"Borges Buenos Aires"より,Erskineが書いた”Hawaii Bathing Suit"の方がはるかにWeatherっぽいのは面白い。私はむしろWeather云々よりも,このアルバムを通して聞かれる比較的ゆるいグルーブに身体を揺らしていたって感じである。

皮肉な言い方をすれば,緊張感に溢れた音楽ではないが,テンションが高けりゃいいってもんでもない。グルーブとは適度に身体を揺らせるところにこそその本質があると私は思っている。そして,突然アルバム中盤に挿入されるマーラーの「リュッケルト詩曲集」からの「私はこの世に忘れられて」にはびっくりしてしまったが,決してアルバムのバランスを崩していないところがいい。これはJohn Beasleyのアレンジの勝利って気もするが,BeasleyとJanek Gwizdalaのショウケースとしてもナイスな感じである。Erskineが彼らに花を持たせるために入れた印象と言っては言い過ぎか。

ベースで参加するJanek Gwizdalaは渡辺香津美とも共演しているが,私にとってはロンドンで見たWayne Krantzとのライブが記憶に新しい(その時の記事こちら)。私が聞いた日はGary Husbandがドラムスを叩いていたが,翌日はPeter Erskineが叩いたはずだから,今回の共演も突然変異ってことではない。だが,今回の演奏はどちらか言えばメロディアスな線も打ち出していて,ライブの時に覚えた感覚との違いがあったのは面白かった。

このアルバムにおいて主軸を成す3人+Bob Sheppardは3月に来日を控えているが,ライブではこのアルバムのような緩いグルーブと,激しい音楽を交えてくるのではないかと思わせるが,一体どうなるのか楽しみである。繰り返すが,テンションは決して高くはないが,結構楽しめるアルバムである。星★★★★。

Personnel: Peter Erskine(ds, perc), John Beasley(key, synth), Janek Gwizdala(b),Bob Sheppard(ts),Jeff Parker(g), Larry Koonse(g), Aaron Serfaty(perc), Jack Fletcher(vo)

2016年2月 5日 (金)

出張中に見た映画(16/1編):その7にして最後は「トランスポーター」シリーズ

Transporter「トランスポーター イグニション("The Transporter Refueled ")」(’15,仏/中)

監督: Camille Dramarre

出演: Ed Skrain, Ray Stevenson, Loan Chabanol, Gabriella Wright

先日のNY出張でも結局機内で往復7本映画を見た私だが,それについて記事を書く前に,1月初旬の出張時に見た映画の最後の映画をアップしなければってことでこの映画である。このシリーズは私は見たことがないのだが,Jason Stathamがオリジナルだとすれば,まぁ推して知るべしの内容なのだが,今回は主役がStathamからEd Skrainに代わっての第4作である。

正直言って,話としては実にくだらない。また,カー・チェイスのシーンはそれなりに迫力はあっても,その必然性や展開には疑問を感じることばかりである。こういうのを見てスカッとする人もいるだろうが,この都合の良すぎる脚本には私は辟易としていた。出てくるネェちゃんたちもあまり魅力的じゃないしねぇ(爆)。

主役の交代はJason Stathamがギャラでゴネたって話もあるが,彼もB級映画で稼いでいるからねぇ。Stathamだったらもう少し違う感じになるだろうなぁとは思うが,それでもこのシナリオではねぇ。ってことで,時間つぶしにはなったが,全く感心できなかった一作。星★★で十分だろう。

2016年2月 2日 (火)

出張ほぼ終了。

Image_3

今回の出張もほぼ終了である。今回は現地5泊の中で,前半は時差ボケに悩まされたが,ジャズ・クラブ通いの効果もあり(?),前回のシカゴ,前々回のNYCほどはひどくなかった。しかし,週末に別件でNorth Carolinaに移動があったため,体力的にはかなりきつい出張であった。

だが,ライブに3本行けたのは収穫だったし,家族のリクエストにも大方応えることができたので,まぁよしとしよう。但し,金銭的な負担は結構大きかったが(爆)。仕事は別にして,今回の滞在中のハイライトはWayne Krantzのライブだったことは間違いない。彼にはまた日本に来て欲しいものである。

ともあれ,この記事がアップされる頃には私は機上の人となっているはずだが,次は日本からってことで。ついでに不夜城,Times Squareの写真もアップしておこう。これはBirdlandからの帰りの午前0:30頃撮影したもの。やっぱり不夜城だ(笑)。

2016年2月 1日 (月)

NYC最後の夜に見たMack Avenue Super Band

Image

今回の出張もあとは帰国するだけとなった。週末はNorth Carolinaで一仕事こなし,先ほどようやくJFKに戻り,空港そばで一泊し,あとは飛行機に乗るだけである。とは言っても現地時間でも間もなく日付が変わろうとしているので,結構バテバテなのだ。

ともあれ,今回は仕事が結構きつかったにもかかわらず,NYC(マンハッタン)に3泊し,3日ともクラブに行ってしまった。我ながらよくやるが,最終日はさすがにダウンタウンまで出かける気力もなく,ホテルの近場でってことで,行ったのがBirdlandである。やっぱり55 Barとは違うねぇ(笑)。出演していたのがGary BurtonやChristian McBrideが参加するMack Avenue Super Bandである。彼らは昨年のデトロイトでのライブ音源はリリースしているが,私は未聴であった。Gary Burtonが管と共演というのはどうなのかと思っていたのだが,ライブを見て食わず嫌いはいかんと思ってしまった。実にいい演奏だったのだ。ハード・バピッシュだろうが,バラッドであろうが関係なく楽しめた。

Gary Burtonがいいのは当たり前だが,2管のFreddie HendricksとTia Fullerも実力十分,そしてバックを支えるChristian McBrideトリオのレベルの高いことよ。3人揃ってすごい実力だが,McBrideが聞かせたロング・ソロには本当に唸らされた。思い起こせば私がMcBrideを初めて知ったのは在米中のことであり,まだティーン・エイジャーだったにもかかわらず,物凄いと思ったのだが,更に凄みを増したようにさえ思えた。これはトリオによるライブ盤を買わないといかんなぁ(苦笑)。

演奏時間がやや短めだったのは残念だが,$45のチャージの元は完全に取ったって感じである。つくづくNYCは素晴らしいと思った出張であった。

Live at Birdland Jazz Club on January 29, 2nd Set

Personnel: Gary Burton(vib), Freddie Hendricks(tp, fl-h), Tia Fuller(as, ss), Christian Sands(p), Christian McBride(b), Carl Allen(ds)


«55 Bar連チャン参戦記(2):大人気のWayne Krantz

Amazon検索

2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)