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2015年5月24日 (日)

今井美樹の新作は心地よいメロウ・グルーブで通して欲しかったところ。

Photo"Colour" 今井美樹(Virgin)

オリジナルとしては6年ぶりだそうである。私は今井美樹は結構好きだと思っているが,全部買おうなんてタイプではない。前作のYuming集は買ったし,7人のピアニストとの共演盤も買った。どっちもよかったが,それ以外で持っているのは"Ivory II"だけである。だから,今回も別に買わなくてもいいのだが,Yuming集"Dialogue"におけるメロウ・グルーブ的なノリが気持ちよかったので,ついつい今回も買ってしまった(笑)。

なので,本作でも冒頭から聞こえてくるそうしたメロウ・グルーブは非常に心地よい。私はこういう路線で通してもらえば更にいいのだが,中盤には何だか映画のエンディング・テーマのように聞こえる「ひまわり」や「窓辺」のような曲が聞こえてくると,やっぱりこういうのも入れないといかんのかなぁと思ってしまう。だが,私みたいな邪な聞き方をする人間にとっては,グルーブが感じられなくて,なんだかなぁとなってしまう。もちろん,曲や歌が悪いわけではないのだが,いかにもって感じのプロダクションが気になってしまうのである。

全体としては悪くないとしても,これはもう好みの問題である。非常にゴージャスなつくりがされていて,音楽的なクォリティは高いので,これは売れて然るべきアルバムであるが,私としては中途半端な感覚が残った。オマケのDVDはロンドンでのライブであるが,ピアノとストリングスだけをバックにしっとり歌い上げていて,そっちはそっちでコンセプトがはっきりしているから納得もいくが,CDの方はそうした一貫性がないから気に入らない部分があるんだろうと思っている私である。DVD含めて星★★★☆とするが,これはやっぱりプロダクションの問題だと思う。結局私が好きなのは"Dialogue"や"I Love a Piano"のようなコンセプト・アルバムだったってことである。

パーソネルは省略。クマ原田が何曲かで演奏しているのが私にとっては意外であったが,今井美樹のツアーとかに参加してたのねぇ。へぇ~(笑)。

2015年5月23日 (土)

追悼,Louis Johnson

Louis_johnson

Louis Johnsonが亡くなったそうである。最近は噂を聞かなくなっていたが,今回の訃報に接し,最近の映像を見ると,非常に体重が増えてしまって,これは身体に悪そうだという感じであった。

Louis Johnsonは「Brothers Johnsonの」と言ってもよいが,私にとってはセッション・ワークでの鋭いベース・ラインが印象的な人であった。おそらく最初に意識したのは,Earl Klughの"Finger Painting"に収録されていた”Dance with Me"あたりだったと記憶している。Michael Jacksonの諸作においてや,Quincy Jonesの武道館ライブでの演奏も印象深い。だが,ミュージシャンとしては,Marcus Millerの登場によって,セッション・ワークでその名前を聞く機会も減ったように思う。だが,彼の鋭いスラッピングから生み出されるファンクっぽさが,当時の音楽には求められていたのだろうと,今にして思う。まだ60歳ということで,早過ぎる死である。全盛期と言ってよい1980年のベース・ソロの映像があった(画像が暗いのが惜しいが...)ので,ここに貼り付けて,彼を偲ぶことにしよう。

R.I.P.

Tracey Thornの新譜はEPなのに値段が結構高い(苦笑)。

Songsfromthefalling"Songs from the Falling" Tracey Thorn(Strange Feeling)

Tracey Thornの新譜EPがリリースされた。これは映画"The Falling"のサウンドトラックとして制作されたもののようであるが,全8曲,17分にも満たない作品ながら,結構な価格で流通している。ファンとしてはついつい買ってしまうわけだが,いくら円安だからと言って,もう少し何とかならないかなぁ。

彼女一人でレコーディングされたと思しき本作は,映画のサウンドトラックということもあって,収録されている曲は特定のモチーフのバリエーションのようにも聞こえるし,インストの曲も入っていて,非常に内省的にさえ響く。まぁ私としては,彼女の声が聴きたくて買っているのだから文句はないとしても,この作品は相応のファン向けのものと考えてよいように思う。ということで,万人には薦めにくいが,Tracey Thornのあの声はここでも健在であることは間違いない。

だからと言ってEBTGの諸作や,これまでの彼女のアルバムよりプレイバックの回数が増えるかと言えば,そんなことはないだろうという,その程度の作品である。星★★★☆。もちろん,悪くはないんだけど...。

Personnel: Tracey Thorn(vo, p, g, alto-recorder, perc, bass-ds)

2015年5月22日 (金)

メンツ/レーベル買いしたChristof Lauer盤

Christof_lauer"Christof Lauer" Christof Lauer(CMP)

先日の病院帰りに中古盤屋に立ち寄って仕入れてきたアルバムである。私もめっきりリアル・ショップに出掛ける機会が減ってしまっているが,最近は病院の検査のついでに,ちょこっと立ち寄ってCDを漁ることが何回かあった。本作は何の気なしに見た棚にあったので,手に取ってみたところ,凄いメンツではないかということで,ゲットしてきたものである。

では,私がなぜこのChrisitof Lauerという名前も知らない人のアルバムを手に取ろうと思ったかと言えば,これがCMPレーベルの作品だったからである。CMP(Creative Music Productions)は90年代初頭に結構尖った作品をリリースしていたレーベルだ。私が今でも保有しているのはJoachim Kuhn,Chad Wackerman,Trilok Grutu,David Tornあたりだろうが,コンテンポラリーなサウンドを追求したレーベルとして印象深いレーベルなので,本作も背表紙のCMPの名前に引っ掛かったというのが実態である。だがよくよく見れば,なんだこのリズム・セクションは!という感じだったのである。だって,Joachim Kuhn,Palle Danielson,Peter Erskineという表記を見て,反応しない方が野暮である。リーダーについては全く知らないものの,結構高いなぁと思いつつ,これを逃すとなかなか見つかるまいということで購入してきた私である。

そして聞いてみると,冒頭の"Descent"からぶちかまし状態である。おぉっ,これはなかなかいいねぇと思わせる立ち上がりである。全編を通して,フリー的なアプローチを示しつつ,なかなかいい出来のアルバムだと思う。若干,録音のせいか,音が軽く聞こえる部分があって,音楽からすれば,もう少しへヴィな音の方がいいように感じる部分はあるのだが,これは真っ当なボリュームで聞いてみないとわからない。いずれにしても,こうしたある意味暑苦しい音楽に快感を覚えることがあるのも事実であり,私としては結構好きな部類の音楽である。Joachim Kuhnも相当の弾きっぷりで,Kuhnのファンであれば,これは聞いておいても損はないと思わせる作品である。

まぁ,いかにもドイツのレーベルらしい音楽だと言えば,その通りかもしれないが,無視するにはもったいないし,改めてCMPレーベルという不思議なレーベルの音楽を再評価するうえではいいアルバムのように思う。そうは言っても,最後のLauerとKuhnのデュオで演奏される"Harlem Nocturn"という選曲にはびっくりしてしまうが(苦笑)。星★★★★。

Recorded in April, 1989

Personnel: Christof Lauer(ts), Joachim Kuhn(p), Palle Danielson(b), Peter Erskine(ds)

2015年5月21日 (木)

さらば,Late Show,さらば,David Letterman。

アメリカの夜の人気番組"Late Show with David Letterman"が遂に最終回を迎えた。私がアメリカにいた頃は,まだNBCで"Late Night with David Letterman"として,”Tonight Show"の後に放送されていたが,その後,CBSに引き抜かれ,"Tonight Show"の裏番組として,夜のトークショーの二強としてしのぎを削っていた。私はJohnny Carsonが出ていた頃の"Tonight Show"が嫌いだったわけではないが,その後に放送される"Late Night with David Letterman"の方が好きだった。と言うより,西海岸で収録されている"Tonight Show"よりも,NYC在住だった私にとっては,番組の持つ「棘」のような感覚が,NYCという街にフィットするように感じていたと言ってもいいだろう。

音楽のゲストも,メジャーからマイナーまで,多彩なミュージシャンを迎えていたし,それを支えるPaul Shafferをバンマスとするバンド(Sid McGinnis,Will Lee,Anton FigはNBC時代からの付き合い)もタイトでよかった。以前はDavid Sanbornもよく吹いていたのも懐かしいが,やっぱり好きな番組であった。こうした番組が終了してしまうということは,日本でいえば「笑っていいとも!」が終わった時の感覚に近いのではないかと思えるが,最終回に向かって,YouTubeにアップされる番組を見て,私は相変わらずこの番組が好きなんだなぁと思っていた。

番組には"Top 10 List"という名物コーナーがあったが,最終回はゲスト10人による"Top 10 Things I've Always Wanted to Say to Dave"というもので,それぞれのゲストが笑いの中に,Lettermanを送る心情が見えて,私にとっては非常に感慨深かった。昨今,私はアメリカへの出張機会も少なくなってしまったので,出張中にこの番組を見ることも少なかったが,今後,アメリカに行く機会があって,夜TVをつけても,もうそこにDavid Lettermanの姿はないと思うと,これは寂しいと言わざるをえない。

あの"9/11"後の最初の放送でのDavid Lettermanのモノローグを先日見たが,とても彼とは思えないトークをしていて,非常に印象深かったので,それを貼り付けることも考えた。だが,今日は賑々しく最後のTop 10 Listをここに貼り付けて,この番組に別れを告げることにしたい。

David Letterman,あんたはマジで最高だったぜ。

来日目前,J.D. Southerの新譜はタイトル通りのソフトな仕上がり。

Tenderness"Tenderness" J.D. Souther(Sony Masterworks)

6月に来日することが決まっているJ.D. Southerの新譜がタイミングよくリリースされた(と言うよりも,リリースに合わせての来日か...)。J.D. Southerが25年ぶりの新作として"If the World Was You"をリリースした時には酷評した私であるが(記事はこちら),それに続く"Natural History"でJ.D.の復調を確信し,そっちはかなり好きだった(記事はこちら)。今回は本作のリリースが発表されて,2曲目の"Something in the Dark"の映像がプロモーションとしてネット上で公開されたのを見て,これも買いだと思っていた私である。

今回はプロデュースは昨今,プロデューサーとしての仕事ぶりが目立つJoni Mitchellの元ダンナのLarry Kleinであることも,本作への期待を高めた。Larry Kleinと言えば,昨年,私がベスト作の1枚に挙げたBilly ChildsのLaura Nyroトリビュートの仕事があまりにも素晴らしかったからである。そして,このアルバム,タイトルの"Tenderness"に偽りなく,大人向けのヴォーカル・アルバムになっていると言ってよい。随分ソフトな感じが強いが,音楽は刺激が強けりゃいいってものではない(笑)。

J.D.はソングライターとしての業績が歌手としてのそれを上回っている気がするが,それでも,彼の声で聞くナイスな曲群は,それはそれなりの楽しみがある。なんだかんだ言って,私は彼のアルバムは全部保有しているわけだが,作品のクォリティにバラつきはあっても,彼の声の魅力は不変なのである。

今回も控えめな伴奏をバックにしながら,彼の魅力的な声を聞かせているが,さすがに今年で70歳ということもあり,以前のような瑞々しさというよりも,枯れた味わいが強くなっているが,それはそれで魅力的に響く。正直言って,我々の年代のような生活感が感じられる人間にとっては,何とも落ち着きをもたらす音楽である。ちょっと地味かなぁとも思えるが,それでもこれはなかなかいいと思う。星★★★★。共演者ではTill Brönnerのトランペットが効果的。CDの”Something in the Dark"には私が贔屓にしているLizz Wrightが華を添えているのもいいねぇ。ということで,そのプロモ・ライブ・ビデオも貼り付けておこう。

Personnel: J.D. Souther(vo, g), Patrick Warren(el-p, key, org), Chris Walters(p), Larry Klein(key), Billy Childs(p), Dean Parks(g), David Pilch(b), Jay Belrose(ds, perc), Sam Bacca(perc), Lizz Wright(vo), Till Brönner(tp), Jeff Coffin(ss), Mark Robertson(vln), Alyssa Park(vln), Luke Maurer(vla), Matt Nelson(vla), Vannessa Freebaim-Smith(cello)

2015年5月20日 (水)

Cassandraが変化球なら,これは正調Billy Holidayトリビュートと言いたいJosé James盤

Jos_james"Everyday I Had the Blues" José James(Blue Note)

Scott Henderson,Billy Cobhamとハードな路線が続いたので,ここはちょっと落ち着いた音楽ということで,本日はJosé Jamesである。国内盤は結構早く出ていたが,輸入盤のリリースを待っていたら,時間が経ってしまったが,まぁよかろう。

今年はBilly Holiday生誕100周年ということで,Cassandra Wilsonもトリビュート盤をリリースし,あれはあれで素晴らしい出来であったが,ほぼ同時期に出たJosé James盤を,入手が少し遅れてしまったが,ようやくちゃんと聞くことができた。Cassandra Wilson盤はあれはあれで高く評価した私であるが,Cassandraがどちらかというと変化球という色彩もある中,このJosé James盤は,極めて正統的なジャズ・ヴォーカルとして,きっちりトリビュートした感覚が強いアルバムで,とにかく渋い出来である。正直言って,Cassandra盤とどっちが好きかと聞かれたら,こっちと言ってしまいそうな気がする。このブルージーな感覚,真正ブルーズ・シンガーをも凌駕すると言っては言い過ぎか。それほどしびれるアルバムなのである。

ここで聞かれるJosé Jamesの声もよければ,伴奏の3人も素晴らしい。相当落ち着き払った演唱とも言えるので,刺激が少ないと感じる向きもあろうが,これはBilly Holidayの音楽を,José Jamesの正統的解釈で現代によみがえらせるという意味で,大成功していると思えるのである。私にとっては,これは文句のつけようのないヴォーカル・アルバムであり,数あるJosé Jamesのアルバムの中でも最も高く評価したい逸品。とにかく,これは真剣かつ真面目なトリビュート・アルバムである。滅多にジャズ・ヴォーカルを買わない,あるいは聞かない私であるが,これは別格として評価したい。星★★★★★。私の感覚では,今年のベスト盤の一角を担うと思っている。それぐらいの作品である。こんなアルバムに仕上げたプロデューサーとしてのDon Wasの手腕も見事。さすがだ。

Personnel: José James(vo), Jason Moran(p, rhodes), John Patitucci(b), Eric Harland(ds)

2015年5月19日 (火)

濃い~メンツによる"Spectrum"40周年記念ライブの実況盤

Billycobhamspectrum40live"Spectrum 40 Live" Billy Cobham(Creative Multimedia Concepts)

ジャズ界の千手観音,Billy Cobhamが初リーダー作として"Spectrum"をリリースしたのは1973年のことである。それから40年を経過した2013年秋口に,Billy Cobhamは全米各地のヴェニュー,及び欧州のジャズ・フェスにおいて40周年記念ライブを敢行したようである。それから約1年半を経過して,ライブ盤として聞けるようになったのは実にめでたい。

Billy Cobhamはご承知の通り,Mahavishunu OrchestraやMilesとの共演を経て"Spectrum"を初リーダー作としてリリースしたわけだが,その後も結構な数のリーダー作をリリースしていて,ドラマーとしてはかなりその数が多い方ではないかと思う。もちろん,それはニーズがあるからってことだと思うが,やはり人気ドラマーであることは間違いない。だが,このアルバムが録音された2013年には69歳になっていたBilly Cobhamが往時のような猛爆ドラミングを聞かせられるのか不安を感じる向きもあろう。それがやっぱり猛爆なのだ。どういう体力をしているんだと言いたくなるような叩きっぷりなのである。

もちろん,本人の体力も凄いが,メンツもそうなるよねぇって感じだから,相乗効果は働いていると考えてもいい。だが,これはやはりBilly Cobhamの強靭な肉体があって成り立った音楽である。ただでさえ激しい"Spectrum"の曲の数々を軽々とこなしているって感じがするから凄いや。40周年記念を謳うだけあって,"Spectrum"からの曲を中心に曲が構成されているが,ライブだけあって,長尺の演奏になっているのは当然である。そしてほぼ毎日,こんな演奏を相当の距離を移動しながら各地で展開していたって,まじでこの人化け物である。一体どんなものを食っているのかと言いたくなるのは私だけではあるまい。

そして,全編に渡って聞かれるBilly Cobhamらしい演奏の数々に,私は口をあんぐりさせながら,この音を聞くだけであった。だが,これはやはり生で聞くべきものってことで星★★★★とするが,それにしてもよくやるわ。ディスクで聞いているから,まだ冷静でいられるが,こんなものをライブで聞かされたら,私は大変なことになっていただろうと言いたくなるような熱~いライブ盤。

Recorded between September and October, 2013

Personnel: Billy Cobham(ds), Dean Brown(g), Gary Husband(key), Ric Fierabracci(b)

2015年5月18日 (月)

Scott Hendersonの新譜は相変わらずのカッコよさ。

Vibe_station"Vibe Station" Scott Henderson(自主制作盤)

私がTribal TechでScott Hendersonにはまったのが在米中の91年頃のことであるから,もう四半世紀前である。セルフ・タイトルの"Tribal Tech"を買ったのは,今はもうなくなってしまったWest 4thのTower Recordsだったと思う。そこのTowerは,City HallそばにあったJ&R Music Worldのような店に比べると値段は高いものの,クラシックの売り場も異常に充実しており,J&Rで見つからないと,友人の寮に遊びに行く(食事に行く,飲みに行く,あるいはジャズ・クラブに行く等,主目的は様々:笑)ついでに,よく立ち寄ってはCDをゲットしていたのも懐かしい。

そんな時期からかなりの時間が経過したわけだが,Scott Hendersonのやっている音楽はちっとも変わらない(笑)。だが,それがこっちが求める姿なのだから,ワン・パターンと言われようが何しようが,全然問題はない。今回の新作はレーベル名等の記載がないので,Scott Hendersonの自主制作と考えてよいだろうが,国内においてはデジタル音源として販売されているだけで,ディスクは入ってきていないようである。だが,現物主義の私はやはりCDの方がいいということで,Abstract Logixのサイトで現物を購入したものである。CDの値段はそんなに高くないにもかかわらず,送料が高いのには正直言って辟易とするが,それでも私のような年代の人間には,どうしても現物の方がいいに決まっているから仕方がないのである。

今回のアルバムはScott Henderson+ベース,ドラムスという編成なので,いつも以上にScott Hendersonの弾きまくりモードが楽しめると想像していたが,案の定の弾き倒しである。Scott Hendersonはこうでなくてはならん!(笑)。今回ベースを弾くのはLarry Carltonの息子のTravis Carlton,そしてドラムスはAlan Hertzという人だが,この人は多分初めて聞くのではないかと思う。なかなかネットで調べても詳しいバイオが出てこないが,Kai EckhardtやFareed HaqueらとGaraj Mahalというジャム・バンドを組んでいたらしい。Travis Carltonについては親父とのパリでのライブ盤で聞いたことはあるが,今となってはそれほど記憶に残っていない。しかし,今回のアルバム,ギタリストとしてはLarry Carltonとはかなり毛色が違うScott Hendersonとやっているのだが,何だかこっちの方がいいように思えてしまう。親父がいないとより自由度が増すって感じか(爆)。

プロデュースはScott Henderson本人が行っているが,Executive Producerとして,Mark Varneyの名前が...。Mark Varneyと言えば,ハード・フュージョン専門みたいなTone Centerレーベルのオーナーであり,それ以前で言えば,Mark Varney Projectの名のもと,Allan HoldsworthとFrank Gambaleを共演させてしまった人であるが,そういうフォーメーションを考えれば,このアルバムがどういう音かはわかろうってものである。もちろん,そんなことを考えなくたって,Scott Hendersonと聞けばこういう感じだろうって音がしてくるこの安心感よ(笑)。因みに,ドラムスのHertzがエンジニアリングも行っていて,家内制手工業的な色彩も感じられて微笑ましい。曲についてはハード・ドライビングな曲もあれば,チェンジ・オブ・ペース的なミディアム・テンポの曲(それでも弾きまくりであることには変わりはないが)もあって,バランスは取れていると思う。そうは言っても最後の極めてまともに弾かれる"Chelsea Bridge"には面喰うが(笑)。

こういうアルバムがダウンロードでしか手に入らないというのはいかがなものかと思えるが,まずは私としてはその存在を皆さんに知ってもらわねばならんということもあるし,やっぱりこれはカッコいいと思うので,星★★★★☆。はっきり言ってScott Hendersonのファンは買わねばならん(きっぱり)。

Personnel: Scott Henderson(g), Travis Carlton(b), Alan Hertz(ds)

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